応用物理C

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 応用物理C
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書: 小暮陽三(監修)「高専の応用物理 第2版」(森北出版)
担当教員 古田 寛

到達目標

【到達目標】
1.質点の運動を微分方程式で表し,簡単な運動について解ける。
2.剛体の回転の運動方程式を立てて解ける。
3.力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算できる。
4.静的な電界,電位の基本的な性質を理解して簡単な静電界、電位について計算できる。
5.電流の法則を理解し、簡単な直流回路について計算できる。
6.電流の磁気作用について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算できる。
7.電磁誘導の法則について理解し、簡単な交流回路について計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1質点の運動を微分方程式で表し,複雑な運動について解ける。質点の運動を微分方程式で表し,簡単な運動について解ける。質点の運動を微分方程式で表し,簡単な運動について解けない。
評価項目2剛体の複雑な回転の運動方程式を立てて解ける。剛体の回転の運動方程式を立てて解ける。剛体の回転の運動方程式を立てることができない。
評価項目3力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の複雑な運動に適用して計算できる。力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算できる。力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算することができない。
評価項目4静的な電界,電位の基本的な性質を理解して、複雑な静電界、電位の計算ができる。静的な電界,電位の基本的な性質を理解して簡単な静電界、電位について計算できる。静電場の電場,電位の基本的な性質を理解して簡単な静電界、電位について計算することができない。
評価項目5電流の法則を理解し、複雑な直流回路について計算できる。電流の法則を理解し、簡単な直流回路について計算できる。電流の法則を理解し、簡単な直流回路について計算することができない。
評価項目6電流の磁気作用について理解し、複雑な電流が作る磁界を計算できる。電流の磁気作用について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算できる。電流の磁気作用について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができない。
評価項目7電磁誘導について理解し、複雑な交流回路について計算できる。電磁誘導について理解し、簡単な交流回路について計算できる。電磁誘導について理解し、簡単な交流回路について計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学共通の専門基礎として,力学および電磁気学に関する授業を半期ずつ実施します。力学ではベクトルと微分方程式およびエネルギーの知識を応用して,質点および質点系の多様な運動や剛体の回転運動について学習します。電磁気学では静電界の基本法則および電流と磁界に関する基本法則を学習します。
授業の進め方・方法:
教科書やプリントを使用して基本事項を解説し、例題を通じて考え方を確認する。問題演習による確認は応用物理学演習において行う。
注意点:
試験の成績70%,平素の学習状況等(レポートや小テスト等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等によって評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学:速度、加速度の意味と計算方法について学ぶ。 座標を時間で微分して速度や加速度を求めることができる。
2週 力学:運動の法則について学ぶ。 運動の法則を理解し、いろいろな力を受けて運動する物体の運動方程式を立てることができる。
3週 力学:簡単な力を受けて運動する物体の運動方程式の解き方について学ぶ。 簡単な力を受けて運動する物体の運動方程式を解くことができる。
4週 力学:速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動について学ぶ。 速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動方程式を立てて解くことができる。
5週 力学:単振動の運動方程式について学ぶ。 単振動の運動方程式を立てて解くことができる。
6週 力学:仕事と運動エネルギーについて学ぶ。 仕事と運動エネルギーに関する計算ができる。
7週 力学:保存力と位置エネルギーについて学ぶ。 保存力と位置エネルギーに関する計算ができる。
8週 力学:力学的エネルギー保存則について学ぶ。 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
2ndQ
9週 力学:位置エネルギーと保存力の関係について学ぶ。 位置エネルギーと保存力の関係を理解し、位置エネルギーから保存力を計算することができる。
10週 力学:質点系の重心と重心の運動方程式について学ぶ。 質点系の重心の定義を理解し、重心の運動方程式を立てることができる。
11週 力学:運動量と運動量保存則について学ぶ。 運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
12週 力学:角運動量と角運動量保存則について学ぶ。 角運動量を求め、角運動量保存則を用いて様々な物理量の計算に利用できる。
13週 力学:剛体の回転運動方程式について学ぶ。 剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
14週 力学:剛体の慣性モーメントについて学ぶ。 簡単な形状の剛体の慣性モーメントを計算できる。
15週 力学:剛体の平面運動について学ぶ。 剛体の簡単な平面運動について、運動方程式を立てて解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 電磁気学:クーロンの法則について学ぶ。 クーロンの法則を理解し、点電荷に働く静電気力を計算することができる。
2週 電磁気学:真空中の静電界、点電荷が作る電界について学ぶ。 電界の意味を理解し、点電荷が作る電界を計算することができる。
3週 電磁気学:連続的に分布する電荷が作る電界について学ぶ。 連続的に分布する電荷が作る電界を計算することができる。
4週 電磁気学:ガウスの法則について理解し、電界の計算方法について学ぶ。 ガウスの法則を理解し、ガウスの法則用いて一様な電荷分布による電界を計算することができる。
5週 電磁気学:電位について理解し、電位の計算方法について学ぶ。 電位の定義を理解し、点電荷が作る電位を計算することができる。
6週 電磁気学:導体の電気的性質と電気容量について学ぶ。 導体の電気的性質と電気容量を理解し、説明することができる。
7週 電磁気学:コンデンサーについて学ぶ。 様々な形状のコンデンサーの電気容量やエネルギーを計算することができる。
8週 電磁気学:誘電体の電気的性質について学ぶ。 誘電体の電気的性質について説明できる。
4thQ
9週 電磁気学:静的な磁気について学ぶ。 静的な磁気について理解し、磁界を計算することができる。
10週 電磁気学:オームの法則と電気抵抗について学ぶ。 オームの法則を理解し、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。
11週 電磁気学:ビオ-サバールの法則について学ぶ。 ビオ-サバールの法則について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができる。
12週 電磁気学:アンペールの法則について学ぶ。 アンペールの法則について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができる。
13週 電磁気学:磁界中の電流に働く力とローレンツ力について学ぶ。 磁界中の電流に働く力とローレンツ力について計算できる。
14週 電磁気学:ファラデーの電磁誘導の法則について学ぶ。 ファラデーの電磁誘導の法則を理解し、コイルの誘導起電力を計算できる。
15週 電磁気学:コイルのインダクタンスについて学ぶ。 簡単なコイルのインダクタンスを計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
物体に作用する力を図示することができる。2前2
力の合成と分解をすることができる。2前2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前2
慣性の法則について説明できる。3前2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前2
運動方程式を用いた計算ができる。3前3,前4,前5
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前3,前4,前5
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2前2
最大摩擦力に関する計算ができる。3前2
動摩擦力に関する計算ができる。3前2
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前6
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前6
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前8,前9
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前11
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2前11
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前11
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前5
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前5
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前5
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前7
力のモーメントを求めることができる。3前13
角運動量を求めることができる。3前12
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前12
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前13
重心に関する計算ができる。3前13
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前14
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前13,前15
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3後6
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3後1
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3後10
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3後10
ジュール熱や電力を求めることができる。3後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000