地震工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 地震工学
科目番号 9005 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリンと配布、参考書:柴田明徳「最新 耐震構造解析」(森北出版)
担当教員 小田 憲史

到達目標

1.地震の規模、地震動の強さ、地震の発生確率など地震動の性質や特性が理解できる。
2.地震動のような異なる周期を有する波の離散フーリエ展開よりスペクトルを求めることができる。
3.地震波が地盤を伝わっていくときの表層地盤のせん断波速度および卓越周期を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1地震発生メカニズム、地震動の性質や特性および地震の発生確率を説明できる。地震発生メカニズムを理解し、地震動の性質・特性を説明できる。地震発生メカニズム、地震動の性質、特性を説明できない。
評価項目2周期性のある波の周期や角速度を求め、離散フーリエ展開よりスペクトルを求め波の特性を説明できる。周期性のある波の周期や角速度を求め、離散フーリエ展開よりスペクトルを求めることができる。周期性のある波の周期、角速度や離散フーリエ展開を求めることができない。
評価項目3地震波が地盤を伝わるせん断波速度、基盤上の表層地盤の卓越周期と成層地盤の固有周期を求めることができる。地震波が地盤を伝わるせん断波速度、基盤上の表層地盤の卓越周期を求めることができる。地震波が地盤を伝わるせん断波速度、基盤上の表層地盤の卓越周期を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造物の耐震設計の観点から、地震動の性質や地盤や構造物の動的特性を把握することは重要である。そのため、地震発生メカニズム、規模、強さやその発生確率などの地震動の性質について学習し、さらに地震波のような周期性のある波形のスペクトル、地震波が地盤を伝わるときの成層地盤の速度と卓越周期の求め方を学び、建設技術者としての専門的基礎知識を習得する。     
授業の進め方・方法:
授業は配布資料およびスライドを併用した講義形式とする。授業内で内容に関する練習問題およびその解答例を説明し、その後、練習問題に準ずる課題を自主学習する。課題の提出期日後、課題の解答例を説明あるいは配布するので、間違え点などを確認することによりさらに理解の向上を図る。欠課した時間に配布する資料や課題は各自の机内に入れておくので自主学習し理解しておくこと。

注意点:
【成績評価の基準・方法】                                                                                                試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎知識として,到達目標に対する到達度を試験等において評価する。                                                                                               【事前・事後学習】                                     事前学習として教科書あるいは配布資料の該当範囲(事前説明)を読んで内容を把握して授業に臨む。事後学習として授業で提示した課題を解き提出すること。課題の演習問題は周囲の学生と相談したりして解答してもよい。                                                       【学習単位科目(35時間)】                                                                                               本科目は学習単位のため、以下の標準学習時間を設定し自主学習時間の累計を30時間以上実施しなければならない。                                     ・全15回の授業に対して、事前学習0.5時間、事後学習時間1.5時間の計30時間                                                            ・期末試験の試験勉強のための学習時間5時間、計5時間 【履修上の注意】                                                                                                      この科目を履修するにあたり、対数関数、三角関数の内容を理解しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 地震災害[1-1]:日本と海外で甚大な被害を被った地震概要と地震防災分野における国際協力について学習する。 日本と海外で甚大な被害を被った地震概要と地震防災分野における国際協力について説明できる。
2週 地震発生メカニズム[2-2]:断層運動やプレート運動による地震発生メカニズムを学習する。 地震発生メカニズムを説明できる。
3週 地震動の性質[3-5]:地震の規模と強さ、強さとマグニチュードや震源距離の関係を学習する。 地震の規模と強さ、強さとマグニチュードや震源距離の関係について説明できる。
4週 地震動の性質[3-5]:地震波の記録計について学び、記録された地震波より地震動の強さを表す指標を学習する。 地震波の記録計、記録された地震波より地震動の強さを表す指標を説明できる。
5週 地震動の性質[3-5]:南海トラフで発生する地震、活断層で発生する地震の発生確率を学習する。 南海トラフで発生する地震、活断層で発生する地震の発生確率を説明できる。
6週 地震波の特性[6-10]:周期性のある波を数式で表わすフーリエ級数式を学習する。 周期性のある波を数式で表すフーリエ級数式を説明できる。
7週 地震波の特性[6-10]:周期性のある波を数式で表わすフーリエ級数式を学習する。 周期性のある波を数式で表すフーリエ級数式を説明できる。
8週 地震波の特性[6-10]:離散フーリエ展開を使ってフーリエ級数式の係数(振幅)を求める方法を学習する。 離散フーリエ展開を使ってフーリエ級数式の係数(振幅)を求める方法を説明できる。
4thQ
9週 地震波の特性[6-10]:離散フーリエ展開を使ってフーリ級数式の係数(振幅)を求める方法を学習する。 離散フーリエ展開を使ってフーリ級数式の係数(振幅)を求めることができる。
10週 地震波の特性[6-10]:離散フーリエ展開を使ってフーリエ級数式の係数(振幅)を求める方法を学習する。 離散フーリエ展開を使ってフーリエ級数式の係数(振幅)を求めることができる。
11週 地質構成[11-11]:地質時代と地層の呼び名、日本列島の地質と構造、および高知市周辺の地質を学習する。 地質時代と地層の呼び名、日本列島の地質と構造、および高知市周辺の地質を説明できる。
12週 1自由度系の運動方程式[12-12]:1自由度系の減衰自由振動を学習する。 1自由度系の減衰自由振動を説明できる。
13週 地盤振動の初歩[13-15]:地震波がせん断波として地盤を伝わっていく場合のせん断波速度を学習する。 地震波がせん断波として地盤を伝わっていく場合のせん断波速度を求めることができる。
14週 地盤振動の初歩[13-15]:n層よりなる成層地盤のせん断波速度を等価な表層地盤に置換し、その卓越周期の求め方を学習する。 n層よりなる成層地盤のせん断波速度を等価な表層地盤に置換し、その卓越周期の求め方を説明できる。
15週 地盤振動の初歩[13-15]:表層地盤の周期の求め方を復習し、ある地盤の実測データからその地盤の卓越周期を求める演習を行う。 ある地盤の実測データからその地盤の卓越周期を求めることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。3
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。3
建築系分野構造骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。2
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。3
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力2000001030
専門的能力3000002050
分野横断的能力1000001020