デザイン工学演習II

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 デザイン工学演習II
科目番号 B2016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材
担当教員 山崎 利文,芝 治也,谷本 壮,奥村 勇人,中山 信,長山 和史,大角 理人,池田 雄一,中田 祐樹,岡村 修司,岩崎 洋平,白井 智彦,脇田 翔平

到達目標

1.工学についての基礎的原理や現象を実験・実習を通じて理解できる。
2.工作機械,測量機器,実験装置や測定器の操作,及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ,実験を行うことができる。
3.実習ノートの記述,及び実験レポートの作成の方法を理解し,実践できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工学についての基礎的原理や現象を実験・実習を通じて理解し,それを適用できる。工学についての基礎的原理や現象を実験・実習を通じて理解できる。工学についての基礎的原理や現象を実験・実習を通じて理解できない。
評価項目2工作機械,測量機器,実験装置や測定器の操作,及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ,安全に実験を行うことができる。 工作機械,測量機器,実験装置や測定器の操作,及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ,実験を行うことができる。工作機械,測量機器,実験装置や測定器の操作,及び実験器具・試薬・材料の取扱いができない。
評価項目3実習ノートの記述,及び実験レポートの作成の方法を理解し,それを応用できる。実習ノートの記述,及び実験レポートの作成の方法を理解し,実践できる。実習ノートの記述,及び実験レポートの作成の方法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
1年次のデザイン工学演習Ⅰに引き続き,各コース分野における基礎実験と工作実習を行う。また,実験・実習の内容をレポートまたはノートにまとめて提出することで計画的・継続的な自己学習の習慣を養う。
授業の進め方・方法:
各クラス7名ずつで班(6班,各班26名程度)を作る。各班5週でローテーションを行う。各時間それぞれの集合場所に集合して点呼をとる。
テーマの詳細は授業計画を参照。
注意点:
全てのレポート,ノート,または作品が提出されており,レポート,ノート,作品を80%および平素の学習状況等(実験,実習への取り組みの状況)を20%の割合で成績を評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する到達度を作品の完成度と実験・実習への取り組み,およびプレゼンテーション,レポートまたはノートで評価する。ただし,必要数の提出物が提出されない場合には単位を認めない。また,理由のない提出遅れは減点対象とする。本科目は定期試験は実施しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 工作実習:①鋳造(砂型手込めの基本) 砂型手込めの基本について理解し,実施できる。
2週 工作実習:①鋳造(溶解鋳込作業),②アーク溶接(安全作業の注意とアーク発生) 安全に鋳込み作業ができる。
安全作業の注意点を理解し、アーク発生ができる。
3週 工作実習:②アーク溶接(突き合わせ溶接) 突き合わせ溶接ができる。
4週 工作実習:③機械加工(やすりがけ、けがき、穴あけおよびタップ&ダイス作業) ボール盤の操作方法を理解するとともに、鋼板へ図面で指示された穴あけができる。タップとダイスを使ってねじの製作ができる。
5週 工作実習:④測定(測定器具の取扱いと試料測定)測定,けがきの基本作業) スケール、ノギス、マイクロメーターを扱うことができる。
6週 ロボティクスコース基礎演習および実験:4足歩行ロボットの製作① ギヤボックスを組み立てることができる。メカトロニクスの構成要素、リンク・クランク機構が理解できる。
7週 ロボティクスコース基礎演習および実験:4足歩行ロボットの製作② 4足歩行ロボットを組み立てて、歩行させることが出来る。減速比の効果、歩行ロボットの特徴を理解できる。
8週 ロボティクスコース基礎演習および実験:ロボットの分解と各種部品の仕分け。 ロボットを分解することが出来る。ギヤボックス部品・4足歩行部品・電気素子の部品チェックができる。
2ndQ
9週 ロボティクスコース基礎演習および実験:4軸ロボットアームの製作① 4軸ロボットアームを組み立て、並行リンク機構を理解できる。ロボットを分解することが出来る。
10週 ロボティクスコース基礎演習および実験:4軸ロボットアームの製作② ロボットアームの動作計画を立て、与えられた動作を実行できる。
11週 エネルギー・環境コース基礎演習および実験:抵抗の合成と電気計測 ① 抵抗器の直列や並列接続による合成抵抗値を測定できる。計算結果と比較できる。
12週 エネルギー・環境コース基礎演習および実験:抵抗の合成と電気計測 ② 複数の抵抗器をはんだ付けして回路を製作できる。回路の電流・電圧値を計測できる。
13週 エネルギー・環境コース基礎演習および実験:太陽電池の特性測定 太陽電池の基本特性であるV-I特性が計測できる。この結果から他の特性を算出できる。
14週 エネルギー・環境コース基礎演習および実験:紙コップと磁石でスピーカー作成① オシロスコープと発振器が操作できる。簡易なスピーカー装置が作成できる。
15週 エネルギー・環境コース基礎演習および実験:紙コップと磁石でスピーカー作成② 形状パラメータを種々に変えたスピーカーが作成できる。音圧を元にした特性考察ができる。
16週 (本科目は定期試験を実施しない) (本科目は定期試験を実施しない)
後期
3rdQ
1週 まちづくり・防災コース基礎演習および実験:木質構造の在来組構法のしくみ、名称、各部材の働きを理解し、在来軸組模型作成-1。 模型を作成しながら、在来軸組構法の名称を知る。各部材の働きを理解できる。
2週 まちづくり・防災コース基礎演習および実験:木質構造の地震被害を理解する。地震時の軸組の働きを理解する。在来軸組模型作成-2。 地震時の軸組の働きを理解できる。
3週 まちづくり・防災コース基礎演習および実験:作成した在来組構法の振動実験。平成28年熊本地震の強震動入力、2011年東北地方太平洋沖地震の強震動を入力した在来軸組構法の振動台実験の実施。 内陸直下型地震の強震動、プレート境界型地震の強震動のタイプの違う強震動に対する在来組構法模型の揺れ方、壊れ方を知る。
4週 まちづくり・防災コース基礎演習および実験:測量業務の内容。測量の基準。誤差の性質と処理を説明し、測量機器の紹介と基本練習を行う。 測量業務・測量法・測量の基準を理解している。
5週 まちづくり・防災コース基礎演習および実験:トータルステーションを利用した距離・高低差・角測量と三角関数の正弦定理・余弦定理の活用。 トータルステーションを(据え付け・測定)操作し、角度、距離、高低差を測ることができる。
6週 新素材・生命コース基礎演習および実験:pH指示薬・蛍光色素の合成 初歩的な有機合成の方法を理解し,実施できる。
7週 新素材・生命コース基礎演習および実験:植物からの光合成色素の抽出 有機溶媒を用いることで植物からの光合成色素の抽出を理解し,実施できる。
8週 新素材・生命コース基礎演習および実験:植物からの光合成色素の分離 TLCを用いることで植物からの光合成色素の分離を理解し,実施できる。
4thQ
9週 新素材・生命コース基礎演習および実験:HClとNaOHを用いた中和滴定 2つのph指示薬を用いて、HClとNaOHを用いた中和滴定を理解し,実施できる。
10週 新素材・生命コース基礎演習および実験:有機溶媒の蒸留 蒸留の仕組みを理解し,実際に蒸留装置の組み立てと蒸留を実施できる.
11週 情報セキュリティコース基礎演習:CUI(Windows)演習 OSの違い(WindowsとLinux)について理解し、Windowsの基本的なコマンド操作ができる。
12週 情報セキュリティコース基礎演習:ネットワークコマンド演習 OSの違い(WindowsとLinux)について理解し、Linuxの基本的なネットワークコマンド操作ができる。
13週 情報セキュリティコース基礎演習:情報セキュリティ演習Ⅰ パスワード認証について理解し、パスワードに関する情報セキュリティインシデントについて説明できる。
14週 情報セキュリティコース基礎演習:情報セキュリティ演習Ⅱ 暗号の基礎的な考え方および情報社会においてどのように使われているかを理解し、説明できる。
15週 情報セキュリティコース基礎演習:情報セキュリティ演習Ⅲ マルウェア被害について理解し、その対処方法を説明できる。
16週 (本科目は定期試験を実施しない) (本科目は定期試験を実施しない)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。2
安全を確保して、実験を行うことができる。2
実験報告書を決められた形式で作成できる。2
有効数字を考慮して、データを集計することができる。2
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。1
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2
測定と測定値の取り扱いができる。2
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。2
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。1
ガラス器具の取り扱いができる。2
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。2
試薬の調製ができる。1
代表的な気体発生の実験ができる。2
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4
鋳物の欠陥について説明できる。4
溶接法を分類できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4
やすりを用いて平面仕上げができる。4
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。4
アーク溶接の基本作業ができる。4

評価割合

レポート・課題実験・実習への取り組みの状況合計
総合評価割合8020100
基礎的能力602080
専門的能力20020