水環境工学I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水環境工学I
科目番号 5439 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市デザイン工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:伊藤禎彦・上月康則・山崎慎一他「よくわかる環境工学」(理工図書)
担当教員 山崎 慎一

到達目標

【到達目標】
1.全体として国家公務員Ⅲ種,地方公務員初級に合格するレベルの知識を身につける。
2.pHやBODなどの水質指標が説明でき,汚濁負荷量が計算できる。
3.河川の自浄作用や水質汚濁,富栄養化の現象を理解し,説明できる。
4.下水道の仕組みが説明でき,簡単な施設設計計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1pHやBODなどの水質指標が説明でき,汚濁負荷量が計算できる。pHやBODなどの水質指標がある程度説明でき,汚濁負荷量が計算方法が理解できている。pHやBODなどの水質指標が説明できない。また、汚濁負荷量が計算できない。
評価項目2河川の自浄作用や水質汚濁,富栄養化の現象を説明できる。河川の自浄作用や水質汚濁,富栄養化の現象をある程度説明できる。河川の自浄作用や水質汚濁,富栄養化の現象を理解できていない。
評価項目3下水道の仕組みが説明でき,簡単な施設設計計算ができる。下水道の仕組みがある程度説明でき,簡単な施設設計計算の方法が理解できる。 下水道の仕組みが説明できない。簡単な施設設計計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標  (D) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
河川や湖沼などの公共用水域における水環境の汚染原因やBODなどの水質の調査方法,生活排水を処理する下水道の役割や施設の設計方法などについて,高知県の身近な例を掲げながら分かり易く解説する。この講義では,主に水環境や下水道に関する知識を総合的に学習し,実務に応用できる基礎知識を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
下記の授業計画に従って講義を行い,定期的に演習問題を行って内容の理解度や到達度を評価する。前学期中間と前学期末に試験を行う。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(演習問題や小テスト等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。成績の評価は,前学期中間と前学期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境問題の歴史[1]:下水道の始まり,戦後の公害対策,環境基本法などを解説する。 下水道の始まり,戦後の公害対策,環境基本法などが理解できる。
2週 水環境の現状[2]:近年の公共用水域の水質の状況やその保全対策などを解説する。 近年の公共用水域の水質の状況やその保全対策などが理解できる。
3週 水質汚濁[3]:水の物性と循環,水質汚濁現象について理解する。 水の物性と循環,水質汚濁現象について理解できる。
4週 水質指標[4]: pH,DO,BOD,窒素などの水質評価指標の意味や測定方法を理解する。 pH,DO,BOD,窒素などの水質評価指標の意味や測定方法が理解できる。
5週 汚濁負荷と自浄作用[5]:汚濁負荷の発生源やその移動過程,河川の自浄作用を理解する。 汚濁負荷の発生源やその移動過程,河川の自浄作用が理解できる。
6週 富栄養化現象[6]:湖沼などの富栄養化の原因について理解する。 湖沼などの富栄養化の原因について理解できる。
7週 下水道のしくみ[7]:下水道の役割,構成,排除方式,種類,施設などを理解する。 下水道の役割,構成,排除方式,種類,施設などが理解できる。
8週 下水道計画[8-10]:計画汚水量及び雨水量,汚濁負荷量,管渠の設計法を理解する。 計画汚水量及び雨水量,汚濁負荷量,管渠の設計法が理解できる。
2ndQ
9週 下水道計画[8-10]:計画汚水量及び雨水量,汚濁負荷量,管渠の設計法を理解する。 計画汚水量及び雨水量,汚濁負荷量,管渠の設計法が理解できる。
10週 下水道計画[8-10]:計画汚水量及び雨水量,汚濁負荷量,管渠の設計法を理解する。 計画汚水量及び雨水量,汚濁負荷量,管渠の設計法が理解できる。
11週 下水処理施設[11-13]:処理に関与する微生物と標準活性汚泥法の設計法を理解する。 処理に関与する微生物と標準活性汚泥法の設計法が理解できる。
12週 下水処理施設[11-13]:処理に関与する微生物と標準活性汚泥法の設計法を理解する。 処理に関与する微生物と標準活性汚泥法の設計法が理解できる。
13週 下水処理施設[11-13]:処理に関与する微生物と標準活性汚泥法の設計法を理解する。 処理に関与する微生物と標準活性汚泥法の設計法が理解できる。
14週 様々な下水処理法[14]:浮遊生物法,生物膜法,高度処理法(窒素・リン除去法)を理解する。 浮遊生物法,生物膜法,高度処理法(窒素・リン除去法)が理解できる。
15週 汚泥処理[15]:汚泥性状の指標,計画汚泥量,処理プロセス,有効利用法を理解する。 汚泥性状の指標,計画汚泥量,処理プロセス,有効利用法が理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前4
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境と人の健康との関わりを説明できる。2前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。2前1
水の物性、水の循環を説明できる。2前3
水質指標を説明できる。2前4
水質汚濁の現状を説明できる。2前2
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。3前5
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。2前5,前6
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。2前2
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。2前7
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。3前8,前9,前10
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。2前11,前12,前13,前14
汚泥処理・処分について、説明できる。2前15

評価割合

試験課題----合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2020----40
専門的能力4020----60
分野横断的能力00----0