微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 B3007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新版 微分積分Ⅱ」(実教出版) 参考書:「新版 微分積分Ⅱ演習」(実教出版)
担当教員 川村 昌也

到達目標

【到達目標】
1.媒介変数・極座標で表された関数について,導関数を求めることができる。 
2.ロピタルの定理を用いて,不定形の極限値を求めることができる。 
3.基本的な初等関数のマクローリン展開を求めることができる。 
4.定積分の定義を理解している。
5.少し複雑な関数の不定積分を求めることができる。  
6.媒介変数や極座標で表されるの図形の面積計算,曲線の長さを求めることができる。 
7.広義積分の計算ができる。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1媒介変数・極座標で表されたさまざまな関数について,導関数を求めることができる。媒介変数・極座標で表された基本的な関数について,導関数を求めることができる。媒介変数・極座標で表された基本的な関数について,導関数を求めることができない。
評価項目2ロピタルの定理を用いて,さまざまな不定形の極限値を求めることができる。 ロピタルの定理を用いて,基本的な不定形の極限値を求めることができる。 ロピタルの定理を用いて,基本的な不定形の極限値を求めることができない。 
評価項目3さまざまな関数のべき級数展開を求めることができる。基本的な関数のべき級数展開を求めることができる。基本的な関数のべき級数展開を求めることができない。
評価項目4定積分の定義を十分理解している。定積分の定義を理解している。定積分の定義を理解していない。
評価項目5やや難しい定積分の計算,媒介変数・極座標表示の図形の面積・体積,または曲線の長さを計算できる。基本的な定積分の計算,媒介変数・極座標表示の図形の面積・体積,または曲線の長さを計算できる。基本的な定積分の計算,媒介変数・極座標表示の図形の面積・体積,または曲線の長さを計算できない。
評価項目6やや難しい広義積分の計算ができる。基本的な広義積分の計算ができる。基本的な広義積分の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
媒介変数・極座標表示による関数,陰関数の微分法を学んだ後,不定形の極限値,べき級数展開,色々な不定積分と定積分の応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
媒介変数・極座標表示による関数,陰関数の微分法,不定形の極限値,べき級数展開,色々な不定積分と定積分の応用について講義し,基本的な問題について演習を行う。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 媒介変数表示の関数 媒介変数を用いて表された基本的な関数を表せる。
2週 媒介変数表示の微分法 媒介変数を用いて表された基本的な関数の導関数を求めることができる。
3週 極座標表示の関数 極座標表示を用いて表された基本的な関数を表せる。
4週 極座標表示の関数の微分 極座標表示を用いて表された基本的な関数の導関数を求めることができる。
5週 陰関数 陰関数を理解し,陰関数の導関数を求めることができる。
6週 まとめと練習 既習事項について,基本的な問題が解ける。
7週 連続関数の性質、中間値の定理、 連続性と微分可能性の関係性を理解する。中間値の定理を理解する。
8週 Weierstrassの最大値定理、Rolleの定理 Weierstrassの最大値定理を理解する。Rolleの定理を理解し、与えられた簡単な関数について定理が成り立つことを確かめられる。
2ndQ
9週 平均値の定理 平均値の定理を理解し,基本的な不定形の極限値を求めることができる。
10週 不定形の極限値 Cauchyの平均値の定理の証明を理解する。l'Hospitalの定理を用いて,不定形の極限値を求めることができる。 
11週 1次、2次近似式 簡単な関数の近似式を用いて近似値が求められる。
12週 Taylorの定理、Maclaurinの定理 Rolleの定理からの到達点としてLagrangeの剰余項を持つ場合のTaylorの定理をCauchyの平均値の定理を用いて示すことができる。
13週 極値の判定 簡単な関数の極値が求められる。またグラフの凹凸が調べられる。
14週 Taylor展開、Maclaurin展開 基本的な関数のTaylor展開、Maclaurin展開を求めることができる。Taylorの定理とTaylor展開可能性定理の違いを理解し区別ができる。
15週 まとめと練習 既習事項について,基本的な問題が解ける。
16週
後期
3rdQ
1週 Riemann積分の定義 Riemann積分の定義を理解し、Riemann積分の欠点を考察できる。また、Riemann積分可能性の条件を理解する。
2週 Riemann積分の性質、積分の平均値の定理 Riemann積分の性質と中間値の定理から積分の平均値の定理を示すことができる。
3週 微積分の基本定理 積分の平均値の定理により微積分の基本定理を示すことができ、微分と積分が互いに逆の演算になっていることを理解する。
4週 有理関数の不定積分 実係数の範囲内で、有理関数が多項式と分子が高々1次式の分数関数の和に書けることを理解し、部分分数展開を用いて有理関数の不定積分が求められる。
5週 三角関数の有理式の不定積分 変数変換を用いて三角関数の有理式の不定積分が求められる。
6週 無理関数の不定積分 変数変換によって有理関数の不定積分に帰着できる方法を理解し、無理関数の不定積分が求められる。
7週 まとめと練習 既習事項について,基本的な問題が解ける
8週 媒介変数表示、極座標表示の図形の面積 媒介変数、極座標表示を用いて表される曲線で囲まれる図形の面積が計算できる。
4thQ
9週 直交座標による曲線の長さ 直交座標による曲線の長さが計算できる。
10週 媒介変数表示、極座標表示の曲線の長さ 媒介変数表示、極座標表示の曲線の長さが計算できる。
11週 断面積が与えられた立体の体積、回転体の体積 断面積が与えられた立体の体積、回転体の体積が計算できる。
12週 媒介変数表示の回転体の体積 媒介変数を用いて表される曲線の回転体の体積が計算できる。
13週 有限区間における広義積分 有限区間における広義積分が計算できる。
14週 無限区間における広義積分 無限区間における広義積分が計算できる。
15週 まとめと練習 既習事項について,基本的な問題が解ける
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前10
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3前13,前15
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前1,前2,前6
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後1,後2,後3,後7
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後4,後7
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後3,後4,後7
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後5,後6,後7
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3後8,後15
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3後9,後10,後15
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3後11,後12,後15
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前11
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前12,前14
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前14,前15

評価割合

試験課題・小テスト・レポート等合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100