工学基礎演習

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 工学基礎演習
科目番号 7030 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械・電気工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 参考書(前期):藤川重雄「機械系大学院への四力問題精選」(培風館) (後期):佐川弘幸,本間道雄 「電磁気学 第2版」(丸善)
担当教員 赤崎 達志,竹島 敬志

到達目標

1.物体の力が作用することによって,物体に生じる様々な現象を考えることができる。
2.運動方程式の立式ができ,その運動方程式の解析ができる。
3.固有振動数や固有モードの解析ができる。
4.静電場,電流と磁場等の電磁現象の解析ができる。
5.電磁場中の荷電粒子の運動の解析ができる。
6.電磁誘導現象の解析ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1運動方程式の立式ができ,その運動方程式の解析ができる。運動方程式の立式ができ,その運動方程式を解くことができる。運動方程式の立式ができず,その運動方程式の解析ができない。
評価項目2固有振動数や固有モードの解析ができる。固有振動数や固有モードを解くことができる。固有振動数や固有モードを解くことができない。
評価項目3静電場,電流と磁場等の電磁現象の解析ができる。電場,電流と磁場等の電磁現象の説明ができ,問題を解くことができる。電場,電流と磁場等の電磁現象の説明ができず,問題を解くことができない。
評価項目4電磁場中の荷電粒子の運動の解析ができる。電磁場中の荷電粒子の運動の説明ができ,問題を解くことができる。電磁場中の荷電粒子の運動の説明ができず,問題を解くことができない。
評価項目5電磁誘導現象の解析ができる。電磁誘導現象の説明ができ問題を解くことができる。電磁誘導現象の説明ができず,問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期では機械工学の基礎として,力学演習を行う。大学院の入試や公務員上級試験に出題させる問題を取り上げ,問題を解きながら原理や公式を具体的に理解させる。
後期では電気工学の基礎として,電磁気学についての演習を行う。重要な基本問題や応用問題を解きながら原理や公式を具体的に理解させる。
授業の進め方・方法:
前期では,演習を行う。まず,演習のポイントを説明し,大学院の入試や公務員上級試験に出題させる問題を自ら進んでチャレンジする。わからないところあれば質問し,理解する。
後期では,事前学習した基本問題を,学生自ら解答し解説を行う。わからないところあれば質問し,理解する。講義後に,復習のための応用問題を解答することで,知識の定着を図る。
注意点:
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。
実務に応用できる専門基礎として,上記の到達目標に対する達成度を試験等によって評価する

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 立体的な力のつり合い:動力学を考えるための基本事項に関する演習を行う。 力はベクトルで表わされ,力の合力と分力を計算できる。
2週 立体的な力のつり合い:動力学を考えるための基本事項,ベクトルと三次元座標のモーメント,力のつり合いに関する演習を行う。 力のモーメントの意味を理解し,着力点が異なる力のつり合いを計算できる。
3週 質点と剛体の動力学:質点と剛体に作用する速度,加速度,力,エネルギー,運動量および力積についての演習を行う。 並進運動や回転運動について微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる。
4週 質点と剛体の動力学:質点と剛体に作用する速度,加速度,力,エネルギー,運動量および力積についての演習を行う。 並進運動や回転運動について微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる。
5週 質点と剛体の動力学:総合演習 並進運動や回転運動について微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる。
6週 1自由度系の自由振動:固有振動数や固有周期に関する演習を行う。 減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
7週 1自由度系の強制振動:力加振と変位加振に関する演習をを行う。 調和外力または調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
8週 1自由度系の振動:総合演習。 調和外力または調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
2ndQ
9週 2自由度系の自由振動:固有振動数や固有モード振動に関する演習を行う。 2自由度減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
10週 2自由度系の自由振動:総合演習。 2自由度減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
11週 ラグランジュの方程式:ラグランジュ法による運動方程式の立て方について学ぶ。 位置エネルギーと運動エネルギーが計算でき,ラグランジュ法で運動方程式を立式できる。
12週 ラグランジュの方程式:2自由度系の運動に関する演習を行う。 2自由度系の運動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
13週 ラグランジュの方程式:2自由度系の運動に関する演習を行う。 2自由度系の運動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
14週 ラグランジュの方程式:2自由度系の運動に関する演習を行う。 2自由度系の運動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
15週 ラグランジュの方程式:総合演習。 2自由度系の運動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 クーロンの法則と静磁場:クーロン力,電荷分布と電場に関連する計算について学ぶ。 クーロンの法則と静磁場に関連する問題を解くことができる。
2週 ガウスの法則:ガウスの定理,ガウスの法則とその応用に関連する計算について学ぶ。 ガウスの法則に関連する問題を解くことができる。
3週 静電ポテンシャルと静電エネルギー:ストークスの定理,静電ポテンシャル,静電エネルギーに関連する計算について学ぶ。 静電ポテンシャルと静電エネルギーに関連する問題を解くことができる。
4週 静電ポテンシャルと静電エネルギー:ストークスの定理,静電ポテンシャル,静電エネルギーに関連する計算について学ぶ。 静電ポテンシャルと静電エネルギーに関連する問題を解くことができる。
5週 ポアソン方程式:ポアソン方程式,鏡像法に関連する計算について学ぶ。 ポアソン方程式,鏡像法に関連する問題を解くことができる。
6週 コンデンサーと誘電体:電気容量,誘電体に関連する計算について学ぶ。 コンデンサーと誘電体に関連する問題を解くことができる。
7週 定常電流:オームの法則,キルヒホッフの法則,ジュールの法則に関連する計算について学ぶ。 オームの法則,キルヒホッフの法則,ジュールの法則に関連する問題を解くことができる。
8週 静磁場と電流:アンペール力,ローレンツ力,ビオ・サバールの法則に関連する計算について学ぶ。 アンペール力,ローレンツ力,ビオ・サバールの法則に関連する問題を解くことができる。
4thQ
9週 静磁場と電流:アンペール力,ローレンツ力,ビオ・サバールの法則に関連する計算について学ぶ。 アンペール力,ローレンツ力,ビオ・サバールの法則に関連する問題を解くことができる。
10週 ベクトルポテンシャルとアンペールの法則:ベクトルポテンシャルとアンペールの法則に関連する計算について学ぶ。 ベクトルポテンシャルとアンペールの法則に関連する問題を解くことができる。
11週 電磁誘導の法則:ファラデーの法則,磁場中を運動する回路に関連する計算について学ぶ。 電磁誘導の法則に関連する問題を解くことができる。
12週 インダクタンス:インダクタンス,静磁場のエネルギーに関連する計算について学ぶ。 インダクタンス,静磁場のエネルギーに関連する問題を解くことができる。
13週 磁性体:物質の磁化,強磁性体に関連する計算について学ぶ。 磁性体に関連する問題を解くことができる。
14週 マクスウェル方程式と電磁波:マクスウェル方程式,電磁波の伝搬に関連する計算について学ぶ。 マクスウェル方程式と電磁波に関連する問題を解くことができる。
15週 マクスウェル方程式と電磁波:マクスウェル方程式,電磁波の伝搬に関連する計算について学ぶ。 マクスウェル方程式と電磁波に関連する問題を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。3
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。2
電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3後1,後14,後15
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3後1,後2,後14,後15
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3後2,後14,後15
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3後5,後6,後7,後14,後15
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3後6,後14,後15
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3後6
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3後6
静電エネルギーを説明できる。3後3,後4,後5,後6,後14,後15
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3後8,後9,後13,後14,後15
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3後11,後12,後14,後15

評価割合

試験平素の学習状況等(課題・小テスト等を含む)合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000