応用水理学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用水理学
科目番号 9016 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:PEL水理学(実教出版), 参考書:日野幹雄「明解 水理学」(丸善) , Andrew Chadwickほか「Hydraulics in Civil and Environmental Engineering」(CRC Press)
担当教員 岡田 将治

到達目標

1.静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。
2.ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。
3.ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。
4.運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。
5.運動量保存則を応用した各種計算ができる。
6.円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を理解している。
7.流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を理解している。
8.管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。
9.開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。
10.開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。
11.一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,概ね説明できる。静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できない。
2.ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算が概ねできる。ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができない。
3.ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について概ね説明できる。ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できない。
4.運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。運動量保存則について理解し,式の誘導について概ね説明ができる。運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができない。
5.運動量保存則を応用した各種計算ができる。運動量保存則を応用した各種計算ができる。運動量保存則を応用した各種計算が概ねできる。運動量保存則を応用した各種計算ができない。
6.円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を説明できる。円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を説明できる。円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を概ね説明できる。円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を説明できない。
7.流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を説明できる。流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を説明できる。流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を概ね説明できる。流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を説明できない。
8.管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,概ね説明できる。管水路の摩擦損失,形状損失について説明できない。
9.開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について概ね説明できる。開水路流れの基礎方程式について,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できない。
10.開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。開水路不等流の方程式について理解し,概ね説明できる。開水路不等流の方程式について説明できない。
11.一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。一様水路における不等流と背水曲線について理解し,概ね説明できる。一様水路における不等流と背水曲線について,説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
JABEE評価 基準1(2) (d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科の水理学を基礎として,ベルヌーイの定理および運動量の定理の考え方を理解する。次に,層流と乱流に関する基礎知識を学び,管水路および開水路における水理現象を系統的に理解することにより,建設技術者としての専門的基礎知識を習得する。
授業の進め方・方法:
授業は,始めに前回の内容の理解度および予習状況を確認する小テスト(15分),教員による説明(計50分),個人およびグループによる演習(計25分)で構成する。毎回,授業内容に関する復習課題と次回の授業に関する予習課題を課し,レポートとして提出させる。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)40%の割合を基準として総合的に評価する。学期末の成績は,中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として教科書の該当部分を事前に読んで授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で学習した内容の復習や演習問題を解いて各自の理解度を認識するとともに,不明な点は他学生や教員とディスカッションするなどして理解を深めること。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
・本科目は学修単位のため,以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間以上実施して提出しなければ,成績が60点を超えた場合でも59点として扱い,単位を認定しない。
・全15回の授業に対して,0.5時間の事前学習と1.5時間の事後学習の計30時間の学習を行う。
・中間試験および期末試験に対してそれぞれ試験勉強のための課題学習として各4時間の計8時間の学習を行う。
・夏季休業中に総まとめ課題として7時間分の学習を行う。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,4年生の水理学IおよびIIの内容を十分に理解しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静水力学,流体力学の基礎方程式 静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。
2週 ベルヌーイの定理の基礎と応用① ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。
3週 ベルヌーイの定理の基礎と応用② ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。
4週 運動量保存則 運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。
5週 運動量保存則の応用 運動量保存則を応用した各種計算ができる。
6週 円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ) 円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を理解している。
7週 流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離) 流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を理解している。
8週 管水路の摩擦損失,形状損失① 管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。
2ndQ
9週 管水路の摩擦損失,形状損失② 管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,計算ができる。
10週 開水路流れの基礎方程式① 開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。
11週 開水路流れの基礎方程式② 開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。
12週 開水路不等流の方程式① 開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。
13週 開水路不等流の方程式② 開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。
14週 一様水路における不等流と背水曲線① 一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。
15週 一様水路における不等流と背水曲線② 一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。2
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。3
浮力と浮体の安定を計算できる。3
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。2
連続の式を説明できる。4
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。3
層流と乱流について、説明できる。3
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。2
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4
各種の管路の流れが計算できる。4
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。4
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。4

評価割合

試験授業レポート小テスト合計
総合評価割合602020100
基礎的能力20101040
専門的能力40101060
分野横断的能力0000