土木・建築実験IV

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 土木・建築実験IV
科目番号 5552 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境都市デザイン工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:「新建設材料実験」(日本材料学会),「水理実験指導書」(土木学会),担当者作成の実験指導書 参考書:関連科目の教科書
担当教員 山崎 慎一,横井 克則,岡田 将治,寺田 幸博,小田 憲史,木村 竜士,池田 雄一

到達目標

【到達目標】
1.環境実験:BODなどの水質分析ができる。負荷量計算ができる。廃水の浄化原理が説明できる。
2.RC実験:RCはりの載荷実験を行い,変形の性状などを力学的な視点で考察できる。
3.構造実験:はりの曲げ崩壊について説明できる。耐震構造と免震構造の振動の違いについて説明できる。
4.海岸実験:ゼロアップクロス法を用いて,有義波高及び有義波周期が計算できる。
5.水理実験:管水路のエネルギー損失,開水路の比エネルギーが計算できる。
6.建築環境実験:室温,自然光や人工光による照度などの室内環境について説明ができる。
7.チームで行なう実験:チームにおける自己の役割を理解し、チーム員と協働することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験は迅速かつ適切に操作することができる。計算もその根拠を理解して正確に結果を導ける。また、実験や計算の結果から専門的知識を十分応用して考察できる。実験は手順通りに操作できる。計算も指導書に従って結果を導ける。実験や計算の結果から現象が説明できる。実験が手順通りに操作できない。計算も指導書に従って導けない。実験や計算の結果から現象が説明できない。
評価項目2リーダーシップを発揮して、班員と協力して迅速かつ効率的な作業ができる。班員と協力して作業はできるが、やや積極性に欠けるところがある。班員と協力して作業ができない。また、実験に参加しないことが多い(欠席や遅刻が多い)。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標  (C) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (i) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造,鉄筋コンクリート,建築環境,海岸,水理,環境における各分野の実験を通じて,工学的な感覚を磨き,専門的基礎知識を深める。また,建設関係の実務あるいは研究開発において応用・展開し得る実践的技術,技術的諸問題に対応できる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
1クラスを4班に分け,班毎に各分野のテーマに分かれて実験を行なう。さらにテーマによってはチームを作り協働して実験を行なう。以下の授業計画は1班のものである。レポートは,各自で得られたデータを整理して考察し,指示された期日時刻までに提出する。
注意点:
6つの分野の実験において各々評価し,各分野の実験時間数に応じて総合的に評価する。ただし,各分野の評価は,JABEE基準1(2)における(d)(3)専門的知識を20点,応用する能力を10点,(i)チームで仕事をするための能力を10点,レポートなどを60点で評価し,各評価項目における各分野の平均が6割以上であることが単位修得の条件である。技術者が身につけるべき専門基礎として,上記の到達目標1~7に対する理解と協働の程度を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 説明[1]:各テーマの目的,留意事項,レポート提出方法等を説明する。 各テーマの目的が理解でき,留意事項,レポート提出方法等を確認する。
2週 環境実験[2-4]:校内池の水質調査,汚濁負荷量の計算,中和滴定のpH計算の方法を理解する。 校内池の水質調査,汚濁負荷量の計算,中和滴定のpH計算の方法が理解できる。
3週 環境実験[2-4]:校内池の水質調査,汚濁負荷量の計算,中和滴定のpH計算の方法を理解する。 校内池の水質調査,汚濁負荷量の計算,中和滴定のpH計算の方法が理解できる。
4週 環境実験[2-4]:校内池の水質調査,汚濁負荷量の計算,中和滴定のpH計算の方法を理解する。 校内池の水質調査,汚濁負荷量の計算,中和滴定のpH計算の方法が理解できる。
5週 RC実験[5-7]:RCはりの曲げ特性とせん断特性を実験を通じて理解する。 RCはり試験体の製作(鉄筋組立,ひずみゲージ貼付,コンクリート打設等)を理解し,実行できる。
6週 RC実験[5-7]:RCはりの曲げ特性とせん断特性を実験を通じて理解する。 ひび割れ発生荷重や耐力等の予測計算を理解し、計算できる。
7週 RC実験[5-7]:RCはりの曲げ特性とせん断特性を実験を通じて理解する。 RCはりの載荷実験を実施し、実験値と理論値の比較検討を行い、安全性について理解できる。
8週 構造実験[8-10]:全塑性モーメントでの崩壊を想定したはりの極限荷重の計算と載荷実験,耐震構造と免震構造の違いを2次元振動台を使用した振動模型実験。 全塑性モーメントでの崩壊を想定したはりの極限荷重の計算と載荷実験,振動実験より耐震構造・免震構造の振動応答量の違いを理解できる。
2ndQ
9週 構造実験[8-10]:全塑性モーメントでの崩壊を想定したはりの極限荷重の計算と載荷実験,耐震構造と免震構造の違いを2次元振動台を使用した振動模型実験。 全塑性モーメントでの崩壊を想定したはりの極限荷重の計算と載荷実験,振動実験より耐震構造・免震構造の振動応答量の違いを理解できる。
10週 構造実験[8-10]:全塑性モーメントでの崩壊を想定したはりの極限荷重の計算と載荷実験,耐震構造と免震構造の違いを2次元振動台を使用した振動模型実験。 全塑性モーメントでの崩壊を想定したはりの極限荷重の計算と載荷実験,振動実験より耐震構造・免震構造の振動応答量の違いを理解できる。
11週 海岸実験[11-13]:模擬波浪計測実験,実測及び模擬波浪の代表波(有義波高・周期)算出を学ぶ。 模擬波浪計測実験,実測及び模擬波浪の代表波(有義波高・周期)算出法が理解できる。
12週 海岸実験[11-13]:模擬波浪計測実験,実測及び模擬波浪の代表波(有義波高・周期)算出を学ぶ。 模擬波浪計測実験,実測及び模擬波浪の代表波(有義波高・周期)算出法が理解できる。
13週 海岸実験[11-13]:模擬波浪計測実験,実測及び模擬波浪の代表波(有義波高・周期)算出を学ぶ。 模擬波浪計測実験,実測及び模擬波浪の代表波(有義波高・周期)算出法が理解できる。
14週 まとめ[14-15]:前学期の各実験のまとめを行う。 前学期の各実験のまとめを行う。
15週 まとめ[14-15]:前学期の各実験のまとめを行う。 前学期の各実験のまとめを行う。
16週
後期
3rdQ
1週 環境実験[16-18]:活性汚泥の浄化のしくみや下水量計算及び下水処理施設設計の方法を学ぶ。 活性汚泥の浄化のしくみや下水量計算及び下水処理施設設計の方法が理解できる。
2週 環境実験[16-18]:活性汚泥の浄化のしくみや下水量計算及び下水処理施設設計の方法を学ぶ。 活性汚泥の浄化のしくみや下水量計算及び下水処理施設設計の方法が理解できる。
3週 環境実験[16-18]:活性汚泥の浄化のしくみや下水量計算及び下水処理施設設計の方法を学ぶ。 活性汚泥の浄化のしくみや下水量計算及び下水処理施設設計の方法が理解できる。
4週 水理実験[19-21]:管水路のエネルギー損失および開水路の比エネルギー,水面形について学ぶ。 管水路のエネルギー損失および開水路の比エネルギー,水面形について理解できる。
5週 水理実験[19-21]:管水路のエネルギー損失および開水路の比エネルギー,水面形について学ぶ。 管水路のエネルギー損失および開水路の比エネルギー,水面形について理解できる。
6週 水理実験[19-21]:管水路のエネルギー損失および開水路の比エネルギー,水面形について学ぶ。 管水路のエネルギー損失および開水路の比エネルギー,水面形について理解できる。
7週 建築環境実験[22-27]:室内の温湿度分布,照度測定その評価方法を学ぶ。 室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法が理解できる。
8週 建築環境実験[22-27]:室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法を学ぶ。 室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法が理解できる。
4thQ
9週 建築環境実験[22-27]:室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法を学ぶ。 室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法が理解できる。
10週 建築環境実験[22-27]:室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法を学ぶ。 室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法が理解できる。
11週 建築環境実験[22-27]:室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法を学ぶ。 室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法が理解できる。
12週 建築環境実験[22-27]:室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法を学ぶ。 室内の温湿度分布,照度測定とその評価方法が理解できる。
13週 まとめ[28-30]:各実験のまとめを行う。 各実験のまとめを行う。
14週 まとめ[28-30]:各実験のまとめを行う。 各実験のまとめを行う。
15週 まとめ[28-30]:各実験のまとめを行う。 各実験のまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,後1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,後1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前3,後2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前4,前7,後3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前4,前7,後3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4前5
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4前5
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前7
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4前6,前7
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。3
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。3
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。3
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4前2,後1
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4前2,後1
建築系分野【実験・実習能力】建築系【実験実習】実験の目的と方法を説明できる。4前1
建築を取巻く環境(例えば音、光、温度、湿度、振動など)を実験により把握できる。4後7,後8,後9,後10,後11,後12
実験結果を整理し、考察できる。4前14,前15,後13,後14,後15

評価割合

レポート口頭試問他取組状況---合計
総合評価割合603010000100
基礎的能力0200---20
専門的能力60100---70
分野横断的能力0010---10