応用物理演習

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用物理演習
科目番号 1006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市デザイン工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書: 長岡洋介「物理の基礎」(東京教学社)
担当教員 横山 有太

到達目標

【到達目標】
1.質点の運動を微分方程式で表し,簡単な運動について解ける。
2.剛体の回転の運動方程式を立てて解ける。
3.力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算できる。
4.静的な電界,電位の基本的な性質を理解して簡単な静電界、電位について計算できる。
5.電流の法則を理解し、簡単な直流回路について計算できる。
6.電流の磁気作用について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算できる。
7.電磁誘導の法則について理解し、簡単な回路について計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1質点の運動を微分方程式で表し,複雑な運動について解ける。質点の運動を微分方程式で表し,簡単な運動について解ける。質点の運動を微分方程式で表し,簡単な運動について解けない。
評価項目2剛体の複雑な回転の運動方程式を立てて解ける。剛体の回転の運動方程式を立てて解ける。剛体の回転の運動方程式を立てることができない。
評価項目3力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の複雑な運動に適用して計算できる。力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算できる。力学的エネルギー保存則を質点,質点系および剛体の運動に適用して計算することができない。
評価項目4 静的な電界,電位の基本的な性質を理解して、複雑な静電界、電位の計算ができる。 静的な電界,電位の基本的な性質を理解して簡単な静電界、電位について計算できる。 静電場の電場,電位の基本的な性質を理解して簡単な静電界、電位について計算することができない。
評価項目5 電流の法則を理解し、複雑な直流回路について計算できる。 電流の法則を理解し、簡単な直流回路について計算できる。 電流の法則を理解し、簡単な直流回路について計算することができない。
評価項目6 電流の磁気作用について理解し、複雑な電流が作る磁界を計算できる。 電流の磁気作用について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算できる。 電流の磁気作用について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができない。
評価項目7 電磁誘導について理解し、複雑な回路について計算できる。 電磁誘導について理解し、簡単な回路について計算できる。 電磁誘導について理解し、簡単な回路について計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE新基準1(2) (c) 説明 閉じる
JABEE新基準1(2) (d) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 2(B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学共通の専門基礎として,力学および電磁気学に関する授業を半期ずつ実施します。力学ではベクトルと微分方程式およびエネルギーの知識を応用して,質点および質点系の多様な運動や剛体の回転運動に関する演習を行います。電磁気学では静電場の基本法則および電流と磁場に関する基本法則に関する演習を行います。
授業の進め方・方法:
応用物理Cの講義で理解した内容を演習問題を解くことを通じて確認します。
注意点:
試験(応用物理C)の成績を70%,平素の学習状況等(レポートや小テスト等を含む)を30%の割合で総合的に評価します。前期末の評価は前期中間と前期期末の評価の平均,後期中間の評価は前期中間,前期期末および後期中間の評価の平均,学年の評価は前期中間,前期期末,後期中間および後期期末の平均とします。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等によって評価します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学:力と力のつり合いについて演習する。 力のベクトル的性質を理解し、力のつり合いの式を立てることができる。
2週 力学:速度、加速度の意味と計算方法について演習する。 座標を時間で微分して速度や加速度を求めることができる。
3週 力学:運動の3法則について演習する。 運動の3法則を理解し、いろいろな力を受けて運動する物体の運動方程式を立てることができる。
4週 力学:簡単な力を受けて運動する物体の運動方程式の解き方を演習する。 簡単な力を受けて運動する物体の運動方程式を解くことができる。
5週 力学:単振動の運動方程式について演習する。 単振動の運動方程式を立てて解くことができる。
6週 力学:速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動について演習する。 速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体の運動方程式を立てて解くことができる。
7週 力学:仕事と運動エネルギーについて演習する。 仕事と運動エネルギーに関する計算ができる。
8週 力学:位置エネルギーと保存力の関係について演習する。 位置エネルギーと保存力の関係を理解し、位置エネルギーから保存力を計算することができる。
2ndQ
9週 力学:力学的エネルギー保存則について演習する。 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
10週 力学:運動量と運動量保存則について演習する。 運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
11週 力学:角運動量について演習する。 角運動量を計算し、角運動量保存則を用いて様々な物理量の計算に利用できる。
12週 力学:慣性系と慣性の力について演習する。 慣性系の意味を理解し、慣性力を用いて物体の運動を記述できる。
13週 力学:回転系の運動について演習する。 回転系の運動方程式を立てて解くことができる。
14週 力学:剛体の慣性モーメントとつりあいについて演習する。 簡単な形状の剛体の慣性モーメントを計算でき、剛体のつり合いの式を立てることができる。
15週 力学:剛体の回転運動について演習する。 剛体の簡単な回転運動について、運動方程式を立てて解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 電磁気学:クーロンの法則について演習する。 クーロンの法則を理解し、点電荷に働く静電気力を計算することができる。
2週 電磁気学:真空中の静電場、点電荷が作る電界について演習する。 電場の意味を理解し、点電荷が作る電界を計算することができる。
3週 電磁気学:連続的に分布する電荷が作る電場について演習する。 連続的に分布する電荷が作る電界を計算することができる。
4週 電磁気学:ガウスの法則について理解し、電場の計算方法について演習する。 ガウスの法則を理解し、ガウスの法則を用いて一様な電荷分布による電場を計算することができる。
5週 電磁気学:電位について理解し、電位の計算方法について演習する。 電位の定義を理解し、点電荷が作る電位を計算することができる。
6週 電磁気学:導体の電気的性質と電気容量について演習する。 導体の電気的性質と電気容量を理解し、説明することができる。
7週 電磁気学:コンデンサーについて演習する。 様々な形状のコンデンサーの電気容量やエネルギーを計算することができる。
8週 電磁気学:オームの法則と電気抵抗について演習する。 オームの法則を理解し、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。
4thQ
9週 電磁気学:直流回路ついて演習する。 直流回路にについて理解し、合成抵抗を求めることができる。キルヒホッフの法則を理解し、回路に流れる電流を計算することができる。
10週 電磁気学:静的な磁場について演習する。 静的な磁場について理解し、磁場を計算することができる。
11週 電磁気学:磁界中の電流に働く力とローレンツ力について演習する。 磁界中の電流に働く力とローレンツ力について計算できる。
12週 電磁気学:ビオ-サバールの法則について演習する。 ビオ-サバールの法則について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができる。
13週 電磁気学:アンペールの法則について演習する。 アンペールの法則について理解し、簡単な電流が作る磁界を計算することができる。
14週 電磁気学:ファラデーの電磁誘導の法則について演習する。 ファラデーの電磁誘導の法則を理解し、コイルの誘導起電力を計算できる。
15週 電磁気学:コイルのインダクタンスについて演習する。 簡単なコイルのインダクタンスを計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000