微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 B3007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新 微分積分Ⅰ」「新 微分積分Ⅱ」(大日本図書)参考書:「新 微分積分Ⅰ問題集」「新 微分積分Ⅰ問題集」(大日本図書)
担当教員 市木 一平,八木 潤

到達目標

【到達目標】
1.直交座標による図形の面積,曲線の長さ,立体の体積を定積分で求めることができる。
2.媒介変数表示による図形や極座標による図形の面積,曲線の長さを求めることができる。
3.広義積分の計算ができる。
4.1変数関数の局所的な1次または2次近似式を求めることができる。
5.不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ,その和を求めることができる。 
6.基本的な初等関数のMaclaurin展開を求めることができる。 
7.オイラーの公式を用いて,複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。
8.偏微分の計算ができる。
9.重積分の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1やや難しい定積分の計算,媒介変数・極座標表示の図形の面積・体積,または曲線の長さを計算できる。基本的な定積分の計算,媒介変数・極座標表示の図形の面積・体積,または曲線の長さを計算できる。基本的な定積分の計算,媒介変数・極座標表示の図形の面積・体積,または曲線の長さを計算できない。
評価項目2やや難しい広義積分の計算ができる。基本的な広義積分の計算ができる。基本的な広義積分の計算ができない。
評価項目31変数関数の局所的な1次または2次近似式を常時求めることができる。1変数関数の局所的な1次または2次近似式を求めることができる。1変数関数の局所的な1次または2次近似式を求めることができない。
評価項目4さまざまな不定形の極限値を求めることができる。また無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ,その和を常時求めることができる。基本的な不定形の極限値を求めることができる。また無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ,その和を求めることができる。基本的な不定形の極限値を求めることができない。また無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ,その和を求めることができない。
評価項目5さまざまな関数のべき級数展開を求めることができる。基本的な関数のべき級数展開を求めることができる。基本的な関数のべき級数展開を求めることができない。
評価項目6オイラーの公式を用いて,複素数変数の指数関数の簡単な計算が常時できる。オイラーの公式を用いて,複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。オイラーの公式を用いて,複素数変数の指数関数の簡単な計算ができない。
評価項目7やや難しい偏微分の計算ができる。基本的な偏微分の計算ができる。基本的な偏微分の計算ができない。
評価項目8やや難しい重積分の計算ができる。基本的な重積分の計算ができる。基本的な重積分の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
定積分の応用,媒介変数・極座標表示による関数,広義積分,1変数関数の局所的な1次または2次近似式,不定形を含むいろいろな数列の極限,無限等比級数等の収束・発散とその和,べき級数展開(Taylor展開,Maclaurin展開),オイラーの公式について学ぶ。偏微分、重積分の計算方法を学習する。
授業の進め方・方法:
・2年生で学習した微分法・積分法の復習を行う。
・定積分の応用,媒介変数・極座標表示による関数,広義積分,1変数関数の局所的な1次または2次近似式,不定形を含むいろいろな数列の極限,無限等比級数等の収束・発散とその和,べき級数展開(Taylor展開,Maclaurin展開),オイラーの公式について講義し,基本的な問題について演習を行う。
・4年生で必要な偏微分・重積分の計算方法を講義し,基本的な問題について演習を行う。
・前年度までのCBT結果を活用し、特に習熟度が低いと考えられる学習内容については、講義や演習の時間を増やすなどの取り組みを行う。
注意点:
[成績評価の基準・方法]
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
[事前・事後学習]
事前学習として教科書の該当部分(事前に説明)を読んだうえで授業に臨む。また事後学習として授業内で指示した課題を提出する。その課題とした演習問題については,周りの学生と議論したりし,自分なりの解答を提出する。
[履修上の注意]
この科目を履修するにあたり,1年生の基礎数学Ⅰ・Ⅱ,2年生の微分積分Ⅰの内容を十分に理解していることが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 2年生で学習した微分法の復習(1) 2年生で学習した微分法を確認する。
2週 2年生で学習した微分法の復習(2) 2年生で学習した微分法を確認する。
3週 2年生で学習した積分法の復習(1) 2年生で学習した積分法を確認する。
4週 2年生で学習した積分法の復習(2) 2年生で学習した積分法を確認する。
5週 直交座標による図形の面積 直交座標表示を用いて表される曲線で囲まれる図形の面積が計算できる。
6週 直交座標による曲線の長さ 直交座標による曲線の長さが計算できる。
7週 断面積が与えられた立体の体積,回転体の体積 断面積が与えられた立体の体積,回転体の体積が計算できる。
8週 媒介変数表示による図形の面積,曲線の長さ 媒介変数表示を用いて表される曲線で囲まれる図形の面積が計算できる。また媒介変数表示による曲線の長さが計算できる。
2ndQ
9週 極座標と直交座標 極座標と直交座標の関係を理解できる。
10週 極座標表示の図形の面積,曲線の長さ 極座標表示を用いて表される曲線で囲まれる図形の面積が計算できる。また極座標表示による曲線の長さが計算できる。
11週 有限区間における広義積分 有限区間における広義積分が計算できる。
12週 無限区間における広義積分 無限区間における広義積分が計算できる。
13週 1次、2次近似式 簡単な関数の近似式を用いて近似値が求められる。
14週 n次近似式 簡単な関数のn次近似式を求めることができる。
15週 極値の判定 簡単な関数の極値が求められる。
16週
後期
3rdQ
1週 数列の極限 不定形の極限値を求めることができる。 
2週 無限級数(1) 無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べることができる。
3週 無限級数(2) 無限等比級数等の簡単な級数の和を求めることができる。
4週 べき級数,Maclaurin展開 べき級数を理解し,簡単な関数のMaclaurin展開を求めることができる。
5週 Taylor展開,Maclaurin展開 Taylor展開を理解し,基本的な関数のTaylor展開,Maclaurin展開を求めることができる。
6週 オイラーの公式 オイラーの公式を用いて,複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。
7週 2変数関数 2変数関数の定義域を理解し,不等式やグラフで表すことができる。
8週 偏微分係数・偏導関(1) 偏微分可能性・偏導関数の定義を理解できる
4thQ
9週 偏微分係数・偏導関数(2) 偏微分係数が計算できる。
10週 全微分 全微分可能性の定義を理解できる。
11週 合成関数の偏微分法 合成関数の偏微分法を利用して,偏導関数を求めることができる。
12週 2重積分の定義 2重積分の定義を理解できる。
13週 累次積分(1) 2重積分を累次積分に直すことができる。
14週 累次積分(2) 2重積分を累次積分に直すときに2通りの方法で計算できる。
15週 累次積分と順序交換 積分順序をうまく交換することで,累次積分の値が計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3後1
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3後2,後3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前1,前2
合成関数の導関数を求めることができる。3前1,前2
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前1,前2
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3前1,前2,前10
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前1,前2,前6,前8
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前3,前4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前3,前4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前3,前4
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前3,前4
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前5,前8,前10
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前6,前8,前10
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前7
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後7
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後11
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後12,後13,後14,後15
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前13
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前14,後4,後5
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後6

評価割合

試験課題・小テスト・レポート等合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100