エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 エネルギー変換工学
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電気工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:プリント配布ほか,参考書:越智他2名「熱機関工学」(コロナ社),関井・脇本「エネルギー工学」(電気書院)
担当教員 吉田 正伸,永橋 優純

到達目標

1.基本的なエネルギー、エネルギー変換事例を理解し,定性的に検討ができる。
2.電磁エネルギー変換や熱エネルギー変換の基礎理論を理解し適用限界を考察できる。
3.機械―電気エネルギー変換や蒸気プラントの基本原理を適用して問題を解くことできる。
4.蒸気の熱力学的性質を理解し、各種状態量を蒸気線図、蒸気表を利用し求めることができる。
5.火力発電所の基本サイクルの効率改善を考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1様々なエネルギー、エネルギー変換事例を理解し,定性的に評価できる基本的なエネルギー、エネルギー変換事例を理解し,定性的に検討ができる基本的なエネルギー、エネルギー変換事例を理解し,定性的に検討ができない
評価項目2電磁エネルギー変換や熱エネルギー変換の基礎理論を説明でき適用限界を考察できる電磁エネルギー変換や熱エネルギー変換の基礎理論を理解し適用限界を考察できる電磁エネルギー変換や熱エネルギー変換の基礎理論を理解し適用限界を考察できない
評価項目3機械―電気エネルギー変換や蒸気プラントの基本原理を応用して問題を解くことできる機械―電気エネルギー変換や蒸気プラントの基本原理を適用して問題を解くことできる機械―電気エネルギー変換や蒸気プラントの基本原理を適用して問題を解くことができない
評価項目4蒸気の熱力学的性質を説明でき、各種状態量を蒸気線図、蒸気表を利用し求めることができる蒸気の熱力学的性質を理解し、各種状態量を蒸気線図、蒸気表を利用し求めることができる蒸気の熱力学的性質を理解し、各種状態量を蒸気線図、蒸気表を利用し求めることができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (D) 説明 閉じる
JABEE基準1(2) (d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
いま注目されている新エネルギーの内容や流れを紹介し,次にエネルギー変換の基礎となる電気磁気学や熱力学の主要部分を解説し,最後にエネルギー変換の代表例として火力発電所の蒸気プラントなどを取り上げ,実際的な応用例を学習することにより,エネルギー変換の全般的知識を習得する。
授業の進め方・方法:
本科目は機械工学の基礎科目となる熱力学(本科4年)・エネルギー工学(本科5年)や流体力学(専攻科1年),電気工学における電気機器(本科3年),エネルギー環境論(本科4年),およびパワーエレクトロニクス(本科5年)などが総合された科目である。それぞれの知識の習得が十分でない者は参考図書などを利用し不足を補うこと。
注意点:
試験の成績を80%,平素の学習状況等(課題・小テスト等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 新エネルギー技術[1-2]:エネルギー利用と環境問題。太陽エネルギーの利用。風力エネルギーの利用。水素エネルギーと燃料電池。 エネルギー利用と環境問題について説明ができる。
2週 新エネルギー技術[1-2]:エネルギー利用と環境問題。太陽エネルギーの利用。風力エネルギーの利用。水素エネルギーと燃料電池。 太陽エネルギーの利用や風力エネルギーの利用,水素エネルギーの利用について説明ができる。
3週 機械―電気エネルギー変換[3-4]:電磁エネルギー変換の基礎と応用および演習 電磁エネルギー変換の基礎について説明ができる。
4週 機械―電気エネルギー変換[3-4]:電磁エネルギー変換の基礎と応用および演習 電磁エネルギー変換の応用について説明できる。
5週 基礎パワーエレクトロニクス[5-7]:整流回路,チョッパ,インバータの原理と応用および演習 電力変換と整流回路について説明ができる。
6週 基礎パワーエレクトロニクス[5-7]:整流回路,チョッパ,インバータの原理と応用および演習 各種チョッパ回路について説明ができる。
7週 基礎パワーエレクトロニクス[5-7]:整流回路,チョッパ,インバータの原理と応用および演習 インバータ回路について説明ができる。
8週 エネルギー変換と効率[8-11]:エネルギー変換の形態。熱力学の基礎知識(基本法則,状態量)。系と仕事。サイクルと効率。演習。 熱力学の基礎について説明ができる。
2ndQ
9週 エネルギー変換と効率[8-11]:エネルギー変換の形態。熱力学の基礎知識(基本法則,状態量)。系と仕事。サイクルと効率。演習。 系と仕事について説明ができる。
10週 エネルギー変換と効率[8-11]:エネルギー変換の形態。熱力学の基礎知識(基本法則,状態量)。系と仕事。サイクルと効率。演習。 サイクルと効率について説明ができる。
11週 エネルギー変換と効率[8-11]:エネルギー変換の形態。熱力学の基礎知識(基本法則,状態量)。系と仕事。サイクルと効率。演習。 熱力学の基礎に関する演習問題が解ける。
12週 火力発電所におけるエネルギー変換[12-15]:火力発電所の概要。蒸気の性質と蒸気表・蒸気線図。ランキンサイクルとサイクル効率。再生サイクルと再熱サイクル。 演習。 火力発電所の概要について説明ができる。
13週 火力発電所におけるエネルギー変換[12-15]:火力発電所の概要。蒸気の性質と蒸気表・蒸気線図。ランキンサイクルとサイクル効率。再生サイクルと再熱サイクル。 演習。 蒸気の性質と蒸気表・蒸気線図について説明ができる。
14週 火力発電所におけるエネルギー変換[12-15]:火力発電所の概要。蒸気の性質と蒸気表・蒸気線図。ランキンサイクルとサイクル効率。再生サイクルと再熱サイクル。 演習。 ランキンサイクルとサイクル効率について説明ができる。
15週 火力発電所におけるエネルギー変換[12-15]:火力発電所の概要。蒸気の性質と蒸気表・蒸気線図。ランキンサイクルとサイクル効率。再生サイクルと再熱サイクル。 演習。 再生サイクルと再熱サイクルについて説明ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学仕事の意味を理解し、計算できる。3前4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3
熱力学の第二法則を説明できる。3
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。3
サイクルをT-s線図で表現できる。3
熱の有効エネルギーを説明できる。3
電気・電子系分野電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。3
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。3
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習合計
総合評価割合801000010100
基礎的能力500000050
専門的能力20100001040
分野横断的能力100000010