水理学I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 水理学I
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市デザイン工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:国澤正和,福山和夫,西田秀行「絵とき 水理学」(オーム社) 教材:大学編入試験,公務員試験および土木学会認定技術者試験の過去問題
担当教員 寺田 幸博

到達目標

【到達目標】
1.水理学に必要な数学,力学の考え方を理解する。
2.水の性質と静水圧が理解できる。
3.水圧と全水圧,その作用点が計算できる。
4.浮力と浮体の安定について理解し,計算できる。
5.水の流れの性質を理解し,定理を応用した諸問題を解くことができる。
6.ベルヌーイの定理を理解し,定理を応用した諸問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水理学に必要な数学,力学の考え方を説明できる。水理学に必要な数学,力学の考え方を理解できる。水理学に必要な数学,力学の考え方を理解できない。
評価項目2水の性質と静水圧が説明できる。水の性質と静水圧が理解できる。水の性質と静水圧が理解できない。
評価項目3水圧と全水圧,その作用点が計算でき、説明できる。水圧と全水圧,その作用点が計算できる。水圧と全水圧,その作用点が計算できない。
評価項目4水の流れの性質を理解し,定理を応用した諸問題を解き、説明できる。水の流れの性質を理解し,定理を応用した諸問題を解くことができる。水の流れの性質を理解し,定理を応用した諸問題を解くことができまい。
評価項目5ベルヌーイの定理を理解し,定理を応用した諸問題を解くことができ、説明できる。ベルヌーイの定理を理解し,定理を応用した諸問題を解くことができる。ベルヌーイの定理を理解し,定理を応用した諸問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水理学は,建設工学の専門基礎科目の中でも重要科目のひとつである。水理学を応用する河川,海岸,上下水道,水質汚濁等の水に関わる工学に必要な専門的基礎知識を数学や物理学に基づいて習得し,公務員等の就職試験や大学編入・専攻科進学試験に備え,応用力を身につける。
授業の進め方・方法:
下記の授業計画にしたがって講義を行い、その過程において演習問題を行って内容の理解度や到達度をノートなどの点検によって確認する。学期中間と期末に試験を行う。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(レポート課題や小テスト等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水の性質および次元[1]:水の性質,粘性,重量と質量,単位系。 水理学で用いる単位系について説明できる。
水の基本的な性質について説明できる。
2週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[2-4]:単位変換,三角関数,物体の運動。 三角関数を含む基本的な方程式を解くことができる。
3週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[2-4]:単位変換,三角関数,物体の運動。 等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。
4週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[2-4]:単位変換,三角関数,物体の運動。 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
5週 静水圧①[6-8]:静水圧の性質,ゲージ圧と絶対圧,マノメーター,パスカルの原理。 静水圧の表現、強さ、作用する方向について理解している。
6週 静水圧①[6-8]:静水圧の性質,ゲージ圧と絶対圧,マノメーター,パスカルの原理。 静水圧の表現、強さ、作用する方向について理解している。
7週 静水圧①[6-8]:静水圧の性質,ゲージ圧と絶対圧,マノメーター,パスカルの原理。 静水圧の測定の方法(マノメーター) について説明できる。
8週 静水圧①[6-8]:静水圧の性質,ゲージ圧と絶対圧,マノメーター,パスカルの原理。 水圧機(パスカルの原理)について説明できる。
2ndQ
9週 静水圧②[9-12]:平面および曲面に作用する静水圧。 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
10週 静水圧②[9-12]:平面および曲面に作用する静水圧。 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
11週 静水圧②[9-12]:平面および曲面に作用する静水圧。 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
12週 静水圧②[9-12]:平面および曲面に作用する静水圧。 平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。
13週 アルキメデスの原理[13-15]:アルキメデスの原理,浮力と浮体の安定。 浮力とアルキメデスの原理について理解し、浮体の安定を計算できる。
14週 アルキメデスの原理[13-15]:アルキメデスの原理,浮力と浮体の安定。 浮力とアルキメデスの原理について理解し、浮体の安定を計算できる。
15週 アルキメデスの原理[13-15]:アルキメデスの原理,浮力と浮体の安定。 浮力とアルキメデスの原理について理解し、浮体の安定を計算できる。
16週
後期
3rdQ
1週 水の運動[16-17]:流速と流量,流れの分類,流れの連続性。 連続の式について理解している。
2週 水の運動[16-17]:流速と流量,流れの分類,流れの連続性。 連続の式について説明できる。
3週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[18-22]:微分・積分,エネルギー保存則,運動量保存則。 微分係数の意味を理解し、求めることができる。
導関数の定義を理解している。
4週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[18-22]:微分・積分,エネルギー保存則,運動量保存則。 合成関数の導関数を求めることができる。
合成関数の導関数を求めることができる。
5週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[18-22]:微分・積分,エネルギー保存則,運動量保存則。 不定積分の定義を理解している。
定積分の定義を理解している(区分求積法)。
6週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[18-22]:微分・積分,エネルギー保存則,運動量保存則。 微積分の基本定理を理解している。
7週 水理学に必要な数学,力学の基礎②[18-22]:微分・積分,エネルギー保存則,運動量保存則。 慣性の法則について説明できる。
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。
互いに力を及ぼしあう物体の運動について、運動方程式を立てて解くことができる。
8週 ベルヌーイの定理の基礎[23-26]:流体におけるエネルギー保存則。 ベルヌーイの定理を理解している
運動量保存則を理解している。
4thQ
9週 ベルヌーイの定理の基礎[23-26]:流体におけるエネルギー保存則。 運動量保存則の誘導について説明できる。
10週 ベルヌーイの定理の基礎[23-26]:流体におけるエネルギー保存則。 運動量保存則の応用した各種計算ができる。
11週 ベルヌーイの定理の基礎[23-26]:流体におけるエネルギー保存則。 層流と乱流について説明できる。
ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。
12週 ベルヌーイの定理の応用[27-30]:ピトー管,ベンチュリメーター,オリフィス,水門,堰。 平均流速を用いた基礎方程式、摩擦抵抗による損失水頭の実用公式、ムーディ図について理解している。
13週 ベルヌーイの定理の応用[27-30]:ピトー管,ベンチュリメーター,オリフィス,水門,堰。 開水路流れの基礎方程式について理解している。
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。
14週 ベルヌーイの定理の応用[27-30]:ピトー管,ベンチュリメーター,オリフィス,水門,堰。 水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解している。
15週 ベルヌーイの定理の応用[27-30]:ピトー管,ベンチュリメーター,オリフィス,水門,堰。 ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後16
2点間の距離を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後3
導関数の定義を理解している。3後3
合成関数の導関数を求めることができる。3後3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3後4
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2後4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。2後5
微積分の基本定理を理解している。2後5,後6
定積分の基本的な計算ができる。3後5,後6
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。2
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
慣性の法則について説明できる。3後6
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3後7
運動方程式を用いた計算ができる。3後7
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2前2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前2
力のモーメントを求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3前1,前2
水の基本的な性質について説明できる。3前1
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。2前1,前7
静水圧の測定の方法(マノメーター) について説明できる。3前5
水圧機(パスカルの原理)について説明できる。3前6
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。3前7
浮力と浮体の安定を計算できる。3前12
連続の式について理解している。2前6
連続の式について説明できる。3後1
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。1
ベルヌーイの定理を理解している。2後3
ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。3後9,後12
ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。3後11
運動量保存則を理解している。2後8
運動量保存則の誘導について説明できる。3後9,後11
運動量保存則の応用した各種計算ができる。3前1,後9
層流と乱流について、説明できる。3後11
平均流速を用いた基礎方程式、摩擦抵抗による損失水頭の実用公式、ムーディ図について理解している。2後11,後14,後15
摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。3後12
開水路流れの基礎方程式について理解している。2後13
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。2後13,後14
水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解している。2後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60004000100
基礎的能力60004000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000