到達目標
【到達目標】
1. 相律を理解し,相の数と自由度が説明できる。
2. 二成分系状態図の基本型を理解し,相平衡状態を読み取ることができるとともに,各組成割合を計算できる。
3. 三成分系状態図の相平衡状態を読み取ることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
相律 | 相律を理解し,あらゆる相平衡状態図に適用することができる。 | 相律を理解し,相の数と自由度が説明できる。 | 相律が理解できない。 |
評価項目2
二成分系状態図 | 種々の二成分状態図を読み取ることができるとともに,各成分割合を計算できる。 | 二成分系状態図の基本型を理解し,相平衡状態を読み取ることができるとともに,各組成割合を計算できる。 | 二成分状態図の基本形を理解できない。 |
評価項目3
三成分系状態図 | 三成分系状態図の相平衡状態を読み取ることができるとともに,各成分割合を計算できる。 | 三成分系状態図の相平衡状態を読み取ることができる。 | 三成分状態図の基本形を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
固体には種々の構造や性質を示す物質が存在する。これら固体物質の構造や性質に見られる個性は,それを構成する元素の性質および元素間で形成される化学結合の特徴などによってあらわされる。固体化学とは,固体物質を合成してその構造や物性を調べ,それがもつ個性を応用・発展に結びつけていくことを化学的に体系づけた学問分野である。本講義では,無機固体結晶が示す性質の中で相平衡に着目し,状態図について詳しく解説する。相平衡状態図の読み方を会得することは,材料設計において大変重要である。
授業の進め方・方法:
一方的な講義だけではなく,プリント教材にある演習問題について授業中に取り組み,理解を増す。
注意点:
試験の成績80%,平素の学習状況等(課題・レポートを含む)20%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎知識として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
熱力学と相平衡:系・相・成分,平衡,相律について学ぶ。 |
系・相・成分について理解する。
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2週 |
一成分系:水系,シリカ系,チタニア系,ジルコニア系について学ぶ。 |
一成分系の代表的な水系,シリカ系,チタニア系,ジルコニア系について理解する。
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3週 |
二成分系[1]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
相状態図の読み方・語句について学ぶ。二成分系の6つの基本型について理解する。
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4週 |
二成分系[2]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
(a)化合物が存在しない場合の二成分系状態図を理解し、各相・成分量を読み取ることができる。
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5週 |
二成分系[3]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
(a)化合物が存在しない場合の二成分系状態図を理解し、各相・成分量を読み取ることができる。
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6週 |
二成分系[4]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
(b)合致溶融化合物が存在する場合の二成分系状態図を理解し、各相・成分量を読み取ることができる。
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7週 |
二成分系[5]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
(c)分解溶融化合物が存在する場合場合の二成分系状態図を理解し、各相・成分量を読み取ることができる。
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8週 |
二成分系[6]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
(d)全率固溶体を形成する場合の二成分系状態図を理解し、各相・成分量を読み取ることができる。
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2ndQ |
9週 |
二成分系[7]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
(e)部分固溶体が存在する場合の二成分系状態図を理解し、各相・成分量を読み取ることができる。
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10週 |
二成分系[8]:てこの法則,化合物が存在しない系(共晶),化合物が存在する系(合致溶融化合物,分解溶融化合物),包晶反応,固溶体が存在する系について学ぶ。 |
(f)部分固溶体が分解溶融する場合の二成分系状態図を理解し、各相・成分量を読み取ることができる。
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11週 |
三成分系[1]:組成の表示方法,組成割合の求め方,三成分系状態図の構成,等温線,アルケマーデ線,三成分系状態図から擬二成分系状態図の作り方について学ぶ。 |
三成分系の相律を理解する。状態図の見方,立体図につてい理解する。三成分状態図の組成割合の求め方を理解し、計算できる。
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12週 |
三成分系[2]:組成の表示方法,組成割合の求め方,三成分系状態図の構成,等温線,アルケマーデ線,三成分系状態図から擬二成分系状態図の作り方について学ぶ。 |
三成分系状態図における組成変動経路を理解できる。アルケマーデを理解し、引くことができる。
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13週 |
三成分系[3]:組成の表示方法,組成割合の求め方,三成分系状態図の構成,等温線,アルケマーデ線,三成分系状態図から擬二成分系状態図の作り方について学ぶ。 |
三成分系状態図から擬二成分系状態図の作り方について理解する。
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14週 |
三成分系[4]:組成の表示方法,組成割合の求め方,三成分系状態図の構成,等温線,アルケマーデ線,三成分系状態図から擬二成分系状態図の作り方について学ぶ。 |
三成分系状態図から擬二成分系状態図を描画できる。
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15週 |
三成分系[5]:組成の表示方法,組成割合の求め方,三成分系状態図の構成,等温線,アルケマーデ線,三成分系状態図から擬二成分系状態図の作り方について学ぶ。 |
三成分系状態図から擬二成分系状態図を描画できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系 | 物理化学 | 純物質の状態図(P-V,P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
2成分の状態図(P-x,y、T-x,y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 3 | 前3,前10 |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |