概要:
近年,物性が工学的な立場からも注目され物性工学という分野が重要となってきている。本講義 では,物質の形態と構造解析手法を説明し,初等量子論を用いた自由電子論を取り扱う。次に,量子論及び統計力学の立場からエネルギーバンド理論を説明し,金属及び半導体の電気伝導特性について論ずる。また,磁性,誘電体,超伝導,光物性,半導体の応用についても説明し,工学的な立場から物性を理解,応用する力を養うことを目的とする。この科目は企業で材料物性の研究を担当していた教員が,その経験を活かし,上記内容について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
主に,学生が自ら教科書の内容を説明する輪講形式とする。授業の中で,学生の理解を深めさせるため,教科書の内容に関連する質問等を行う。教科書の内容でわからない部分は,授業前に参考書等で理解するように努力すること。それでも分からないところは,授業中に質問して理解すること。
注意点:
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
物性を学ぶ上で抑えておくべき基礎事項:原子模型,量子化,エネルギー準位,原子の結合について学ぶ。 |
物性を学ぶ上で抑えておくべき基礎事項について説明できる。
|
2週 |
結晶の構造:結晶構造と欠陥について学ぶ。 |
結晶の構造について説明できる。
|
3週 |
物質のマクロな性質を決める量子統計:統計力学と物性,量子統計力学について学ぶ。 |
物質のマクロな性質を決める量子統計について説明できる。
|
4週 |
物質のマクロな性質を決める量子統計:統計力学と物性,量子統計力学について学ぶ。 |
物質のマクロな性質を決める量子統計について説明できる。
|
5週 |
固体のエネルギーバンドとフェルミ準位:ブロッホの定理,エネルギーバンド,フェルミ準位,状態密度について学ぶ。 |
固体のエネルギーバンドとフェルミ準位について説明できる。
|
6週 |
固体のエネルギーバンドとフェルミ準位:ブロッホの定理,エネルギーバンド,フェルミ準位,状態密度について学ぶ。 |
固体のエネルギーバンドとフェルミ準位について説明できる。
|
7週 |
固体の熱現象:フォノン,比熱,熱伝導について学ぶ。 |
固体の熱現象について説明できる。
|
8週 |
固体の熱現象:フォノン,比熱,熱伝導について学ぶ。 |
固体の熱現象について説明できる。
|
4thQ |
9週 |
電気伝導:金属の電気伝導,有効質量,エネルギーバンドと電気伝導について学ぶ。 |
電気伝導について説明できる。
|
10週 |
電気伝導:金属の電気伝導,有効質量,エネルギーバンドと電気伝導について学ぶ。 |
電気伝導について説明できる。
|
11週 |
半導体:半導体のエネルギーバンドと有効質量,不純物半導体とその物性について学ぶ。 |
半導体について説明できる。
|
12週 |
半導体の応用:半導体デバイスの動作原理,pn 接合ダイオード,各種トランジスタについて学ぶ。 |
半導体の応用について説明できる。
|
13週 |
半導体の応用:半導体デバイスの動作原理,pn 接合ダイオード,各種トランジスタについて学ぶ。 |
半導体の応用について説明できる。
|
14週 |
磁性と誘電体:磁性体の種類,強磁性体の磁化,誘電体の電気特性,誘電分極について学ぶ。 |
磁性と誘電体について説明できる。
|
15週 |
超伝導と光物性:超伝導の基本現象,光物性とその応用について学ぶ。 |
超伝導と光物性について説明できる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 3 | 後1,後2 |
原子の構造を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後14,後15 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 3 | 後9,後10,後15 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 3 | 後11,後15 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 後11,後15 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 3 | 後12,後13,後15 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 3 | 後12,後13 |
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。 | 3 | 後12,後13 |