測量学I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 測量学I
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市デザイン工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:堤 隆 他「測量Ⅰ, Ⅱ」(コロナ社)
担当教員 山崎 利文

到達目標

1.測量業務の概要を理解していること。
2.距離測量の方法と誤差に関する基礎知識があり,処理ができること。
3.三角関数を駆使して、三辺測量から角度の計算や面積の計算ができること。
4.トラバース測量について基礎的な事項を理解し,トラバース計算ができること。
5.平板測量の基礎的事項と測量方法を理解する。
6.水準測量の基礎的事項と測量方法を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1測量業務を理解し、各種測量方法と誤差に関する正しい評価と調整ができる。測量業務全般の知識と誤差の種類を理解している。測量業務が理解できず、誤差に関する知識がない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
測量の基礎的知識と1年生で学習する数学の三角関数および幾何学の知識を関連づけて学習し、2・3年生で行う測量実習での技能と関連づけて理解を深め,誤差を含む測定結果に対して技術者として適正に処理できる能力を養う。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書に準じて板書とノートを取らせながら説明を聞かせ、例題を示し演習問題を行いながら、理解させる。授業中の演習成績は、評価割合20%に含まれている。
注意点:
試験の成績60%,課題や小テストを20%,授業態度を20%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 総説 [1-2]:測量の歴史と測量業務・測量の基準・最新測量技術 測量の歴史を理解し、測量業務を概要を理解する。
2週 総説 [1-2]:測量の歴史と測量業務・測量の基準・最新測量技術 測量の基準を理解する。
3週 総説[3-4]:有効数字と誤差の種類と補正・演習問題 誤差の種類・性質を理解している。
4週 総説[3-4]:有効数字と誤差の種類と補正・演習問題 正しい有効数字の使い方ができて計算できる。
5週 距離測量 [5-6]:直接距離測量の測定方法 直接距離測量の概要を理解している。
6週 距離測量 [5-6]:直接距離測量の測定方法 直接距離測量の手順を理解している。
7週 誤差の取り扱い方 [7-8]:誤差の補正・最確値,標準偏差・誤差伝播の法則 誤差調整の方法を理解して、計算できる。
8週 誤差の取り扱い方 [7-8]:誤差の補正・最確値,標準偏差・誤差伝播の法則 誤差調整の方法を理解して、計算できる。
2ndQ
9週 三辺測量 [9]:距離測量から面積・角度の測定・ヘロンの公式・余弦定理の応用 ヘロンの公式とその使い方、余弦定理、逆三角関数の使い方が理解できる。
10週 角測量 [10-15]:測角機器の基礎知識 測角機器の種類と機能を知り、測角ができる。
11週 角測量 [10-15]:測角機器の基礎知識 アナログ目盛り(バーニア)とデジタル目盛りを正しく読むことができる。
12週 角測量 [10-15]:トラバース測量の選点と作業手順 トラバース測量の手順を理解している。
13週 角測量 [10-15]:トラバース測量の順序・測角法,野帳の記入 測角方法の種類と野帳の記入法を理解している。
14週 角測量 [10-15]:トラバース測量の順序・測角法,野帳の記入 単測法、倍角法、方向法の測角方法を理解している。
15週 角測量 [10-15]:トラバース測量の順序・測角法,野帳の記入 方向法による二対回測角と計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 多角測量 [16-22]:トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 トラバース計算方法の全体の流れを理解できる。
2週 多角測量 [16-22]:トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 トラバース計算ができる。角調整、方位角の計算ができる。
3週 多角測量[16-22]:トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 緯距・緯距の計算ができる・
4週 多角測量 [16-22]:トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 トラバース調整計算ができる。
5週 多角測量 [16-22]:トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 座標計算と倍横距による面積計算方法を理解している。
6週 多角測量 [16-22]:トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 座標計算と倍横距による面積計算ができる。
7週 多角測量 [16-22]:トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 座標を用いた、ヘロンの公式、三斜法による面積計算ができる。
8週 平板測量 [23]:平板測量用器械・器具の解説 平板測量の器具と用語を理解している。
4thQ
9週 平板測量[24]:器械・器具の検査と調整・平板の据えつけ 平板器具の検査と調整法と平板の据え付け方法を理解している。
10週 平板測量 [25-26]:平板測量の方法(導線法)(放射法)(交会法) 平板測量の各種測定方法の特徴を理解している。
11週 平板測量 [25-26]:平板測量の方法(導線法)(放射法)(交会法) 平板測量の各種測定方法の手順を理解している。
12週 [27]:平板測量の許容精度と誤差 と応用(地形測量),スタジア測量(距離・高低差) 平板測量の誤差要因を理解し、スタジア測量による原理を理解している。
13週 水準測量 [28-30]:水準測量の基礎知識・測量の方法と野帳の記入
試験:前学期中間,前学期末,後学期中間,学年末
水準測量の概要を理解できる。
14週 水準測量 [28-30]:水準測量の基礎知識・測量の方法と野帳の記入
試験:前学期中間,前学期末,後学期中間,学年末
水準測量の野帳の記入方法を理解している。
15週 水準測量 [28-30]:水準測量の基礎知識・測量の方法と野帳の記入
水準測量で生じる誤差とその調整法理解している。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。2
恒等式と方程式の違いを区別できる。1
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。2
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。2
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。2
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。2
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。2
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。2
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。2
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。2
導関数の定義を理解している。2
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。2
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。2
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。2
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。2
微積分の基本定理を理解している。2
定積分の基本的な計算ができる。2
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。2
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。2
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。2
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。2
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。2
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。2
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。2
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。2
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。2
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。2
2重積分を累次積分になおして計算することができる。2
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。2
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。2
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。2
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
自然科学物理波動自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。3
測量体系(国家基準点等)を説明できる。3
距離の種類を説明できる。3
平坦地や傾斜地の距離測量を説明でき、測量結果から計算ができる。3
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。3
光波・電波による距離測量を説明できる。2
器械の検査と調整を理解している。2
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。3
生じる誤差の取扱いを説明できる。2
種類、手順および方法について、説明できる。2
閉合トラバースの計算ができる。3
器械の据付と取扱いを説明できる。3
測量方法や誤差の取り扱いが説明できる。3
アリダードによる間接水準測量を理解している。2
器械の点検と調整を理解している。2
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。2
生じる誤差の取扱いを説明できる。2
測定結果から、面積や体積の計算ができる。2
測量に用いる座標系を説明できる。1
GNSS測量の原理を説明できる。1
GPS測量の方法を説明でき、測量結果から計算ができる。1
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。3
測量における誤差の種類を説明でき、これを考慮した計算ができる。3
建築系分野情報処理電子メールの使用設定や使用方法を理解できる。2
ワードプロセッサソフトウェアによる文書の作成ができる。3
ワードプロセッサソフトウェアを利用し簡単な作画ができる。3
表計算ソフトウェアにより基本的なグラフが作成できる。2
プレゼンテーションソフトウェアの基本的な使い方を理解している。2
フローチャートについて説明できる。2
コンピュータを用いたデータ処理方法について説明でき、簡単なデータ処理ができる。2
インターネットの役割とエチケットについて理解している。2
専門的能力の実質化インターンシップインターンシップコミュニケーション能力や主体性等の「技術者が備えるべき能力」の必要性を理解できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60001020100100
基礎的能力3000102010070
専門的能力2000000020
分野横断的能力1000000010