水環境工学特論

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 水環境工学特論
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:プリント 参考書:伊藤禎彦・上月康則・山崎慎一他「よくわかる環境工学」(理工図書)
担当教員 山崎 慎一

到達目標

【到達目標】
1.物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論などの環境化学の基礎を理解し説明できる。
2.微生物の酵素反応速度,比増殖速度などの環境微生物の基礎を理解し説明できる。
3.凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などの環境物理の基礎を理解し説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論などが説明できる。物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論などがある程度説明できる。物質の状態変化,化学平衡,酸化還元,反応速度論が説明できない。
評価項目2微生物の酵素反応速度,比増殖速度などが説明できる。微生物の酵素反応速度,比増殖速度などがある程度説明できる。微生物の酵素反応速度,比増殖速度などが説明できない。
評価項目3凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などが説明できる。凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などがある程度説明できる。凝集,沈殿,ろ過,混合特性,酸素溶解効率などが説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では,水環境の状態を工学的に評価・管理する場合や,上下水道などの水処理装置を設計・運転する場合に,必要となる化学,物理,微生物の基礎知識を習得する。本科の水環境工学Ⅰ及びⅡ,土木・建築実験(環境実験)で学習した水環境や水処理に関する基礎知識をさらに深く理解し,実務に応用できる専門的基礎知識を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。前学期末試験を行う。
注意点:
試験の成績60%,平素の学習状況等(演習レポート)を40%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎知識として,水環境や水処理に関する化学,物理,微生物の理解の程度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境化学 [1]:イオン,物質の状態変化,気体の性質(全圧と分圧)を理解する。 イオン,物質の状態変化,気体の性質(全圧と分圧)が理解できる。
2週   〃  [2-3]:溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧を理解する。 溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧が理解できる。
3週   〃  [2-3]:溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧を理解する。 溶解度,溶液濃度,沸点と凝固点,浸透圧が理解できる。
4週   〃  [4-5]:化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液について理解する。 化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液が理解できる。
5週   〃  [4-5]:化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液について理解する。 化学平衡と溶解度積,酸と塩基,緩衝溶液が理解できる。
6週   〃  [6]:酸化と還元,反応速度論について理解する。 酸化と還元,反応速度論が理解できる。
7週 環境微生物 [7-8]:酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーについて理解する。 酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーが理解できる。
8週 環境微生物 [7-8]:酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーについて理解する。 酵素反応速度,拮抗阻害,代謝と自由エネルギーが理解できる。
2ndQ
9週   〃   [9-10]:微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率について理解する。 微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率が理解できる。
10週   〃   [9-10]:微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率について理解する。 微生物の増殖過程,比増殖速度,増殖収率が理解できる。
11週 環境物理 [11-12]:総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性について理解する。 総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性が理解できる。
12週 環境物理 [11-12]:総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性について理解する。 総括酸素移動容量係数,反応槽内の液体混合特性が理解できる。
13週   〃  [13-15]:凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離を理解する。
 毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。
凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離が理解できる。
14週   〃  [13-15]:凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離を理解する。
 毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。
凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離が理解できる。
15週   〃  [13-15]:凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離を理解する。
 毎回の講義の後に演習レポートを行って,内容の理解度・到達度を評価する。
凝集,沈殿,ろ過,活性炭吸着理論,イオン交換,膜分離が理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)水の状態変化が説明できる。2前1
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前1
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前1
原子のイオン化について説明できる。2前1
イオン式とイオンの名称を説明できる。2前1
イオン結合について説明できる。2前1
共有結合について説明できる。2前1
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。2前1
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前1
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前4,前5
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前4,前5
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前2,前3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前2,前3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。2前4,前5
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。2前4,前5
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前4,前5
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。3前4,前5
酸化還元反応について説明できる。2前6
イオン化傾向について説明できる。2前13
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2前14
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境水質指標を説明できる。3前2,前3
水道施設(取水・導水・浄水・送水・配水・給水等)を理解している。2前13,前14,前15
浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を理解している。3前13,前14,前15
浄水の単位操作(濾過・殺菌等)を理解している。3前13,前14,前15
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。2前11
下水処理施設の設計を理解き、かつ計算できる。3前11
溶解度について理解している。2前2
化学平衡について理解している。2前4
反応速度について理解している。2前6,前7,前8
反応速度を理解し、計算ができる。3前6,前7,前8
微生物の定義(分類、構造、機能等)を理解している。2前9,前10
物質循環と微生物の関係を説明できる。2前9,前10
エネルギー獲得機構を理解している。2前9,前10
増殖速度、収率を理解している。3前9,前10
酵素反応速度を理解している。3前9,前10
自由エネルギーを理解している。2前9,前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力0000000
専門的能力60000040100
分野横断的能力0000000