概要:
構造力学を基礎として,鋼構造の一般概念を理解した上で,特に橋梁の上部構造について,その形式・分類・特徴および建設材料の力学的性質などの一般的な基礎知識を理解する。また,橋梁の計画・設計・建設・維持管理や部材の設計法などについて幅広く学ぶ。これにより,建設技術者としての専門的基礎知識を習得することができる。
授業の進め方・方法:
●資料を準備し、座学により基本技術を習得する。
●第1週および第9週に課題を与え、2週間後にプレゼンテーションを行う。
●その他、2回課題を与え、提出を行う。
注意点:
試験の成績60%,プレゼンテーションの成績20%、レポートの成績10%、出席点等10%の割合を基準として総合的に評価する。学期末の成績は,中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
橋梁概論[1]:橋梁の歴史、特徴について学ぶ。 |
橋梁の基本構造について特徴を述べることができる。
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2週 |
橋梁概論[2]:橋の種類、分類について学ぶ。 |
橋の種類、分類について述べることができる。
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3週 |
橋梁概論[3]:橋梁の事故およびその改善歴について発表する。 |
現在の橋梁の設計法、維持管理法がトライアンドエラーの改編であることを理解する。
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4週 |
鋼橋の設計[1]:鋼材の種類、調査・計画・設計方法について学ぶ。 |
鋼構造で使用されている鋼材種類について述べることができる。鋼構造建設時の調査・計画・設計法の留意点について述べることができる。
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5週 |
鋼橋の設計[2]:鋼橋設計時の設計荷重および設計法について学ぶ。 |
各種設計法について述べることができる。
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6週 |
部材の特徴:圧縮部材、引張部材、曲げ部材などの力学的特性について学ぶ。 |
圧縮部材、引張部材、曲げ部材の特長について述べることができる。
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7週 |
部材の接合[1]:部材の溶接方法、種類について学ぶ。また、溶接接合の特徴、留意点について学ぶ。 |
部材の接合方法、種類、それぞれの得失について述べることができる。
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8週 |
部材の接合[2]:機械的接合の種類、特徴、設計法について学ぶ。 |
機械的接合の種類、特長について述べることができる。機械的接合を用いて設計する場合の留意点について理解する。
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2ndQ |
9週 |
鋼構造の維持管理:鋼橋の損傷、疲労・腐食、点検・調査などの考え方について学ぶ。 |
維持管理の目的を説明することができる。維持管理方法についてイメージできる。
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10週 |
施工方法:橋梁の架設方法について学ぶ。 |
橋梁の施工方法とその留意点について述べることができる。
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11週 |
橋梁維持管理の時事問題:近年、橋梁維持管理で話題になっている事柄について発表する。 |
橋梁維持管理における国、地方自治体、企業の方針等について理解することができる。
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12週 |
橋床、床組、対風構:橋床、床組、対風構の設置目的および種類について学ぶ。 |
それぞれの部材の設置目的について説明することができる。
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13週 |
プレートガーダー橋:プレートガーダー橋の構成および設計上の留意事項について学ぶ。 |
プレートガーダー橋の構成および設計上の留意点等について述べることができる。
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14週 |
トラス橋および支承:トラス橋の構成および支承の種類について学ぶ。 |
トラス橋の構成について説明することができる。支承の種類について述べることができる。
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15週 |
演習:公的資格試験の出題問題を解く。 |
例題を解くことにより、世の中で必要とされている知識について理解する。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | 材料の特徴・分類を説明できる。 | 3 | |
材料の力学的性質及び物理的性質を説明できる。 | 3 | |
金属材料の分類を説明できる。 | 3 | 前4 |
金属材料の一般的性質を説明できる。 | 3 | 前4 |
鉄鋼製品の用途・規格を説明できる。 | 3 | 前4 |
コンクリートの長所、短所について、説明できる。 | 2 | |
硬化コンクリートの性質を理解している。 | 2 | |
硬化コンクリートの性質を説明できる。 | 3 | |
耐久性を理解している。 | 2 | |
施工を理解している。 | 2 | 前5 |
コンクリート構造物を構成する材料の性質を説明できる。 | 2 | |
鉄筋コンクリートの特徴を説明できる。 | 2 | |
複合材料としてのコンクリート構造を説明できる。 | 2 | |
一般構造細目を説明できる。 | 2 | |
限界状態設計法と許容応力度設計法を説明できる。 | 3 | |
使用限界状態を説明できる。 | 3 | |
コンクリート構造物の設計方法を理解している。 | 2 | |
コンクリート構造物の設計方法を説明できる。 | 2 | |
荷重の種類と構造解析を理解している。 | 2 | |
単鉄筋コンクリートはりを説明できる。 | 2 | |
複鉄筋コンクリートはりを理解している。 | 1 | |
軸力を受ける部材を説明できる。 | 2 | |
偏心を受ける部材を説明できる。 | 2 | |
柱の構造細目について説明できる。 | 2 | |
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。 | 1 | |
プレストレストコンクリートの基礎(使用限界状態・終局限界状態など)を理解している。 | 1 | |
プレストレストコンクリートの設計を理解している。 | 1 | |
コンクリート及び鋼材の劣化を説明できる。 | 2 | 前9,前11 |
構造 | 力の定義、単位、要素について説明できる。 | 3 | |
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。 | 3 | |
力の合成と分解について理解し、計算できる。 | 3 | |
力のつり合いについて理解している。 | 3 | |
構造物の種類やその安定について理解している。 | 2 | |
構造物に作用する荷重の種類について理解している。 | 2 | |
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。 | 2 | |
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 2 | |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 2 | |
はりの支点の種類、対応する支点反力を理解し、はりの種類やその安定性について説明できる。 | 3 | |
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。 | 2 | |
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。 | 2 | |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 2 | |
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。 | 2 | |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 2 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 3 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。 | 3 | |
鋼材の力学的性質について理解している。 | 2 | 前1 |
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。 | 3 | |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 2 | |
はりのたわみの微分方程式を理解している。 | 2 | |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 2 | |
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。 | 2 | 前1,前3 |
橋の構成、分類について、説明できる。 | 2 | 前2 |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 2 | 前5 |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 2 | 前5 |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 2 | 前6 |
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。 | 3 | 前7,前8 |
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。 | 2 | 前13 |
主桁、継ぎ手の設計を理解し、それらを計算できる。 | 2 | |