材料科学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料科学
科目番号 6202 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科(一般・専門基礎共通科目) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:プリント 参考書:根本 茂「初歩から学ぶマグネシウム 一番軽い金属構造材」(工業調査会) 平山暁子・道家達将「物質の科学と技術開発」(放送大学教育振興会),「セメントの常識」(セメント協会)
担当教員 横井 克則,芝 治也,三嶋 尚史,大角 理人,藤田 陽師,奥村 勇人,安川 雅啓

到達目標

【到達目標】
第1部 機械材料(奥村)
・ アルミニウムおよびマグネシウム合金の用途およびその成形加工法について説明できる。
・ 環境を考慮した合金開発あるいはリサイクル技術について説明できる。
第2部 電子材料(芝)
・ 金属,半導体の性質についてバンド構造を用いて説明できる。
・ 各種トランジスタの動作原理について説明できる。
・ 発光ダイオードの発光原理について説明できる。
・ 次世代電子デバイス材料に関する説明ができる。
第3部 化学材料(安川,大角,三嶋,藤田)
・ 代表的な電子セラミックスの構造,合成,物性,用途を説明できる。
・ フォトクロミック化合物の原理,用途,応用例について説明できる。
・ ガラス(アモルファス)と結晶との違いを理解し,ガラスの性質や用途について説明できる。
・ 理論化学について説明できる。
第4部 建設材料(横井)
・ 各種セメントの性質を説明でき,セメントの水和反応について説明できる。
・ フレッシュコンクリート及び硬化コンクリートの性質を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械材料の特性を理解する。環境を考慮した材料開発からその製造方法およびリサイクル方法を説明できる。軽金属材料の種類と用途に適した部品製造法,合金開発の例およびリサイクル方法を説明できる。軽金属材料の種類と用途に適した部品製造法,合金開発の例およびリサイクル方法を説明できない。
電気材料の特性を理解する。半導体素子の応用回路や活用法を説明できる。半導体素子の特性を説明できる。半導体素子の特性を説明できない。
化学材料の特性を理解する。化学材料の活用方法を説明できる。化学材料の特性を説明できる。化学材料の特性を説明できない。
セメントおよびコンクリート材料の特性を理解する。セメントおよびコンクリートについて、その製造方法や種類を説明でき、さらに用途を理解している。セメントおよびコンクリートについて、その製造方法や種類を説明できる。セメントおよびコンクリートについて、その製造方法や種類を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
1.アルミニウム合金およびマグネシウム合金の種類と用途を学び,環境問題を考慮した合金開発やリサイクル技術について理解を深める。
2.固体物性の基礎知識に基づき,電子デバイス分野の材料の性質に対する理解を深める。
3.電子セラミックス,有機光材料,ガラス,高分子等の化学分野における材料の基本知識を深める。
4.代表的な建設材料であるセメント・コンクリートについて,その種類,組成や性質,製造方法などについて理解を深める。
授業の進め方・方法:
第1部 機械材料(担当:奥村),第2部 電子材料(担当:芝),第3部 化学材料(担当:安川,大角,三嶋,藤田),第4部 建設材料(担当:横井)が4時間ずつ授業を実施する。機械・電気,化学,建設の各分野における材料についての基礎的な知識の習得を目指す。
注意点:
試験の成績を80%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。また,第1~4部は同じ重みで評価する。
 機械・電気,化学,建設の各分野における材料についての基礎的な知識の理解の程度について評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1部 機械材料(奥村)
 1.軽金属材料の種類と用途[1]:アルミニウム,マグネシウム合金の種類と用途について学ぶ。
アルミニウム,マグネシウム合金の種類と用途について理解する。
2週 2.軽金属材料の成形加工法[2]:ダイカスト,半溶融成形加工,押出加工について学ぶ。 各種製造法の特徴について理解する。
3週 3.材料開発[3]:自動車用Mg合金の開発過程を例にとり,材料開発について学ぶ。 合金状態図,ミクロ組織と材料強度の関係を材料開発の例から理解する。
4週 4.リサイクル[4]:マグネシウム合金のリサイクル技術について学ぶ。 リサイクル技術について理解する。
5週 第2部 電子材料(芝)
 5.固体物性概論[5]:バンド構造の立場から,金属,半導体の性質を学ぶ。
エネルギーバンド構造を基にした導体,半導体,絶縁体の違いを理解する。
6週 6.半導体材料概論[6]:pn接合,各種トランジスタの動作原理について学ぶ。 p型半導体,n型半導体を接合させたpn接合の特性と応用素子であるダイオードやトランジスタの動作原理を理解する。
7週 7.オプトエレクトロニクス概論[7]:光の波動性と粒子性,発光ダイオードの原理について学ぶ 発光ダイオードの原理とエネルギーと波長の関係式を理解する。
8週 8.次世代電子材料概論[8]:カーボンナノチューブ,フォトニック結晶等次世代電子デバイスに
   おいて重要となる材料について学ぶ。
フォトニック結晶やカーボンナノチューブの特性概要を理解する。
2ndQ
9週 第3部 化学材料(安川,大角,三嶋,藤田)
 9.電子セラミックス [9]:代表的な電子セラミックスの構造,合成,物性,用途について学ぶ。
代表的な電子セラミックスの構造,合成,物性,用途について理解し,説明できる。
10週 10.有機光材料[10]:有機光材料のフォトクロミズムの原理,用途,応用例について学ぶ。
11週 11.ガラス[11]:ガラスの定義,ガラス形成能力,ガラス作製法について学ぶ。 ガラスについて理解し,ガラスの性質や用途について理解し,説明できる。
12週 12.有機電子材料[12]:有機エレクトロニクス関連分野に使われる材料およびその使われ方について学ぶ。 有機電子材料が各種有機エレクトロニクスデバイス中でどのような役割をもって,どのような原理で作用しているかについて理解し,説明できる。
13週 第4部 建設材料(横井)
13.セメントとは[13]:セメントの規格と種類について学ぶ。
セメントの規格、各種セメントの特徴や用途について説明できる。
14週 14.セメントの製造[14]:セメントの製造プロセスとセメントの水和反応について学ぶ。 セメントの原材料や製造方法、セメントの水和反応について説明できる。
15週 15.生コンクリートの製造[15]:コンクリート材料とフレッシュコンクリートについて学ぶ。
生コンクリートの材料と製造方法、フレッシュコンクリートの性質について説明できる。
16週 16.硬化コンクリートの特性[16]:硬化後のコンクリートの強度特性と耐久性について学ぶ。 硬化したコンクリートの強度特性と耐久性について簡単に説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。2
原子の構造を説明できる。2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。2
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。2

評価割合

試験その他合計
総合評価割合8020100
基礎的能力302050
専門的能力50050
分野横断的能力000