代数学・幾何学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 代数学・幾何学
科目番号 6102 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科(一般・専門基礎共通科目) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:水本久夫「線形代数学の基礎(三訂版)」(培風館)
担当教員 白木 久雄

到達目標

1.ベクトル空間,部分ベクトル空間の概念を理解し,さらに自ら判定・評価できる。
2.線形写像の概念を理解し,さらに自ら線形性を判定・評価できる。
3.固有値と固有ベクトルを求めることができ,対角化可能性について考察できる。
4.2次形式,2次曲面の分類方法を理解する。またグラフの特徴を理解し,さらに図解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル空間,部分ベクトル空間の概念を十分理解し,さらに自ら判定・評価を常時できる。ベクトル空間,部分ベクトル空間の概念を理解し,さらに自ら判定・評価できる。ベクトル空間,部分ベクトル空間について,判定・評価できない。
評価項目2線形写像の概念を十分理解し,さらに自ら線形性を判定・評価を常時できる。線形写像の概念を理解し,さらに自ら線形性を判定・評価できる。線形性を判定・評価できない。
評価項目3固有値と固有ベクトルを常時求めることができ,対角化可能性について常時考察できる。 固有値と固有ベクトルを求めることができ,対角化可能性について自ら考察できる。 固有値と固有ベクトルを求めることができず、対角化可能性について考察できない。
評価項目42次形式,2次曲面の分類方法を理解している。またグラフの特徴を理解でき,さらにその特徴を捉えた上で,図解できる。2次形式,2次曲面の分類方法をほぼ理解している。またグラフの特徴をほぼ理解し,ある程度図解できる。2次形式,2次曲面の分類方法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
本科2~5年次に「線形代数」,「数学演習」,「数学概論A」,「数学特論」で習得したベクトルの概念を一般化・抽象化し,広く高い立場からそれをながめる。既習事項を徐々に一般かつ抽象的理論へと展開してゆく。授業では,感覚的なイメージを明確に把握できるよう図解例を交えながら導入・展開をはかる。ベクトル空間の基本事項を学んだ後,直線と平面の幾何学,線形写像, 行列の固有値問題および2次曲面の主軸問題等について線形代数の諸概念を用い調べてゆく。
授業の進め方・方法:
講義形式で以下の内容を学ぶ.
1.ベクトル空間:ベクトルの概念を一般化・抽象化し,一般のベクトル空間の概念を学ぶ。
2.1次従属と1次独立:1次従属性,1次独立性を判定できるようにする。
3.部分空間:部分空間の概念を学ぶ。特に重要な部分空間の基底,次元について説明する。
4.階数と次元:行列の階数とベクトル空間の次元の関係性を解説し,考察できるようにする。
5.連立1次方程式の幾何学:幾何学的意味を解説し,グラフを図示できるようにする。
6.線形写像:線形写像を定義し,線形写像の判定法,さらに行列との関係性を学ぶ。
7.固有値と固有ベクトル:固有値・固有ベクトル・一般の行列の対角化について学ぶ。
8.対称行列の対角化:対称行列の対角化可能性について解説する。
9.2次形式:2次形式の標準形を定義し,直交・正則変換による標準形について学ぶ。
10.2次曲面の分類:2次曲面の分類方法を解説し,分類された曲面を図解する。
注意点:
1.本科で履修したベクトルの概念を,一般的かつ抽象的理論へと展開してゆく。そのため,定義・公理から出発し,論理的構築を経て,さまざまな数学的事実(定理)を引き出す作業を伴う。また,幾何の問題を代数の問題に還元するため,地道な計算力を必要とし,還元化には幾何学的観察力を高める努力も大事である。
2.授業内容をより一層理解するために予習復習することを習慣づけること。
3.レポート・課題等の提出物の提出期限を厳守すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ベクトル空間 一般のベクトル空間の概念を理解し,考察できる。
2週 1次従属と1次独立 1次従属性,1次独立性を判定できる。
3週 部分空間(1) 部分空間の概念を理解し,部分空間の基底,次元について説明できる。
4週 部分空間(2) 部分空間の概念を理解し,部分空間の基底,次元について説明できる。
5週 階数と次元 行列の階数とベクトル空間の次元の関係性を理解し,考察できる。
6週 連立1次方程式の幾何学 幾何学的意味を解説でき,グラフを図示できる。
7週 線形写像(1) 線形写像の判定法,さらに行列との関係性を理解し,判定,評価できる。
8週 線形写像(2) 線形写像の判定法,さらに行列との関係性を理解し,判定,評価できる。
4thQ
9週 固有値と固有ベクトル(1) 固有値・固有ベクトルを求めることできる。さらに,これらを一般の行列の対角化に利用できる。
10週 固有値と固有ベクトル(2) 固有値・固有ベクトルを求めることできる。さらに,これらを一般の行列の対角化に利用できる。
11週 対称行列の対角化 対称行列の対角化可能性について考察できる。
12週 2次形式 2次形式の標準形を理解し,直交・正則変換による標準形を求めることができる。
13週 2次曲面の分類(1) 2次曲面の分類方法を理解し,分類された曲面を図解できる。
14週 2次曲面の分類(2) 2次曲面の分類方法を理解し,分類された曲面を図解できる。
15週 2次曲面の分類(3) 2次曲面の分類方法を理解し,分類された曲面を図解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後12
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4後1,後2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4後2
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。4後6,後9,後10
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4後5,後6,後7,後8
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4後6,後7,後8
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4後6,後9,後10,後11,後13,後14,後15
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4後7,後8,後12
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4後7,後8,後12
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4後7,後8,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力4000004080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000