水環境工学特論

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 水環境工学特論
科目番号 9015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:プリント 参考書:伊藤禎彦・上月康則・山崎慎一他「よくわかる環境工学」(理工図書)
担当教員 山崎 慎一

到達目標

【到達目標】
1.物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論などの環境化学の基礎を理解し説明できる。
2.微生物の酵素反応速度,比増殖速度などの環境微生物の基礎を理解し説明できる。
3.凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などの環境物理の基礎を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論などが説明できる。物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論などがある程度説明できる。物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論が説明できない。
評価項目2微生物の酵素反応速度,比増殖速度などが説明できる。微生物の酵素反応速度,比増殖速度などがある程度説明できる。微生物の酵素反応速度,比増殖速度などが説明できない。
評価項目3凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などが説明できる。凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などがある程度説明できる。凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などが説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では,水環境の状態を工学的に評価・管理する場合や,上下水道などの水処理装置を設計・運転する場合に,必要となる化学,物理,微生物の基礎知識を習得する。本科の水環境工学Ⅰ及びⅡ,土木・建築実験(環境実験)で学習した水環境や水処理に関する基礎知識をさらに深く理解し,実務に応用できる専門的基礎知識を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。前学期末試験を行う。
注意点:
試験の成績60%,平素の学習状況等(演習レポート)を40%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎知識として,水環境や水処理に関する化学,物理,微生物の理解の程度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境化学 [1]:イオン,物質の状態変化,気体の性質(全圧と分圧)を理解する。 イオン,物質の状態変化,気体の性質(全圧と分圧)が理解できる。
2週   〃  [2-3]:溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧を理解する。 溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧が理解できる。
3週   〃  [2-3]:溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧を理解する。 溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧が理解できる。
4週   〃  [4-5]:化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液について理解する。 化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液が理解できる。
5週   〃  [4-5]:化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液について理解する。 化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液が理解できる。
6週   〃  [6]:酸化と還元,反応速度論について理解する。 酸化と還元,反応速度論が理解できる。
7週 環境微生物 [7-8]:酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーについて理解する。 酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーが理解できる。
8週 環境微生物 [7-8]:酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーについて理解する。 酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーが理解できる。
2ndQ
9週   〃   [9-10]:微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率について理解する。 微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率が理解できる。
10週   〃   [9-10]:微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率について理解する。 微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率が理解できる。
11週 環境物理 [11-12]:総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性について理解する。 総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性が理解できる。
12週 環境物理 [11-12]:総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性について理解する。 総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性が理解できる。
13週   〃  [13-15]:凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離を理解する。
 毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。
凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離が理解できる。
14週   〃  [13-15]:凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離を理解する。
 毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。
凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離が理解できる。
15週   〃  [13-15]:凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離を理解する。
 毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。
凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離が理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。2前1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2前1
水の状態変化が説明できる。2前1
物質の三態とその状態変化を説明できる。2前1
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前1
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前1
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。2前1
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。2前1
価電子の働きについて説明できる。2前1
原子のイオン化について説明できる。2前1
代表的なイオンを化学式で表すことができる。2前1
イオン式とイオンの名称を説明できる。2前1
イオン結合について説明できる。2前1
共有結合について説明できる。2前1
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。2前1
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前2
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前4,前5
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前4,前5
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。2前4,前5
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前2,前3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前2,前3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2前4,前5
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。2前4,前5
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。2前4,前5
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前4,前5
酸化還元反応について説明できる。2前6
イオン化傾向について説明できる。2前13
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2前14
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境水質指標を説明できる。2前2,前3
水道の役割、種類を説明できる。4前13,前14,前15
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。4前13,前14,前15
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。4前9,前10,前11,前12
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。3前9,前10,前11,前12

評価割合

試験レポート----合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2010----30
専門的能力4030----70
分野横断的能力00----0