応用水理学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用水理学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:日野幹雄「明解 水理学」(丸善) 参考書:Andrew Chadwickほか「Hydraulics in Civil and Environmental Engineering」(CRC Press)
担当教員 岡田 将治

到達目標

1.静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。
2.ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。
3.ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。
4.運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。
5.運動量保存則を応用した各種計算ができる。
6.円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を理解している。
7.流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を理解している。
8.管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。
9.開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。
10.開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。
11.一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,概ね説明できる。静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できない。
2.ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算が概ねできる。ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができない。
3.ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について概ね説明できる。ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できない。
4.運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。運動量保存則について理解し,式の誘導について概ね説明ができる。運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができない。
5.運動量保存則を応用した各種計算ができる。運動量保存則を応用した各種計算ができる。運動量保存則を応用した各種計算が概ねできる。運動量保存則を応用した各種計算ができない。
6.円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を理解している。円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を理解している。円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を概ね理解している。円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を理解できていない。
7.流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を理解している。流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を理解している。流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を概ね理解している。流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を理解できていない。
8.管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,概ね説明できる。管水路の摩擦損失,形状損失について説明できない。
9.開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について概ね説明できる。開水路流れの基礎方程式について,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できない。
10.開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。開水路不等流の方程式について理解し,概ね説明できる。開水路不等流の方程式について説明できない。
11.一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。一様水路における不等流と背水曲線について理解し,概ね説明できる。一様水路における不等流と背水曲線について,説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE新基準1(2) (d) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 2(D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科の水理学を基礎として,ベルヌーイの定理および運動量の定理の考え方を理解する。次に,層流と乱流に関する基礎知識を学び,管水路および開水路における水理現象を系統的に理解することにより,建設技術者としての専門的基礎知識を習得する。
授業の進め方・方法:
授業は,始めに前回の内容の理解度および予習状況を確認する小テスト(15分),教員による説明(計60分),個人およびグループによる演習(計20分)で構成する。毎回,授業内容に関する復習課題と次回の授業に関する予習課題を課し,レポートとして提出させる。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(小テスト・レポート)を40%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎知識として,到達目標に対する到達度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静水力学,流体力学の基礎方程式 静水力学,流体力学の基礎方程式について理解し,説明できる。
2週 ベルヌーイの定理の基礎と応用① ベルヌーイの定理を理解し,それを応用した計算ができる。
3週 ベルヌーイの定理の基礎と応用② ベルヌーイの定理を応用(自然現象,河川工学など)について説明できる。
4週 運動量保存則 運動量保存則について理解し,式の誘導について説明ができる。
5週 運動量保存則の応用 運動量保存則を応用した各種計算ができる。
6週 円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ) 円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユ流れ)を理解している。
7週 流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離) 流体摩擦(レイノルズ応力,混合距離)を理解している。
8週 管水路の摩擦損失,形状損失① 管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,説明できる。
2ndQ
9週 管水路の摩擦損失,形状損失② 管水路の摩擦損失,形状損失について理解し,計算ができる。
10週 開水路流れの基礎方程式① 開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。
11週 開水路流れの基礎方程式② 開水路流れの基礎方程式について理解し,等流(平均流速公式,限界水深,等流水深)について説明できる。
12週 開水路不等流の方程式① 開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。
13週 開水路不等流の方程式② 開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。
14週 開水路不等流の方程式③ 開水路不等流の方程式について理解し,説明できる。
15週 一様水路における不等流と背水曲線① 一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。
16週 一様水路における不等流と背水曲線② 一様水路における不等流と背水曲線について理解し,説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。2
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3
水の基本的な性質について説明できる。3
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。2
静水圧の測定の方法(マノメーター) について説明できる。3
水圧機(パスカルの原理)について説明できる。3
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。3
浮力と浮体の安定を計算できる。3
連続の式について理解している。2
連続の式について説明できる。3
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。2
ベルヌーイの定理を理解している。2
ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。3
運動量保存則を理解している。2
運動量保存則の誘導について説明できる。3
運動量保存則の応用した各種計算ができる。3
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。3
各種の堰について理解している。2
比エネルギーおよび常流と射流について説明できる。3
限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)について説明できる。3
跳水現象について説明できる。3
層流と乱流について、説明できる。3
円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユの法則)を理解している。2
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。2
平均流速を用いた基礎方程式、摩擦抵抗による損失水頭の実用公式、ムーディ図について理解している。2
摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。3
管水路の摩擦以外の形状損失水頭について理解している。3
管水路の摩擦以外の損失係数について説明できる。3
各種の管路の流れの計算ができる。3
開水路流れの基礎方程式について理解している。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について説明できる。3
水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解している。3
開水路不等流の基礎方程式について理解している。3
開水路不等流の基礎方程式について説明できる。3
一様水路における不等流と背水曲線について理解している。3
一様水路における不等流と背水曲線について説明できる。3
情報処理電子メールの使用設定や使用方法を理解できる。3
ワードプロセッサソフウェアトによる文書の作成ができる。3
ワードプロセッサソフトウェアを利用し簡単な作画ができる。3
表計算ソフトウェアの基本的な使い方を理解している。3
表計算ソフトウェアにより基本的なグラフが作成できる。3
プレゼンテーションソフトウェアの基本的な使い方を理解している。3
プログラム言語の利用法について説明できる。3

評価割合

試験授業レポート小テスト合計
総合評価割合602020100
基礎的能力20101040
専門的能力40101060
分野横断的能力0000