建設工学演習

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 建設工学演習
科目番号 9012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教 材:適宜プリントを使用する。
担当教員 岡田 将治,寺田 幸博,池田 雄一

到達目標

各種の課題に対し,専門知識を統合し学生間で協力しながら,自ら解決策を見出し,それを系統的にまとめ,発表できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
エンジニアリング・デザイン概論エンジニアリング・デザイン,エンジニアリング・デザイン教育について十分理解できる.エンジニアリング・デザイン,エンジニアリング・デザイン教育について概ね理解できる.エンジニアリング・デザイン,エンジニアリング・デザイン教育について理解できない.
市民を対象とした防災ワークショップの企画・実施市民向け防災ワークショップを企画でき,関連資料の作成とわかりやすい説明が実施できる。市民向け防災ワークショップを企画でき,関連資料の作成とわかりやすい説明が概ね実施できる。市民向け防災ワークショップを企画できず,関連資料の作成とわかりやすい説明が実施できない。
橋梁維持管理計画の作成橋梁の架設環境や現状を十分に把握したうえで、今後の維持管理計画を策定することができる。橋梁の維持管理計画を策定することができる。橋梁の維持管理計画を策定することができない。
総合評価落札方式における技術提案書の作成総合評価落札方式の仕組みをよく理解し、技術提案書を適切にまとめることができ、分かりやすく説明できる。総合評価落札方式の仕組みを理解し、技術提案書をまとめることができ、分かりやすく説明できる。総合評価落札方式の仕組みを理解できず、技術提案書をまとめることができない。グループ活動も非協力的で、説明も分かりにくい。
地震による建物被害と社会的被害への影響地震による建物被害分析ができ、その要因を説明できる。地震が人が住む住居に及ぼす社会的影響を説明できる。地震による建物被害分析ができる。地震が人が住む住居に及ぼす社会的影響が大きいことを認識できる。地震による建物被害分析ができない。地震が人が住む住居に及ぼす社会的影響が大きいことを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (d)(3) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (e) 説明 閉じる
 JABEE評価 基準1(2) (f) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (g) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (h) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (i) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建設工学に関する様々な専門知識を統合・応用し、自然や社会などを含む周囲の環境への影響を配慮しながら、設定した課題に対する課題解決策を、学生自らが見出し互いにコミュニケーションを計りながら、チームワークを駆使して協同して、それらを学習体験できるエンジニアリング・デザイン教育に対応する。
授業の進め方・方法:
主として、グループ活動で課題を検討し、その結果をプレゼンする。
注意点:
実務に応用できる幅広い専門基礎知識を身につけるために、グループ活動により、課題に対する取り組み、解決策の内容、そのまとめ方や発表などの達成度を総合的に評価する。具体的には、各テーマで、成果物40点(専門的知識と応用する能力(d)10点、デザイン能力(e)10点、自主的・継続的な学習能力(g)10点、計画的に実行する能力(h)10点)、発表40点(コミュニケーション能力(f))、相互評価20点(チームで活動する能力(i))で採点し、4テーマの成績を総合的に評価する。なお、各評価項目における各テーマの平均が6割以上であることが単位修得の条件である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 概論[1-2]:エンジニアリングデザイン概論 エンジニアリング・デザイン,エンジニアリング・デザイン教育を理解する。
2週 概論[1-2]:エンジニアリングデザイン概論 エンジニアリング・デザイン,エンジニアリング・デザイン教育を理解する。
3週 市民を対象とした水防災ワークショップの企画・実施[3-4]:近年の高知県内の風水害について理解する。 国土交通省や高知県の資料を調べ,過去に発生した高知県内の風水害について理解する。
4週 市民を対象とした水防災ワークショップの企画・実施[3-4]:近年の高知県内の風水害対策について理解する。 国土交通省,高知県職員から,近年発生した高知県内の風水害と課題について説明を受けて理解する。
5週 市民を対象とした水防災ワークショップの企画・実施[5-7]:水防災ワークショップの企画・資料の作成 グループに分かれて,対象とする年代ごとにワークショップの内容を企画する。
6週 市民を対象とした水防災ワークショップの企画・実施[5-7]:ワークショップ資料の作成 ワークショップの説明資料を作成する。
7週 市民を対象とした水防災ワークショップの企画・実施[5-7]:ワークショップ資料の作成と説明練習 ワークショップの説明資料を作成し,プレゼンテーションを行って改善点を考察する。
8週 市民を対象とした水防災ワークショップの企画・実施[8-9]:水防災ワークショップの実施と振り返り グループに分かれて,水防災ワークショップを実施し,他者評価から改善点を考察する。
2ndQ
9週 市民を対象とした水防災ワークショップの企画・実施[8-9]:水防災ワークショップの実施と振り返り グループに分かれて,水防災ワークショップを実施し,他者評価から改善点を考察する。
10週 土木構造物の現状調査および劣化評価[10]:①オリエンテーション 土木構造物の維持管理に関する現状を理解する。点検方法等について概要を理解する。
11週 土木構造物の現状調査および劣化評価[11]:②対象構造物の現場調査 実際の橋梁を用いて、点検、調査を行うことができる。
12週 土木構造物の現状調査および劣化評価[12-15]:③調査結果の整理、健全度評価、今後の維持管理計画の策定 現場調査を踏まえて、劣化の種類を理解できる。
13週 土木構造物の現状調査および劣化評価[12-15]:③調査結果の整理、健全度評価、今後の維持管理計画の策定 劣化の程度を踏まえて、構造物の健全度評価の考え方を理解できる。
14週 土木構造物の現状調査および劣化評価[12-15]:③調査結果の整理、健全度評価、今後の維持管理計画の策定 健全度評価を踏まえて、今後の構造物の劣化予測について、手法を実践できる。
15週 土木構造物の現状調査および劣化評価[12-15]:③調査結果の整理、健全度評価、今後の維持管理計画の策定 劣化予測を踏まえて、構造物の補修補強方法ならびにその実施時期について提案できる。
16週
後期
3rdQ
1週 土木構造物の現状調査および劣化評価[16]:④プレゼンテーションと相互評価。チーム毎に全員がプレゼンテーションを行う プレゼンテーションができ、人前で自分の意見を発言できる。
2週 総合評価落札方式における技術提案書の作成[17]:総合評価落札方式の仕組みについて講義を受ける。 総合評価落札方式について理解できる。
3週 総合評価落札方式における技術提案書の作成[18]:数人毎のグループ分けをし、グループ員が共同で技術提案書の過去事例を調査する。 グループで達成できる技術提案書に向けて、適材適所の役割分担を協議し、決定できる。
4週 総合評価落札方式における技術提案書の作成[19]:グループ構成員それぞれが調査した過去事例を紹介しながら、技術提案書記載事項の理解を深める。 総合評価落札方式の技術提案書の役割について説明できる。
5週 総合評価落札方式における技術提案書の作成[20]:提示された技術資料から技術提案書を作成すべき対象について必要とする項目を抽出する。 総合評価落札方式の技術提案書の記載事項について説明できる。
6週 総合評価落札方式における技術提案書の作成[21]:技術提案書を作成する。 技術提案書のアウトラインを構築できる。
7週 総合評価落札方式における技術提案書の作成[22]:技術提案書を完成させ、提案内容の発表準備をする。 技術提案書の文書作成ができる。
8週 総合評価落札方式における技術提案書の作成[23]:グループごとにとりまとめた技術提案書の内容を発表し、議論・相互評価を行う。 提案書に記載した内容について説明できる。また、他グループの発表内容を評価できる。
4thQ
9週 最近の地震建物被害について1[24]:平成28年熊本地震、2011年東北地方太平洋沖地震 平成28年熊本地震、2011年東北地方太平洋沖地震における地震被害を学ぶ。
10週 最近の地震建物被害について2[25]:1995年兵庫県南部地震 22年前の1995年兵庫県南部地震における地震被害を学ぶ。
11週 地震による住宅被害と公的補償[26]:住宅被害への公的補償、地震保険 過去の地震ごとの住宅被害への公的補償、地震保険について学ぶ。
12週 地震による集合住宅被害と公的補償[27]:集合住宅被害への公的補償、地震保険、マンション特有の問題 地震によるマンション被害と、地震後の復旧問題、解体問題について学ぶ。
13週 重要構造物の耐震性[28]:学校の耐震性、避難所となる建物、社会的構造物 平成28年熊本地震において問題となった、避難所となる学校被害、復旧・復興の指揮を担う役所の被害が被災地行政に及ぼした影響を学ぶ。
14週 まとめ作業・レジュメ作成[29]:テーマ(住宅・マンション・重要構造物)毎のプレゼンまとめ グループ毎のテーマを一つ選び、それについてプレゼンするためのレジュメ、パワーポイント資料作成できる。
15週 地震による住宅等の社会的影響[30]:チーム毎に全員がプレゼンテーションを行う プレゼンテーションができ、人前でグループ・自分の意見を発言できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

成果物発表相互評価---合計
総合評価割合404020000100
基礎的能力000---0
専門的能力4000---40
分野横断的能力04020---60