概要:
電力を効率よく変換,制御するパワーエレクトロニクスの知識は,エネルギーの有効利用や各種電気機器の高性能化の見地から,電気技術者にとって不可欠なものとなっている。
本講義では電気機器やパワーエレクトロニクスの基礎を学んできた学生を対象に,より詳細な半導体電力変換器の動作原理,解析法について講義し,この技術の応用能力を高める。
授業の進め方・方法:
基礎事項に重点を置きつつも,具体性を持たせるため,講義にシミュレーション実習を取り入れる。シミュレーション解析ツールとして,PSIM demoを用いる。そのためノートパソコン(Windowsが動作するものが望ましい)が必要となる。
注意点:
試験の成績を60%(中間試験を授業中に実施し,試験の成績は中間試験と学期末試験の平均により求める),平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
また,全ての課題,レポートの提出が完了していることが単位認定の要件である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
パワーエレクトロニクスの基礎事項を学ぶ。 |
半導体電力変換の必要性とその概要について説明できる。
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2週 |
PSIM demoの使い方,およびシミュレーション解析手法について学ぶ |
PSIMで回路を描き,出力波形を読み取ることができる。
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3週 |
半波整流回路について講義し,そのシミュレーション解析を行う。 |
半波整流回路の動作を説明できる。
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4週 |
全波整流回路について講義し,そのシミュレーション解析を行う。 |
全波整流回路の動作を説明できる。
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5週 |
シミュレーション解析を用いて,全波整流回路の設計を行う。 |
目的に一致した全波整流回路を設計できる。
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6週 |
パワエレ回路のパルス変調方法について学ぶ。 |
パルス変調の分類と概要を説明できる。
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7週 |
降圧チョッパ回路について講義し,そのシミュレーション解析を行う。 |
降圧チョッパの動作を説明できる。
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8週 |
シミュレーション解析を用いて,降圧チョッパ回路の設計を行う。 |
パラメータ変化にともなう降圧チョッパ回路の動作を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
昇圧チョッパ回路について講義し,そのシミュレーション解析を行う。 |
昇圧チョッパの動作を説明できる。
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10週 |
シミュレーション解析を用いて,昇圧チョッパ回路の設計を行う。 |
パラメータ変化にともなう昇圧チョッパ回路の動作を説明できる。
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11週 |
インバータ回路について講義し,そのシミュレーション解析を行う。 |
インバータ回路の動作を説明できる。
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12週 |
インバータ回路の正弦波変調方法について学ぶ。 |
正弦波変調の仕組みと高調波について説明できる。
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13週 |
フィルタ回路の設計手法について学ぶ。 |
フィルタ回路の分類とその特徴を説明できる。
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14週 |
正弦波変調インバータ回路のシミュレーション解析を行う。 |
正弦波インバータ回路の動作が説明できる。
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15週 |
正弦波変調インバータ回路の設計を行う。 |
パラメータ変化にともなう正弦波インバータ回路の動作を説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 3 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を説明し、直流回路の計算に用いることができる | 3 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を説明し、直流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 3 | |
R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | |
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を説明し、交流回路の計算に用いることができる。 | 4 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前3,前4,前11 |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 3 | |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 2 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 3 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 2 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 2 | |
トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。 | 1 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 2 | |
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。 | 2 | |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 1 | |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 2 | |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路が理解できる。 | 4 | 前1 |
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。 | 4 | 前1 |
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 3 | 前1,前4 |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴について説明できる。 | 3 | 前1,前4 |
高調波障害について理解している。 | 4 | 前1,前2,前13 |
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。 | 2 | 前1,前2,前13 |
電力システムの経済運用について理解している。 | 2 | 前1,前2,前13 |
計測 | 有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる | 4 | 前3,前4 |
電力量の測定原理を理解している。 | 4 | 前3,前4 |
制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 2 | |
システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。 | 1 | |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 1 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 1 | |