概要:
本講義では,ディジタル制御を導入する場合に必要とされる状態方程式,連続系の離散化,可制御性と可観測性,安定性,状態フィードバック,最適制御などディジタル制御の基礎的事項と,実システムの構築に必要な計測・情報技術の役割について理解させる。
授業の進め方・方法:
授業は板書による要点の解説とプリントによる演習を中心として進め,適宜,スライドやコンピュータシミュレーションによって実践的な技術力を養成する。
注意点:
定期試験の成績を60%,平素の学習状況(課題)を40%の重みで総合的に評価する。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 状態フィードバック制御の概要[1]:古典制御と現代制御の関連を学ぶ。 |
古典制御の多自由度フィードバック系から現代制御の状態フィードバック系に至る考え方を把握し,説明できる。
|
2週 |
2. 状態方程式と伝達関数行列[2]:状態方程式と伝達関数行列について学ぶ。 |
他入力他出力システムの状態方程式表現と伝達関数行列表現ができる。
|
3週 |
3. 遷移行列と行列指数関数[3]:ジョルダン細胞を踏まえた行列指数関数の計算法を学ぶ。 |
線形連続時間状態方程式を解ける。
|
4週 |
4. 状態方程式の離散化[4, 5]:z変換とパルス伝達関数について学ぶ。 |
連続時間状態方程式の離散化とパルス伝達関数表現ができる。
|
5週 |
4. 状態方程式の離散化[4, 5]:z変換とパルス伝達関数について学ぶ。 |
z変換ができ,z変換からパルス伝達関数を決定できる。
|
6週 |
5. 安定性解析[6,7]:ジュリーの定理,リャプノフの定理とその応用を学ぶ。 |
ジュリーの定理を用いて離散時間系の安定性解析ができる。
|
7週 |
5. 安定性解析[6,7]:ジュリーの定理,リャプノフの定理とその応用を学ぶ。 |
リャプノフの定理を用いて離散時間系の安定性解析ができる。
|
8週 |
7. 可制御性・可観測性[8]:システムの可制御性・可観測性・可安定性,正準構造分解を学ぶ。 |
現代制御理論の基本概念を説明できる。
|
2ndQ |
9週 |
8. 逆変換[9]:連続時間系への逆変換とサンプリング定理ついて学ぶ。 |
離散時間系を逆変換でき,また,サンプリング定理を使ったサンプリング周期の決定ができる。
|
10週 |
9. ディジタルレギュレータの設計[10,11,12]:極指定制御,全状態及び最小次元オブザーバーを併用した極指定制御,有限整定制御,最適レギュレータについて学ぶ。 |
離散系の極指定状態フィードバック制御系及び有限整定制御系を設計できる。
|
11週 |
9. ディジタルレギュレータの設計[10,11,12]:極指定制御,全状態及び最小次元オブザーバーを併用した極指定制御,有限整定制御,最適レギュレータについて学ぶ。 |
離散時間系の各種オブザーバー併用出力フィードバック系を設計できる。
|
12週 |
9. ディジタルレギュレータの設計[10,11,12]:極指定制御,全状態及び最小次元オブザーバーを併用した極指定制御,有限整定制御,最適レギュレータについて学ぶ。 |
簡単な線形最適レギュレータを設計できる。
|
13週 |
10. ディジタルサーボ系[13]:内部モデル原理,出力レギュレーションとサーボ系設計を学ぶ。 |
簡単なディジタルサーボ系を設計できる。
|
14週 |
11. 様々なディジタル制御系[14,15]:ディジタル再設計とディジタル制御系の実例を学ぶ。
|
実例に基づいて,ディジタル制御系設計を説明できる。
|
15週 |
11. 様々なディジタル制御系[14,15]:ディジタル再設計とディジタル制御系の実例を学ぶ。
|
実例に基づいて,ディジタル再設計を説明できる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系 | 計測制御 | 測定の定義と種類を説明できる。 | 3 | |
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさ、合成誤差を説明できる。 | 3 | |
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 3 | |
長さ、角度、形状、力、圧力、流量、粘度、温度、湿度、時間、回転数などの計測方法と計測機器を説明できる。 | 3 | |
自動制御の定義と種類を説明できる。 | 4 | |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 4 | |
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。 | 4 | |
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。 | 4 | |
伝達関数を説明できる。 | 4 | |
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。 | 4 | |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 4 | |
制御系の定常特性について説明できる。 | 4 | |
制御系の周波数特性について説明できる。 | 4 | |
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。 | 4 | |
電気・電子系 | 制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 4 | |
ブロック線図を用いたシステムの表現方法が理解できる。 | 4 | |
システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。 | 4 | |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 4 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 4 | |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | |