概要:
卒業研究は建設工学の専門総合科目の一つであり、1年~4年生の間に修得した専門知識等を基礎として、指導教員とコミュニケーションを取りながら、より学術的な研究テーマに対して積極的に調査・研究・実験を1年間通じて実施するものである。最後に「卒業論文」、「卒業論文概要」、「研究日誌」を作成して、「卒業研究発表会」で口述発表を行う。土木学会四国支部技術研究発表会での報告も目標としている。
授業の進め方・方法:
各教員(研究室)当たり3~4名配属され、指導教員の指導のもとで実施する。
1.研究の準備:研究テーマの決定と研究遂行のための大まかな研究スケジュールを計画する。
2.文献・資料収集:研究内容に関連する文献・資料を収集整理して内容の理解を深め、問題意識を明確にする。
3.実作業の実施:予備調査や予備実験などを経て、調査・計算・実験等を効率的に実施して結果を考察する。必要があればフィードバックする。
4.「中間発表会」の概要作成と口述発表:卒業研究の途中経過について概要作成と口述発表を行う。時期は10月中の金曜日とし、指定時間(5分:発表3分、質疑応答2分)内に発表できるように準備する。
5.「卒業論文」、「卒業論文概要」および「研究日誌」の作成・提出:作成要項に従ってパソコン等で作成する。指導教員の確認後、所定の期限までに提出する。
6.「卒業研究発表会」での口述発表:所定の日時に実施される卒業研究発表会において口述発表を行う。各人10分を目安とし、論文要旨を7分以内に発表し、その後2名以上の質疑に応答しなければならない。
注意点:
1.卒業研究は必履修科目で通年8単位である。もちろん3分の2以上の出席が必要である。卒業研究が合格でなければ卒業できない(卒業要件の一つ)。時間割表に組み込まれる卒業研究の授業時間数は週当たり前期5時間、後期7時間であるが、単位数は8単位(年間240時間以上)となっている。よって、卒業研究は授業で定められた時間以外に、別途放課後や休日、長期休暇中を活用し、指導教員のもとで少なくとも週当たり2時間分の研究を取り組む必要がある。また、卒業研究に取り組んだ実質時間数(昼休み等の休憩時間は除く)や研究内容は、必ず「研究日誌」に記録し、その都度指導教員の確認を受ける。
2.中間発表、卒業論文、卒論概要と卒研発表、研究時間における審査表に基づいて全教員が記入し、総合的に「合否」を評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として、建設工学専門分野の課題を解決するために、学問的に深く考え、調べ、明らかにする方法及び専門基礎知識の理解の程度を評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
研究の準備[1]:研究テーマの決定とスケジュールを計画する。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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2週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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3週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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4週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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5週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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6週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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7週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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8週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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2ndQ |
9週 |
文献・資料収集[2-9]:文献・資料を収集整理して理解を深める。 |
研究テーマに関する専門的知識や応用能力などを活用できる。
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10週 |
作業の実施[10-15]:予備調査や実験を経て、研究結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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11週 |
作業の実施[10-15]:予備調査や実験を経て、研究結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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12週 |
作業の実施[10-15]:予備調査や実験を経て、研究結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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13週 |
作業の実施[10-15]:予備調査や実験を経て、研究結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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14週 |
作業の実施[10-15]:予備調査や実験を経て、研究結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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15週 |
作業の実施[10-15]:予備調査や実験を経て、研究結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
中間発表の準備[16]:卒業研究の途中経過の概要を作成する。 |
研究成果を論理的にまとめることができる。
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2週 |
中間発表の準備[17]:卒業研究の途中経過の発表の準備をする。 |
研究成果を制限時間内に分かりやすく説明できる。
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3週 |
中間発表[18]:卒業研究の途中経過について口頭発表する。 |
研究成果を制限時間内に分かりやすく説明できる。
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4週 |
作業の実施[19-23]:調査・計算・実験等の結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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5週 |
作業の実施[19-23]:調査・計算・実験等の結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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6週 |
作業の実施[19-23]:調査・計算・実験等の結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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7週 |
作業の実施[19-23]:調査・計算・実験等の結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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8週 |
作業の実施[19-23]:調査・計算・実験等の結果を考察する。 |
調査や実験が自主的、計画的に実行することができる。
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4thQ |
9週 |
卒業論文の作成[24-26]:研究成果を最終的に論文としてまとめる。 |
研究成果を論理的にまとめることができる。
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10週 |
卒業論文の作成[24-26]:研究成果を最終的に論文としてまとめる。 |
研究成果を論理的にまとめることができる。
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11週 |
卒業論文の作成[24-26]:研究成果を最終的に論文としてまとめる。 |
研究成果を論理的にまとめることができる。
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12週 |
論文概要の作成[27]:卒論概要を作成する。 |
研究成果を論理的にまとめることができる。
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13週 |
卒業研究発表会の準備[28]:卒業研究発表会での発表準備を行う。 |
研究成果を制限時間内に分かりやすく説明できる。
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14週 |
卒業研究発表会[29]:卒業研究の最終成果を口頭発表する。 |
研究成果を制限時間内に分かりやすく説明できる。
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15週 |
論文修正[30]:査読意見に基づき卒業論文の修正を行う。再発表の学生は口頭発表する。 |
研究成果を論理的にまとめることができる。研究成果を制限時間内に分かりやすく説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 3 | |
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 数値計算の基礎が理解できる | 2 | |
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。 | 2 | |
データの型とデータ構造が理解できる | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 測量 | 光波・電波による距離測量を説明できる。 | 2 | |
地形図を理解している。 | 2 | |
地形測量の方法を説明できる。 | 3 | |
等高線の性質とその利用について、説明できる。 | 2 | |
測量に用いる座標系を説明できる。 | 3 | |
GNSS測量の原理を説明できる。 | 2 | |
GPS測量の方法を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 2 | |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 2 | |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 3 | |
水理 | 水理学で用いる単位系を説明できる。 | 3 | |
水の基本的な性質について説明できる。 | 3 | |
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。 | 2 | |
静水圧の測定の方法(マノメーター) について説明できる。 | 3 | |
水圧機(パスカルの原理)について説明できる。 | 3 | |
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。 | 3 | |
浮力と浮体の安定を計算できる。 | 3 | |
連続の式について理解している。 | 2 | |
連続の式について説明できる。 | 3 | |
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。 | 2 | |
ベルヌーイの定理を理解している。 | 2 | |
ベルヌーイの定理の応用(ベンチュリーメータなど) の計算ができる。 | 3 | |
ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。 | 3 | |
運動量保存則を理解している。 | 2 | |
運動量保存則の誘導について説明できる。 | 3 | |
運動量保存則の応用した各種計算ができる。 | 3 | |
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。 | 2 | |
各種の堰について理解している。 | 2 | |
比エネルギーおよび常流と射流について説明できる。 | 3 | |
限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)について説明できる。 | 3 | |
跳水現象について説明できる。 | 3 | |
層流と乱流について、説明できる。 | 3 | |
円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユの法則)を理解している。 | 3 | |
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。 | 2 | |
平均流速を用いた基礎方程式、摩擦抵抗による損失水頭の実用公式、ムーディ図について理解している。 | 2 | |
摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。 | 3 | |
管水路の摩擦以外の形状損失水頭について理解している。 | 2 | |
管水路の摩擦以外の損失係数について説明できる。 | 3 | |
各種の管路の流れの計算ができる。 | 3 | |
開水路流れの基礎方程式について理解している。 | 2 | |
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。 | 2 | |
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について説明できる。 | 3 | |
水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解している。 | 2 | |
開水路不等流の基礎方程式について理解している。 | 2 | |
開水路不等流の基礎方程式について説明できる。 | 3 | |
一様水路における不等流と背水曲線について理解している。 | 2 | |
一様水路における不等流と背水曲線について説明できる。 | 3 | |
文明社会と河川の利用について理解している。 | 2 | |
河川の管理と整備について説明できる。 | 5 | |
河川の分類と流域について、説明できる。 | 2 | |
河川における流れ作用と河道形状について理解している。 | 2 | |
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。 | 2 | |
流出過程、流況曲線について理解している。 | 2 | |
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。 | 3 | |
流出解析法について理解している。 | 2 | |
水文量の統計的性質について理解している。 | 2 | |
水害の特性とその変遷について理解している。 | 2 | |
河道計画の策定について理解している。 | 2 | |
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。 | 2 | |
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。 | 2 | |
近年の渇水状況と降水の変化について理解している。 | 2 | |
日本の水資源の現況について、説明できる。 | 2 | |
河川における生態系の保全と復元について理解している。 | 2 | |
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。 | 2 | |
津波と高潮の特徴を説明できる。 | 2 | |
河床形態、限界掃流力、掃流砂量公式、浮遊砂量公式、河床変動について理解している。 | 3 | |
感潮河川について理解している。 | 2 | |
計画 | 災害の種類について説明できる。 | 3 | |
過去の自然災害(津波、高潮、洪水など)における被害の発生メカニズムを説明できる | 3 | |
建築系分野 | 情報処理 | 電子メールの使用設定や使用方法を理解できる。 | 2 | |
ワードプロセッサソフトウェアによる文書の作成ができる。 | 3 | |
ワードプロセッサソフトウェアを利用し簡単な作画ができる。 | 3 | |
表計算ソフトウェアの基本的な使い方を理解している。 | 2 | |
表計算ソフトウェアにより基本的なグラフが作成できる。 | 3 | |
プレゼンテーションソフトウェアの基本的な使い方を理解している。 | 2 | |
コンピュータを構成するハードウェア・ソフトウェアについて説明できる。 | 3 | |
フローチャートについて説明できる。 | 3 | |
コンピュータを用いたデータ処理方法について説明でき、簡単なデータ処理ができる。 | 3 | |
専門的能力の実質化 | PBL教育 | PBL教育 | 工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。 | 3 | |
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。 | 3 | |
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。 | 3 | |
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。 | 3 | |
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。 | 3 | |
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。 | 3 | |