解析学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 解析学
科目番号 6101 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科(一般・専門基礎共通科目) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高遠節夫ほか 「新 応用数学」(大日本図書) ,プリント教材
担当教員 白木 久雄

到達目標

【到達目標】
1. 複素関数が正則であるための必要十分条件を導くことができる。
2. 複素関数の積分に関する最も基本的な定理であるCauchyの積分定理を導くことができる。
3. Cauchyの積分定理や留数定理を利用して,実数を積分変数とするある種の定積分の値を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複素関数が正則であるための必要十分条件を常時導くことができる。複素関数が正則であるための必要十分条件を導くことができる。複素関数が正則であるための必要十分条件を導くことができない。
評価項目2Cauchyの積分定理を深く理解し、常時導くことができる。 Cauchyの積分定理を導くことができる。 Cauchyの積分定理を導くことができない。
評価項目3Cauchyの積分定理や留数定理を利用して,実数を積分変数とするある種の定積分の値を常時求めることができる。Cauchyの積分定理や留数定理を利用して,実数を積分変数とするある種の定積分の値を求めることができる。Cauchyの積分定理や留数定理を利用して,実数を積分変数とするある種の定積分の値を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
実数値をとる変数の実数値関数については,本科の微分積分等でその性質や扱い方を学んできた。この授業では,複素数値をとる変数の関数を対象とする解析学(微分積分学)の基礎を学ぶことを目的とする。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業で、主に以下の内容を学ぶ。
1.正則関数:正則関数の定義・諸性質等を学び、Cauchy-Riemannの関係式により与えられた複素関数が正則であるか否か判定出来ることを詳しく解説する。
2.複素積分:複素積分の定義・諸性質等を学び、具体的な関数の与えられた曲線に沿う積分値を求めることが理解出来るよう、詳しく解説する。
3.Cauchyの積分定理:複素関数論において基本的で重要な定理であるので、理解を深めることが出来るよう沢山の例題を通して詳しく解説し、その後、Cauchyの積分表示や導関数の積分表示についても指導する。
4.留数定理:具体的な関数の積分値を留数定理を用いて求めることが出来るよう詳しく解説し、実数を積分変数とするある種の定積分の値を求めることが出来るよう指導する。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎知識として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 複素関数,正則関数[1-2] 指数関数や三角関数の性質を定義に基づいて理解出来る。
2週 1. 複素関数,正則関数[1-2] 複素関数の微分法の性質が理解出来る。正則関数の定義を正確に把握出来る。
3週 2. Cauchy-Riemannの関係式,逆関数[3-5] Cauchy-Riemannの関係式が理解出来る。
4週 2. Cauchy-Riemannの関係式,逆関数[3-5] 正則な関数の導関数を求めることが出来る。正則関数による写像を具体例を通して複素数平面に描くことが出来る。
5週 2. Cauchy-Riemannの関係式,逆関数[3-5] 多価関数、逆関数の導関数などを具体例を通して理解出来る。
6週 3. 複素積分,Cauchyの積分定理[6-9] 複素積分の定義を正確に把握出来る。
7週 3. 複素積分,Cauchyの積分定理[6-9] 複素積分の諸性質を導くことが出来、具体的に計算出来る。
8週 3. 複素積分,Cauchyの積分定理[6-9] Cauchyの積分定理が理解出来る。
2ndQ
9週 3. 複素積分,Cauchyの積分定理[6-9] Cauchyの積分定理やその応用を使って具体的に積分の値を求めることが出来る。
10週 4. Cauchyの積分表示,関数の展開[10-12] Cauchyの積分表示を使って、具体的な積分の値を求めることが出来る。
11週 4. Cauchyの積分表示,関数の展開[10-12] 数列の極限の諸性質を使って、数列の収束・発散を具体的に計算出来る。べき級数の収束・発散を具体的に計算出来る。
12週 4. Cauchyの積分表示,関数の展開[10-12] テーラー展開、ローラン展開を具体例を通して計算出来る。
13週 孤立特異点と留数,留数定理[13-15] 孤立特異点と留数計算を具体例を通して計算出来る。
14週 孤立特異点と留数,留数定理[13-15] 留数定理を使って、具体的に積分の値を求めることが出来る。
15週 孤立特異点と留数,留数定理[13-15] 留数定理を利用して,実数を積分変数とするある種の定積分の値を求めることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前1
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。4前11,前14
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。4前2,前13
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4前2
合成関数の導関数を求めることができる。4前2
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4前3,前4,前5
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。4
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4前12
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前6,前8
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4前6,前7,前8,前9,前10
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4前15
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4前10,前15
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4前3,前4
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4前3,前4
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力4000004080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000