物性工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 物性工学
科目番号 0022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械・電気工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:武藤準一郎「工学系 物性工学」(裳華房)
担当教員 谷本 壮

到達目標

【到達目標】
1. 物質の状態と結晶構造を理解し,ブラッグの回折条件及び物質の状態図について考察できる。
2. エネルギーバンド論の立場から,金属及び半導体の電気特性について検討できる。
3. 半導体の応用例として基本的な素子の動作原理について考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の状態と結晶構造,ブラッグの回折条件及び物質の状態図について理解し,説明できる。物質の状態と結晶構造,ブラッグの回折条件及び物質の状態図について説明できる。物質の状態と結晶構造,ブラッグの回折条件及び物質の状態図について説明できない。
評価項目2金属及び半導体の電気特性について理解し,エネルギーバンド論を用いて説明できる。エネルギーバンド論から,金属及び半導体の電気特性について説明できる。エネルギーバンド論から,金属及び半導体の電気特性について説明できない。
評価項目3半導体の応用例として基本的な素子の動作原理について理解し,その原理を利用し説明できる。半導体の応用例として基本的な素子の動作原理について説明できる。半導体の応用例として基本的な素子の動作原理について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近年,物性が工学的な立場からも注目され物性工学という分野が重要となってきている。本講義 では,物質の形態と構造解析手法を説明し,初等量子論を用いた自由電子論を取り扱う。次に,量子論及び統計力学の立場からエネルギーバンド理論を説明し,金属及び半導体の電気伝導特性及び 半導体の光吸収特性について論ずる。また,適宜,これらの物性を評価するための測定方法や装置についても説明し,工学的な立場から物性を評価,理解する力を養うことを目的とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
試験の成績を80%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1. 物質の形態と構造解析 [1-2]:結晶格子,ブラッグ条件と逆格子ベクトル,物質の状態図について学び,物質の形態と構造を理解する。 物質の形態及び結晶格子等構造について説明できる。
2週 1. 物質の形態と構造解析 [1-2]:結晶格子,ブラッグ条件と逆格子ベクトル,物質の状態図について学び,物質の形態と構造を理解する。 ブラッグ条件,逆格子ベクトルについて説明できる。
3週 2. 自由電子論 [3-4]:自由電子モデル,波動方程式の解,自由電子モデルにおける状態密度及びフェルミ-ディラックの分布関数,電子の平均エネルギーについて学ぶ。 自由電子モデル,波動方程式の解について説明できる。
4週 2. 自由電子論 [3-4]:自由電子モデル,波動方程式の解,自由電子モデルにおける状態密度及びフェルミ-ディラックの分布関数,電子の平均エネルギーについて学ぶ。 自由電子モデルにおける状態密度,フェルミ-ディラックの分布関数,電子の平均エネルギーについて説明できる。
5週 3. エネルギーバンド理論 [5-6]:周期ポテンシャルと波動方程式,波動関数の性質とエネルギーバンド,電子と正孔,有効質量について学び,半導体中の電子状態を理解する。 周期ポテンシャルと波動方程式,波動関数の性質とエネルギーバンドについて説明できる。
6週 3. エネルギーバンド理論 [5-6]:周期ポテンシャルと波動方程式,波動関数の性質とエネルギーバンド,電子と正孔,有効質量について学び,半導体中の電子状態を理解する。 電子と正孔,有効質量について理解し,半導体中の電子状態について説明できる。
7週 4. 電気伝導 [7-8]:金属及び半導体の電気伝導度,電気伝導度を支配する物性量,及びサイクロトン共鳴と有効質量について学ぶ。 金属及び半導体の電気伝導度,電気伝導度を支配する物性量について説明できる。
8週 4. 電気伝導 [7-8]:金属及び半導体の電気伝導度,電気伝導度を支配する物性量,及びサイクロトン共鳴と有効質量について学ぶ。 電気伝導度を支配する物性量,サイクロトン共鳴,有効質量について説明できる。
4thQ
9週 5. 半導体 [9-11]:不純物準位と水素近似モデル,熱平衡状態でのキャリアの挙動,バンド間遷移について学ぶ。 不純物準位について説明できる。
10週 5. 半導体 [9-11]:不純物準位と水素近似モデル,熱平衡状態でのキャリアの挙動,バンド間遷移について学ぶ。 水素近似モデル,熱平衡状態でのキャリアの挙動について説明できる。
11週 5. 半導体 [9-11]:不純物準位と水素近似モデル,熱平衡状態でのキャリアの挙動,バンド間遷移について学ぶ。 バンド間遷移について説明できる。
12週 6. 半導体の応用例[12-13]:pn 接合ダイオード,各種トランジスタ,半導体レーザー,発光ダイオードについて学ぶ。 pn 接合ダイオード,各種トランジスタについて説明できる。
13週 6. 半導体の応用例[12-13]:pn 接合ダイオード,各種トランジスタ,半導体レーザー,発光ダイオードについて学ぶ。 半導体レーザー,発光ダイオードについて説明できる。
14週 7. 結晶の表面と電子放出[14-15]:熱電子放出,光電子放出,電界放出,2次電子放出について学ぶ。 熱電子放出,光電子放出について説明できる。
15週 7. 結晶の表面と電子放出[14-15]:熱電子放出,光電子放出,電界放出,2次電子放出について学ぶ。 電界放出,2次電子放出について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000