構造力学II

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 構造力学II
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境都市デザイン工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:嵯峨・武田・原・勇「構造力学Ⅰ」(コロナ社) 参考書:二見「構造力学」(市ヶ谷出版)、寺本「建築構造の力学Ⅰ」(森北出版)
担当教員 池田 雄一

到達目標

【到達目標】
1.力のつり合いから,各種の梁・ラーメンの支点反力・応力(断面力)を求めることができ,応力図(断面力図)を描くことができる
2.トラスの応力計算、応力図が描ける
3.断面の性質を表す各種諸量を理解し、計算できる
4.部材断面の応力を計算し,応力状態を知り、設計の考え方を理解する
5.座屈について理解し、座屈荷重を計算できる
6.梁の弾性変形を各手法で計算できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1任意荷重が作用する単純ばり・片持ちばり、張出しばり、ラーメン、トラスの反力・応力が計算でき、応力図を書くことができる集中荷重と等分布荷重が作用する単純ばり・片持ちばり、張出しばり、ラーメン、トラスの反力・応力が計算できる集中荷重と等分布荷重が作用する単純ばり・片持ちばり、張出しばり、ラーメン、トラスの反力計算・応力計算が計算できない
評価項目2正方形やL型など任意形状断面の断面の性質を表す諸量が計算でき、その断面に生じる応力度が計算できる。モールの応力円を使って任意の応力度が計算できる正方形やL型など任意形状断面の断面の性質を表す諸量が計算でき、その断面に生じる応力度が計算できる正方形やL型など任意形状断面の断面の性質を表す諸量が計算できない。その断面に生じる応力度も理解できない
評価項目3任意荷重が作用するはりの弾性変形をたわみの微分方程式やモールの定理を使って計算できる。座屈荷重を計算できる集中荷重や等分布荷重が作用するはりの弾性変形をたわみの微分方程式やモールの定理を使って計算できない集中荷重や等分布荷重が作用するはりの弾性変形をたわみの微分方程式モールの定理を理解できない
評価項目4許容応力度の設計の考え方が理解でき、計算できる許容応力度の設計の考え方が理解できる許容応力度の設計の考え方が理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
土木・建築工学に必要な専門的基礎知識を習得するために,構造力学Ⅰ(2年)で学習したつり合い式の基礎知識を基に、梁・ラーメン・トラスの支点反力・応力(断面力)を求め、また構造部材の断面の性質を表す諸量を使ってその内部に生じる応力を計算し、部材内部の応力状態を理解する。そして、圧縮部材としての柱の座屈を理解する。さらに、梁の弾性変形を求める方法を学ぶ。これにより、土木・建築技術者としての構造力学に関する専門的基礎知識を習得することができる
授業の進め方・方法:
最初に、講義を通して基礎的な知識を学習し、そして構造力学の解法を学習する。これを踏まえて次に、問題や配布する課題配布プリントを通して、学生自身が自分の手を動かして構造力学の問題解法を行う講義形式とする
注意点:
定期試験の成績(60%)、配布プリント課題・講義ノート(30%)、授業態度(10%)を基準として総合的に評価する。各期の成績は、学年始めから各期までの成績を平均して評価する。土木・建築技術者が身につけるべき専門基礎として、到達目標に対する達成度を試験・提出物等において評価する

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 支点・反力の復習、集中荷重、等分布荷重の復習、反力計算手順の復習(1-2) 構造力学Ⅰの復習、反力計算手順の復習
2週 応力の復習、単純梁の応力計算-1(3-5) 応力の復習、応力計算ができるようになる
3週 単純梁の応力計算・応力図(斜め荷重、等分布荷重)-2(6-8) 単純梁の応力計算(斜め荷重、等分布荷重)-2を解き、応力図が描ける
4週 単純梁の応力計算・応力図(モーメント荷重)-3(9-11) 単純梁の応力計算(モーメント荷重)-3を解き、応力図が描ける
5週 単純梁の応用問題の応力計算・応力図(斜め荷重、等分布荷重)-4(12-14) 単純梁の応用問題の応力計算(斜め荷重、等分布荷重)を解き、応力図が描ける
6週 演習問題(15-17)、せん断力と曲げモーメントの関係 演習問題が解ける、せん断力と曲げモーメントの関係を理解する
7週 ラーメンについて、ラーメンの応力計算解法、応力図-1(18-20) ラーメンについて理解する、ラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
8週 ラーメンの応力計算解法、応力図-2(21-23) ラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
2ndQ
9週 ラーメンの応力計算解法、応力図-3(24-25) ラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
10週 ラーメンの応力計算解法、応力図-4、3ヒンジラーメンの応力計算解法、応力図(26-28) 3ヒンジラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
11週 トラスについて、トラスの解法-1(図解法)(29-31) トラスについて理解する、トラスの図解法を理解する
12週 トラスについて、トラスの解法-2(算式解法)(32-34) トラスの算式解法を理解する
13週 トラスについて、トラスの解法-3(算式解法)(32-34) トラスの算式解法を理解する
14週 断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-1(35-37) 断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
15週 断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-2(38-40) 断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
16週 断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-3(41-43) 断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
後期
3rdQ
1週 応力度について、圧縮応力度、引張応力度について-1 応力度についての考え方を理解する、圧縮応力度、引張応力度について理解する
2週 曲げ応力度、せん断応力度について-2 曲げ応力度、せん断応力度について理解する
3週 各応力度計算-1 各応力度計算が計算できる
4週 各応力度計算-2 各応力度計算が計算できる
5週 許容応力度について、許容応力度設計について 許容応力度について理解する、許容応力度設計を理解する
6週 許容応力度設計 許容応力度設計を行って、基本的な設計の考え方を学ぶ
7週 座屈について-1、長柱、短柱について 座屈について学ぶ、座屈の地震被害を学ぶ
8週 座屈について-2、座屈荷重について 座屈荷重について学ぶ
4thQ
9週 座屈について-3、偏心について 偏心する場合の座屈荷重の考え方
10週 柱の設計 柱の設計について学ぶ
11週 梁の変形-1、梁の弾性変形について 梁の弾性変形について学ぶ
12週 梁の変形-2、演習問題 演習問題を通して、梁の弾性変形を学ぶ
13週 梁の変形-3、モールの定理 モールの定理について学ぶ
14週 梁の変形-4、演習問題-1 モールの定理を使って、演習問題を解く
15週 梁の変形-5、演習問題-2

モールの定理を使って、演習問題を解く
16週 梁の変形-6、まとめ 梁の弾性変位のまとめを行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。2
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。2
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。2
微積分の基本定理を理解している。2
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造構造物の種類やその安定について理解している。2
構造物に作用する荷重の種類について理解している。2
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。3
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力を理解し、はりの種類やその安定性について説明できる。3
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。2
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。2
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。3
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。3
はりに生じる応力から、簡単なはりの設計ができる。3
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。2
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。3
ラーメンやその種類について理解している。2
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。3
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。3
鋼材の力学的性質について理解している。2
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。3
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。2
垂直応力とせん断応力について説明できる。3
主応力と主軸について説明できる。3
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。3
平面応力と平面ひずみについて説明できる。3
弾性・塑性の概念について説明できる。3
はりのたわみの微分方程式を理解している。2
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。3
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。3

評価割合

試験態度提出物その他合計
総合評価割合6010300100
基礎的能力201030060
専門的能力2000020
分野横断的能力2000020