化学IA

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学IA
科目番号 B1003 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「Professional Engineer Library 化学」(実教出版),参考書:「フォトサイエンス化学図録」(数研出版),「センサー総合化学」(啓林館)
担当教員 多田 佳織

到達目標

1. 原子,分子およびイオンの構造,化学結合の違いが分かる。
2. 物質量について理解・計算でき,また,化学反応式の組み立てからその量的関係まで理解し計算できる。
3. 酸・塩基を区別でき,pHの計算や中和反応による物質の変化について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子およびイオンの構造が理解でき,物質を化学結合の違いで分類し,特徴について説明できる。原子およびイオンについて理解でき,化学結合の違いが分かる。原子およびイオンの構造がわからず,物質を化学結合の違いで分類できない。
評価項目2物質量を他の物理量に換算でき,化学反応式から化学量論的な計算をすることができる。物質量を求める計算ができ,化学反応式を組み立てることが できる。物質量の計算ができず,化学反応式を組み立てることができない。
評価項目3酸・塩基の分類,pH や中和の関係式を用いた計算をすることができる。酸・塩基の分類ができ,中和について説明ができる。酸・塩基の分類ができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
我々の身の回りをよく見ると,化学が深く関係していることに気づく。化学Ⅰでは,まず,物質を構成する粒子(原子・分子・イオンなど)ついて基礎知識を身につけた上でいろいろな物質の変化について学び,物質に関する基本的な概念や法則を理解する。さらに,一連の学習を通して,物質と我々の生活との関係を化学的に考察力を身につける。
授業の進め方・方法:
授業は教科書及びプリントを主として進めていき,スライドを併用した講義とする。また,講義だけでなく演習を取り入れながら進めていく。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績75%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を25%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。また,学年末試験の成績には実力試験(CBT試験)の結果も加味する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。                                                    
【事前・事後学習】
事前学習として教科書の該当部分を読んで授業内容を把握しておく。また,事後学習として授業内で指示した課題は必ず提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
物質の探求
物質の種類:混合物と純物質さまざまな分離方法
授業の流れや注意事項(成績評価等)の説明する。
純物質と混合物の違いを理解し,混合物の分離方法について説明できる。
2週 物質の探求
物質の種類:元素,化合物と単体,化学式
物質を単体・純物質・混合物に分類することができる。また,単体と元素の違い,同素体について説明できる。
3週 物質の探求
物質の種類:元素,化合物と単体,化学式
物質を単体・純物質・混合物に分類することができる。また,単体と元素の違い,同素体について説明できる。
4週 物質の探求
物質の構成粒子:原子と分子,原子の構造,元素の周期表
原子の基本構造や同位体について理解し,説明できる。電子配置を記述することができ,価電子について説明できる。元素の周期表と周期律から元素の性質について理解する。
5週 物質の探求
物質の構成粒子:原子と分子,原子の構造,元素の周期表
原子の基本構造や同位体について理解し,説明できる。電子配置を記述することができ,価電子について説明できる。元素の周期表と周期律から元素の性質について理解する。
6週 物質の探求
物質の構成粒子:元素の周期表 
物質と化学結合
イオン:イオンの生成,イオンの表し方,イオン化エネルギーと電子親和力
イオンの生成について理解し,陽イオンと陰イオンについて説明できる。代表的なイオンを化学式で表すことができる。
7週 物質の探求
物質の構成粒子:元素の周期表 
物質と化学結合
イオン:イオンの生成,イオンの表し方,イオン化エネルギーと電子親和力
イオンの生成について理解し,陽イオンと陰イオンについて説明できる。代表的なイオンを化学式で表すことができる。イオン化エネルギーと電子親和力について説明できる。
8週 物質と化学結合
イオン結合:イオン性物質,イオン結合,イオン性結晶
イオン結合について説明ができる。また、組成式とその名称を記述できる。
2ndQ
9週 物質と化学結合
イオン結合:イオン性物質,イオン結合,イオン性結晶
イオン結合について説明ができる。また、組成式とその名称を記述できる。イオン結合性物質が説明できる。
10週 物質と化学結合              
共有結合:共有結合,分子の極性,共有結合性結晶と分子結晶の性質
共有結合について理解し,説明できる構造式や電子式を記述できる。
11週 物質と化学結合
共有結合:共有結合,分子の極性,共有結合性結晶と分子結晶の性質
共有結合について理解し,説明できる構造式や電子式を記述できる。共有結合性結晶と分子結晶の物理的な特徴を説明できる。金属結合について理解し,説明できる。
12週 物質量と化学反応式
原子量・分子量・式量:原子の相対質量とその求め方,原子量・分子量・式量とその求め方
原子の相対質量について理解し,原子量・分子量・式量を求めることができる。
13週 物質量と化学反応式
物質量:物質量とアボガドロ定数,物質量とその質量の関係,物質量と気体の体積との関係
物質量(mol)について理解し,計算することができる。物質量と他の物理量との関係を理解し,換算ができる。
14週 物質量と化学反応式
物質量:物質量とアボガドロ定数,物質量とその質量の関係,物質量と気体の体積との関係
物質量(mol)について理解し,計算することができる。物質量と他の物理量との関係を理解し,換算ができる。
15週 物質量と化学反応式
物質量:物質量とアボガドロ定数,物質量とその質量の関係,物質量と気体の体積との関係
物質量(mol)について理解し,計算することができる。物質量と他の物理量との関係を理解し,換算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 物質量と化学反応式
化学反応式と物質量:化学反応式とその書き方,イオン反応とその書き方
化学反応式を組み立てることができる。
2週 物質量と化学反応式
化学反応式と物質量:化学反応式が表す量的関係
化学反応式の量的関係・関連する法則を記述することができる。
3週 物質量と化学反応式
化学反応式と物質量:化学反応式が表す量的関係
化学反応式の量的関係・関連する法則を記述することができる。
4週 物質量と化学反応式
化学反応式と物質量:化学反応式が表す量的関係
溶液:溶液の濃度
化学反応式の量的関係を記述することができる。質量パーセント濃度,モル濃度について理解し,計算できる。
5週 物質量と化学反応式
化学反応式と物質量:化学反応式が表す量的関係 
溶液:溶液の濃度
化学反応式の量的関係を記述することができる。質量パーセント濃度,モル濃度について理解し,計算できる。
6週 酸・塩基と中和
酸・塩基の定義と価数
酸・塩基の定義ができる(アレニウスの定義,ブレンステッド・ローリーの定義)。
7週 酸・塩基と中和
酸・塩基の強弱と電離度
電離度とは何か理解し,酸・塩基の強弱から分類をすることができる。
8週 酸・塩基と中和
酸・塩基の強弱と電離度
電離度とは何か理解し,酸・塩基の強弱から分類をすることができる。
4thQ
9週 酸・塩基と中和
pH
水の電離を理解し,水素イオン濃度および水酸化物イオン濃度の関係性を説明できる。
10週 酸・塩基と中和
pH
水素イオン濃度および水酸化物イオン濃度が計算でき,pHの計算ができる。
11週 酸・塩基と中和
pH
水素イオン濃度および水酸化物イオン濃度が計算でき,pHの計算ができる。
12週 酸・塩基と中和
中和および塩の水溶液の性質
中和とは何か説明ができる。
13週 酸・塩基と中和
中和および塩の水溶液の性質
中和滴定の操作および滴定曲線が理解できる。
14週 酸・塩基と中和
中和および塩の水溶液の性質
塩の分類、塩の水溶液の性質が理解ができる。
15週 酸・塩基と中和
中和および塩の水溶液の性質
塩の加水分解について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前1
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2,前3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2,前3
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2,前3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2,前3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前5,前6
同位体について説明できる。3前5,前6
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前5,前6
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前5
価電子の働きについて説明できる。3前5
原子のイオン化について説明できる。3前6,前7,前8,前9
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前6,前7,前8,前9
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前4,前5,前7,前8,前9
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前4,前5,前6
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前7,前8,前9
イオン結合について説明できる。3前8,前9
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前8,前9
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前8,前9
共有結合について説明できる。3前11
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前11
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前11
金属の性質を説明できる。3前11
原子の相対質量が説明できる。3前12
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前12
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前12
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前13,前14,前15,後1,後2,後3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後1,後2,後3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後1,後2,後3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3後6
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後1,後2,後4,後5
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後1,後2,後4,後5
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後6
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後6,後7,後8
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後7,後8
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後9,後10,後11
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後12,後13,後14,後15
中和滴定の計算ができる。3後13,後14,後15
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。2
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3

評価割合

試験小テスト課題レポートその他合計
総合評価割合7581043100
基礎的能力70794393
専門的能力000000
分野横断的能力511007