防災工学特論

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 防災工学特論
科目番号 9006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 岡林 宏二郎,岡田 将治,近藤 拓也

到達目標

1.災害発生のメカニズムや防災対策の考え方について説明できる。
2.過去の地震被害や防災対策法について説明できる。
3.地盤災害や津波災害の種類とその対策について説明できる。
4.災害に係わる情報,防災技術について説明できる。
5.インフラを構成する土木構造物の,各種災害に対する安全確保方法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
災害発生のメカニズムや防災対策の考え方災害発生のメカニズムや防災対策の考え方について十分に説明ができる。災害発生のメカニズムや防災対策の考え方について概ね説明ができる。災害発生のメカニズムや防災対策の考え方について説明ができない。
過去の地震被害や防災対策法過去の地震被害や防災対策法について十分に説明ができる。過去の地震被害や防災対策法について概ね説明ができる。過去の地震被害や防災対策法について説明ができない。
地盤災害や津波災害の種類とその対策地盤災害や津波災害の種類とその対策について十分に説明ができる。地盤災害や津波災害の種類とその対策について概ね説明ができる。地盤災害や津波災害の種類とその対策について説明ができない。
災害に係わる情報,防災技術災害に係わる情報,防災技術について十分に説明ができる。災害に係わる情報,防災技術について概ね説明ができる。災害に係わる情報,防災技術について説明ができない。
インフラを構成する土木構造物の安全確保方法インフラを構成する土木構造物の安全確保方法について、理論を通して説明することができる。インフラを構成する土木構造物の安全確保方法について、事柄のみ説明することができる。インフラを構成する土木構造物の安全確保方法を知っていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半では、インフラを構成する土木構造物の防災システムについて,ハード・ソフト両面の側面から,事例を中心に学習する。中間では災害発生のメカニズムを,主に近年の地震災害事例などから学ぶ.さらに,その対策法や身近にできる防災技術を学び,グローバルな視点から防災・減災のノウハウを習得する。後半では災害図上訓練を通じて都市や地域の脆弱性を考え,巨大災害に対応できる方法を身に着ける。これらの一連の講義から,災害に係わる情報,最新の防災技術について学び,建設技術者として必要な防災対策に関する専門応用知識を習得させる。
授業の進め方・方法:
授業は前半(近藤),中間(岡林),後半(岡田)に分けて実施する。最新の資料、文献等を用いて授業を行うため、教科書は使用せず、適宜資料を配布して説明を行う。後半では、DIGやHUGの内容理解とともに、実際に体験する。
注意点:
平素の学習状況(各課題に対するレポート,プレゼンテーション等を含む)により学習理解度及び到達度(40%)を判断し,定期試験の成績(60%)を含めて総合的に評価する。実務に応用できる専門知識として,災害発生の原理や地盤災害,洪水・津波による災害の概要,防災・減災技術について,到達目標に示した事項について理解度・到達度を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 インフラ施設の耐震対策[1]
①コンクリート構造物の耐震規準の変遷②阪神・淡路大震災の被害事例とその対策
①土木構造物の耐震規準の変遷を理解する。
②阪神淡路大震災における土木構造物の被害事例とその対策を理解する。
2週 インフラ施設の耐震対策[2]:
東日本大震災の被害事例およびその対策
東日本大震災の被害事例とその対策を理解する。
3週 インフラ施設の耐震対策[3]:
耐震設計法一般①
現在の構造物で使用されている設計法の違いについて理解する。
4週 インフラ施設の耐震対策[4]:
耐震設計法一般②
構造物の耐震設計法について理解する。
5週 インフラ施設の耐震対策[5]:
耐震補強のソフト対策
各インフラ管理者が実施するソフト対策について、事例と必要性を理解する。
6週 近年発生した土砂災害の特徴[6]
伊豆大島、広島、高知などで近年発生した土砂災害について,降雨と関連づけて学ぶ。
伊豆大島、広島、高知などで近年発生した土砂災害について,降雨と関連づけて理解する。
7週 防災・減災に対する国の方針 [7]
国土交通白書を読み、国として定めた法律や対応方針について学ぶ。
国土交通白書を読み、国として定めた法律や対応方針について理解する。
8週 防災施設フィールドワーク [8]
避難タワー、高知海岸、高規格道路等の視察を行い高知県の対応について学ぶ。
避難タワー、高知海岸、高規格道路等の視察を行い高知県の対応について理解する。
2ndQ
9週 過去の水害事例とその対策 [9]
高知県内で過去に発生した豪雨水害事例とその対策について学ぶ。
高知県内で過去に発生した豪雨水害事例とその対策について理解する。
10週 災害図上訓練(DIG)[10-11]
災害図上訓練の目的、南海地震対応DIGの三段階のねらいについて学ぶ。
災害図上訓練の目的、南海地震対応DIGの三段階のねらいについて理解する。
11週 災害図上訓練(DIG)[10-11]
実在する施設を対象に災害図上訓練を行い,災害発生時の避難方法などを学ぶ。
実在する施設を対象に災害図上訓練を行い,災害発生時の避難方法などを理解する。
12週 避難所運営ゲーム(HUG) [12-13]
避難所における課題について過去の災害から学び、避難所開設・運営に必要な基礎知識を学ぶ。
避難所における課題について過去の災害から学び、避難所開設・運営に必要な基礎知識について理解する。
13週 避難所運営ゲーム(HUG) [12-13]
実在する施設を対象に避難所運営のための図上訓練を行い,災害時における対応方法を学ぶ。
実在する施設を対象に避難所運営のための図上訓練を行い,災害時における対応方法について理解する。
14週 事業継続計画(BCP)[14]
企業や自治体,学校等の事業継続計画(BCP)について学ぶ。
企業や自治体,学校等の事業継続計画(BCP)について理解する。
15週 高知県における防災・減災対策[15]
高知県危機管理部から高知県内の防災・減災対策の現状について学ぶ。
高知県危機管理部から高知県内の防災・減災対策の現状について説明を受け、理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。2
マグマの生成と火山活動を説明できる。2
地震の発生と断層運動について説明できる。2
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。2
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。2

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合6040100
基礎的能力201030
専門的能力403070