日本語表現基礎

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 日本語表現基礎
科目番号 B1011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 参考書:「課題研究メソッド」(啓林館)、「トータルサポート新国語便覧」(大修館書店) 問題集:「国語必携ライトパーフェクト演習 三訂版」(尚文出版)、「漢字検定準2級〔頻出度順〕問題集」(高橋書店)
担当教員 藤本 秀平

到達目標

1.アウトプット:思考した結果を他者に分かりやすく伝え、議論することができる。また、論理的に文章を構成し、適切な言葉を用いて自らの考えを説明できる。
①専門とする分野を含んで広く日本語を対象に、より高度な理解と柔軟な発想・思考を踏まえ、豊かな口頭表現を含む効果的なコミュニケーションを主体的に行える。
②論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
③文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。
④根拠にもとづいて議論し、新たな発想や他者の視点の理解に努め、集団としての思いや考えをまとめることができる。
⑤情報を収集して分析整理し、構成を工夫して報告・論文を作成し、口頭発表できる。
⑥専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。
2.インプット:言葉の知識(語句・漢字)を増やし、使い方(文法・修辞法)を学び、文章表現のなかで正しく使うことができる。
①常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。
②類義語・対義語を思考や表現に活用できる。
③社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。
④敬語表現や様々なジャンルの文章の表現方法に触れつつ、模倣することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1思考した内容を分かりやすい言葉で発信し、議論した内容を的確にまとめることができる。思考した内容を発信し、議論することができる。思考した内容を発信できず、議論することもできない。
評価項目2漢字、語句、文法、修辞を理解し、自らの文章表現のなかで積極的に使うことができる。漢字、語句、文法、修辞を理解し、文章表現のなかで正しく使うことができる。漢字、語句、文法、修辞の理解が十分でなく、文章表現のなかで正しく使うことができていない。

学科の到達目標項目との関係

(D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
①論理的文章や文学的文章、実用的文章などを正確に把握し、それをもとに思考した内容を自らの言葉で説明でき、他者の意見を踏まえた上で議論できるようになる。
②グループでプレゼンテーションの準備を行い、他者に伝わる効果的なプレゼンテーションを行うことができるようになる。
③語彙を増やし、言語感覚を磨くことによって、論理的思考力と豊かな感受性を身につける。
授業の進め方・方法:
①”考える”トレーニング、”伝える”トレーニングの場として国語の授業を展開する。
②テキストおよび配布物をもとにした問題発見・議論・発表などを相互に理解を深めるグループワーク形式にて実施する。補足事項を確認するための講義も適宜行う。
③グループワークによる問題演習やプレゼンテーショントレーニング、ビブリオバトルを並行して実施する。
④学問の領域を横断するような文章、産業と研究が交差する地点を紹介する教材などを使用するようにする。
*社会状況に応じて、遠隔授業の際は、GoogleClassroomを利用し、課題提出はGoogleFormsを利用することを原則とする。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
①試験の成績を60%、グループワークや発表の取組状況等(相互評価を含む)、平素の学習状況等(課題の提出・成果物・小テスト等)を40%の割合で総合的に評価する。
②技術者が身につけるべき専門基礎として、モデルコアカリキュラムに準拠した「到達目標」の達成度を評価する。 
③通年科目における学年末の評価は、前学期中間、前学期末、後学期中間の各期間の評価の平均とする。
【事前・事後学習】
①試験毎に範囲が定められた「漢字検定準2級〔頻出度順〕問題集」を各自で進めること。
②グループワークの際のアイデア出し、資料調査・作成作業等は授業外でもグループで調整して実施すること。
【履修上の注意】
①通年90分×1コマ/週で授業を実施する。
②インターネット上で必要な情報を得る際には情報を受信する側としてのリテラシーを持ち、googledrive上でのデータ共有時にはセキュリティに十分に気を付けること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入:授業方法、シラバス等の確認、クラスルームの使い方を学ぶ
授業の年間計画を理解し、何を学ぶか理解することができる
クラスルームとGoogleフォームの使い方を使うことができる
2週 メールの書き方 メールの書式を理解し、適切なメールを送ることができる
3週 コミュニケーショントレーニング①
(1)自分を知ろう
自己を分析した結果を、他者とのコミュニケーションに取り入れることができる
4週 コミュニケーショントレーニング②
(2)自分を紹介するコツ
自己を”話す”/”書く”ことを通じて、他者とのコミュニケーションを円滑に行う準備ができる
5週 名文と名スピーチを噛む 歴史的な名文・名スピーチに触れつつ、他者や聞き手に響く言葉とそのしくみや修辞について分析することができる
6週 文章の読み方トレーニング① 文章や随筆、詩を読む際に注目すべき点を発見することができる
7週 文章の読み方トレーニング② 文章や随筆、詩を読む際、正確な理解のために情報を整理することができる
8週 前期中間試験 適切な文章表現を行うための語彙と文法を正確に用いることができる
2ndQ
9週 図書館オリエンテーリングとビブリオバトルの説明、本の選定 図書館の使い方を学び、実際に図書館で資料を探すことができる
ビブリオバトルのルールについて説明することができる
ビブリオバトルの概要を把握し、必要な本を選定することができる
10週 ビブリオバトルで使う本の読み込み
ビブリオバトルの原稿をつくる
ビブリオバトルの実践
ビブリオバトルで使う本を読み込み分析することができる
自らが伝えたい内容をまとめることができる
自らの考えを論理的に説明することができる
11週 文章の書き方トレーニング① 文章を書く際の基本的なルールを確認する
12週 文章の書き方トレーニング② 文章を書くための「型」を学び、その「型」を適切に使うことができる
13週 文章の書き方トレーニング③ 伝えたい主張に説得力を持たせるための理由を適切に挙げることができる
14週 地域に関わる文学に触れる 寺田寅彦の思想と文体を知り、その特徴について大まかに説明することができる
15週 敬語の使い方トレーニング
口語・文語における敬語表現の基礎的な用法を理解でき、使用することができる
16週
後期
3rdQ
1週 ビジネス文書と広告文を理解する ビジネス文書の基本的な書き方を習得する
広告文の特徴について理解し、作成する
2週 プレゼンテーショントレーニング①:ブレインストーミング・マインドマップに挑戦する プレゼンテーションを行うために必要な知識やテクニックについて学び実践することができる。
3週 プレゼンテーショントレーニング②:プレゼンテーションの構造 プレゼンテーションを行うために必要な知識やテクニックについて学び実践することができる。
4週 文章理解①:論理的文章の構成を理解して読み、論旨を掴む 論旨をグループでまとめ、他者にわかりやすく伝えることができる
5週 文章理解②:論理的文章の構成を理解して読み、論旨を掴む 主張の裏付けとなる理由を挙げ、さらにその理由を展開し、深めることができる
6週 文章読解①:情景や心情を表現に即して読み取り、自らの言葉で表現することが出来る 何が表現された作品なのかを適切に理解し、自らの意見を適切な形で表現する実践に取り組む
7週 文章読解②:他者の読解を理解し、その読解に対する意見を述べることができる 他者の読解について適切に理解し、根拠をもって評価することができる
8週 後期中間試験 適切な文章表現を行うための語彙と文法を正確に用いることができる
4thQ
9週 ディベート実践①:ディベートの基礎知識について学ぶ ディベートのルールや実施方法について説明することができる
10週 ディベート実践②:調査シート作成 主張の裏付けとなる理由を挙げ、その理由の根拠となる資料を探すことができる
11週 ディベート実践③:調査シートまとめ 自らの立場を明確にし、主張を支えるデータ等を調査し、まとめることができる
12週 ディベート実践④:論理の組み立て 集めたデータ等で主張を補強しながら、論理的かつ説得力のある説明を行う準備ができる
13週 ディベート実践⑤:実践と相互評価 テーマに沿って自らの読書体験を効果的にスピーチし、質疑応答することができる
他者の意見や論理を正確に理解し、尊重しつつ評価することができる
14週 レポートの書き方トレーニング レポートの基本的な書き方を習得する
15週 今年度の授業の総まとめ レポート形式で、本年度の学習の成果について自ら確認し、獲得した能力や技術について振り返り評価することができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前5,前11,前12,前13,後4,後5,後9
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前5,前8,前11,前12,前13,後7,後10
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前6,前7,前8,前9,前10,前14,後6,後7,後8,後9,後10
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前2,前5,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後4,後5,後14,後15
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前8,前11,前12,前13,後1,後5,後8,後14,後15
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前2,前5,前6,前7,前8,前11,前14,後1,後8,後15
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前1,前6,前7,前8,前9,前14,後6,後7,後8
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前1,前2,前5,前8,前15,後1,後8,後14,後15
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前9,前10,前12,後1,後2,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後14,後15
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後8,後10,後11,後12,後15
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前5,前10,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後14,後15
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前4,前5,前10,前13,後3,後4,後5,後7,後12,後13,後15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前4,前10,前13,後1,後3,後4,後5,後7,後12,後13,後15
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前4,前10,前13,後1,後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13,後15
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後13,後15
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前2,前7,前10,前14,後1,後2,後3,後6,後7,後14,後15
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。2前1,前3,前4,前8,前9,前10,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後15

評価割合

試験発表相互評価提出物・小テスト等合計
総合評価割合60101020100
基礎的能力505102085
専門的能力550010
分野横断的能力50005