日本語表現

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 日本語表現
科目番号 B2005 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ▼1年で購入したものを継続して使用
『国語必携ライトパーフェクト演習 三訂版』(尚文出版)
『漢字検定準2級〔頻出度順〕問題集」』(高橋書店)
▼授業毎で配布
「速読+要約 ダブルワークス」(尚文出版)
担当教員 翁長 志保子

到達目標

1.アウトプット:思考した結果を他者に分かりやすく伝え、議論することができる。また、論理的に文章を構成し、適切な言葉を用いて自らの考えを説明できる。
①専門とする分野を含んで広く日本語を対象に、より高度な理解と柔軟な発想・思考を踏まえ、豊かな口頭表現を含む効果的なコミュニケーションを主体的に行える。
②論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
③根拠にもとづいて議論し、新たな発想や他者の視点の理解に努め、集団としての思いや考えをまとめることができる。
④情報を収集して分析整理し、構成を工夫して報告・論文を作成し、口頭発表できる。
⑤専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。

2.インプット:言葉の知識(語句・漢字を理解する)を増やし、文章表現のなかで正しく使うことができる。
①常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。
②類義語・対義語を思考や表現に活用できる。
③社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1思考した内容を分かりやすい言葉で発信し、議論した内容を的確にまとめることができる。思考した内容を発信し、議論することができる。思考した内容を発信できず、議論することもできない。
評価項目2文章の主題を適切にとらえて読み、その内容を踏まえた議論をすることができる文章を読み、その内容を踏まえた議論をすることができる文章を適切に読むことができず、その内容を踏まえた議論をすることもできない
評価項目3漢字、語句を理解し、自らの文章表現のなかで積極的に使うことができる。漢字、語句を理解し、文章表現のなかで正しく使うことができる。漢字、語句の理解が十分でなく、文章表現のなかで正しく使うことができていない。

学科の到達目標項目との関係

(A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
①文章を論理的に把握し、それをもとに思考した内容を自らの言葉で説明でき、他者の意見を踏まえた上で議論できるようになる。
②グループでプレゼンテーションの準備を行い、他者に伝わる効果的なプレゼンテーションを行うことができるようになる。
③語彙を増やし、言語感覚を磨くことによって、論理的思考力と豊かな感受性を身につける。
授業の進め方・方法:
①”考える”トレーニング、”伝える”トレーニングの場として日本語表現の授業を展開する。
②テキストおよび配布物をもとにした問題発見・議論・発表などを相互に理解を深めるグループワーク形式にて実施する。補足事項を確認するための講義も適宜行う。
③グループワークによる問題演習やプレゼンテーショントレーニングを並行して実施する。
④授業実施にあたっては、GoogleClassroomを通じた課題等も課す。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
①試験の成績を60%、グループワークや発表の取組状況等(相互評価を含む)、平素の学習状況等(課題の提出・成果物・小テスト等)を40%の割合で総合的に評価する。
②技術者が身につけるべき専門基礎として、モデルコアカリキュラムに準拠した「到達目標」の達成度を評価する。
③通年科目における学年末の評価は、前学期中間、前学期末、後学期中間の各期間の評価の平均とする。
【事前・事後学習】
①試験毎に範囲が定められた「漢字検定準2級〔頻出度順〕問題集」を各自で進めること。
②グループワークの際のアイデア出し、資料調査・作成作業等は授業外でもグループで調整して実施すること。
【履修上の注意】
①通年90分×1コマ/週で授業を実施する。
②インターネット上で必要な情報を得る際には情報を受信する側としてのリテラシーを持ち、セキュリティに十分に気を付けること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション:授業の目的、シラバスの確認
積極的傾聴法の活用、アイスブレイク
授業の年間計画を理解し、何を学ぶか理解することができる 
”聴く”技術を身に付け、要点を整理しながら話を”聴く”ことができる
2週 ディスカッションの基礎① 「読解」と「解釈」の違いを知る
説得力のある主張をするための基礎を理解し、説明することができる
3週 ディスカッションの基礎② 森鴎外「高瀬舟」をテーマに、主張を支える根拠を提示し、段階的に主張する方法について説明することができる
4週 敬語①
日本語表現の試験について
基礎的な敬語表現を日常会話に取り入れることができる
日本語表現の試験の注意事項を適切に理解する
5週 敬語② 基礎的な敬語表現を理解し、適切に用いることができる
6週 敬語③ 過剰な敬語表現について学び、誤りを指摘することができる
7週 文章題を解く練習①
ビブリオバトルの説明
文章題を適切に読解し、解くためのコツについて学び、実践する
ビブリオバトルについての説明と本の選出を行う
8週 前期中間試験 適切な文章表現を行うための語彙力の向上を確認する
SPI試験に準じた問題に適切に解答できる
2ndQ
9週 試験返却
土佐日記①
『土佐日記』を読み、基礎的な知識を理解することができる
『土佐日記』を読み、実際の地理で把握することができる
10週 地域の文学を知る②:『土佐日記』探訪 『土佐日記』を読み、基礎的な知識を理解することができる
『土佐日記』を読み、実際の地理で把握することができる
11週 地域の文学を知る③:『土佐日記』探訪 『土佐日記』を読み、実際の地理で把握することができる
『土佐日記』を使ったプレゼンテーションツールを作成する
12週 地域の文学を知る④:『土佐日記』探訪
『土佐日記』を使ったプレゼンテーションツールを作成する
13週 ビブリオバトル
SPIについて理解する
テーマに沿った本を選び、その本の魅力をプレゼンテーションすることができる
SPI試験の特徴について理解する
14週 文章題を解く練習② 文章題を適切に読解し、解くためのコツについて学び、実践する
15週 地域の文学を知る⑤:『土佐日記』探訪 作成したプレゼンテーションツールの自己評価・相互評価の両方に取り組む
16週
後期
3rdQ
1週 魅力をPRする方法を知る:POPを作ってみる 本の魅力を伝えるためのPOPを作るための知識について学ぶ
実際にPOPを作成し、学内コンクールへ応募する
2週 文章を書く①:文と文章の違い、文を書くポイント
文末表現、助詞・接続助詞に注意しながら、話し言葉を適切な書き言葉に改めることができる
3週 文章を書く②:文章の構成を学ぶ(序論、結論)
文章を書く③:文章の構成を学ぶ(本論)
序論と結論の書き方のパターンを用いながら、テーマに沿って文章の序論と結論を書き、校正することができる
反論容認型、事例考察型、重点先行型の本論の書き方について理解し、書くことができる
4週 ビブリオバトル テーマに沿った本を選び、その本の魅力をプレゼンテーションすることができる
5週 文章を書く④:自己評価・相互評価
文学を読む①:志賀直哉「小僧の神様」
反論容認型、事例考察型、重点先行型の本論の書き方について理解し、指示された型に当てはめて論理的文章の本論部分を書き、校正することができる
志賀直哉「小僧の神様」を読み、その内容を適切に理解する
物語を読むこと基礎的な知識を身につける
6週 文学を読む②:志賀直哉「小僧の神様」 志賀直哉「小僧の神様」を読み、その内容を適切に理解する
物語を読むことの面白さを味わう
7週 文学を読む③:志賀直哉「小僧の神様」 志賀直哉「小僧の神様」を読み、その内容を適切に理解する
物語を読むことの面白さを味わう
8週 後期中間試験 適切な文章表現を行うための語彙力の向上を確認する
SPI試験に準じた問題に適切に解答できる
4thQ
9週 試験返却
小論文に挑戦する①:下準備編
「文章を添削・校正する」で学んだ知識と小論文を書くステップを踏まえながら、提示されたテーマに沿って情報を集めることができる
10週 小論文に挑戦する②:実践編
調査した内容にそって小論文の題に沿った文章をまとめることができる
文章をまとめる際に、三段構成などの適切な文章の型を用いて書くことができる
11週 小論文に挑戦する③:添削・校正のテクニック編 陳述の副詞・主述の対応関係・あいまい文に関する知識を学び、実際に活用することができる
12週 小論文に挑戦する④:自己評価・他己評価編
自分や他者の書いた文章を、添削・校正のチェックポイントに従って添削し、校正することができる
13週 映像を解釈する①:「霧のなかのハリネズミ」
ユーリ・ノルシュテイン監督作「霧のなかのハリネズミ」の動画を見て、「読解」と「解釈」の違いについて学ぶ
「読解」の一環として、描かれている内容を言語化する
14週 映像を解釈する②:「霧のなかのハリネズミ」
「霧のなかのハリネズミ」を解釈することを通して、作品のもつ多様な魅力について知る
15週 映像を解釈する③:「霧のなかのハリネズミ」
それぞれが考える解釈をもとに、グループで作品の続きを考えることで、作品の持つ可能性について考える
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前7,前8,前14,後8,後9,後10,後11,後12
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3後1,後8,後9,後10,後11,後12
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前3,前9,前10,前11,前12,前15,後6,後7,後13,後14,後15
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前4,前5,前6,前8,後1,後2,後3,後5,後8,後9,後10,後11,後12
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前4,前5,前6,前8,後2,後3,後5,後8,後9,後10,後11,後12
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前4,前5,前6,前8,後2,後3,後5,後8,後9,後10,後11,後12
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前8,後8,後9,後10,後11,後12
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前4,前5,前6,後2,後5
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前11,前12,前15,後1,後3,後9,後10,後11,後12,後14
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前11,前12,前15,後1,後3,後5,後9,後10,後11,後12,後13,後15
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前11,前12,前15,後1,後2,後3,後5,後7,後9,後10,後11,後12
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前13,後4,後5,後6,後7,後9,後13,後14,後15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前2,前3,後3,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前2,前3,後2,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前1,前2,前3,後2,後3,後5,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価提出物・小テスト等合計
総合評価割合60151015100
基礎的能力5010101585
専門的能力550010
分野横断的能力50005