概要:
物質の変化(酸化還元反応の例や応用)について学んだうえで,実際の有機物質の性質や変化を系統的に整理して理解し,物質を構成する粒子間の結合様式や個々の物質の示す性質との関係を理解する。さらに,気体,溶液,固体の示す種々の性質について学ぶ。また,物質を変化させるとき,条件によって反応の速さや平衡時の濃度の関係が変わることを学び,化学工業への応用の一端を理解する。これらの学習を通じて,技術者に要求される科学的思考力を養うとともに,化学がわれわれの生活に深く関わっていることを理解していく。
授業の進め方・方法:
講義だけではなく、演習を取り入れながら進めていく。
注意点:
試験の成績80%,平素の学習状況等(課題・小テスト等を含む)を20%の 割合で総合的に評価する。評価は中間と期末の各期間の評価の平均とする。また,学年末試験の成績には高専共通試験の結果も加味する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
物質の変化 酸化還元反応:酸化と還元 |
酸化・還元の定義について理解する。また,酸化数について理解し,その変化から酸か還元か判断することができる。
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2週 |
物質の変化 酸化還元反応:酸化剤と還元剤 |
酸化剤と還元剤について理解し,酸化還元反応を化学反応式で表すことができる 。
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3週 |
物質の変化 酸化還元反応:酸化剤と還元剤 |
酸化還元反応の量的関係について理解し,計算することができる。
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4週 |
物質の変化 酸化還元反応:金属の酸化還元反応 |
金属のイオン化傾向について理解する。
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5週 |
物質の変化 酸化還元反応:酸化還元反応の利用 |
電池の仕組みについて理解し,代表的な電池について説明できる。
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6週 |
物質の変化 酸化還元反応:酸化還元反応の利用 |
電気分解での各電極で起こる反応について理解する。
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7週 |
物質の変化 酸化還元反応:酸化還元反応の利用 |
電気分解の量的関係について計算することかできる。
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8週 |
物質の三態 |
物質の三態とその状態変化について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
物質の構造と状態 気体の性質 |
粒子の概念をもとに物質の状態変化を理解し気体の性質を学ぶ。
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10週 |
物質の構造と状態 気体の性質 |
粒子の概念をもとに物質の状態変化を理解し気体の性質を学ぶ。
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11週 |
物質の構造と状態 溶液の性質 |
物質の溶解と濃度・溶解度について学ぶ。
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12週 |
物質の構造と状態 溶液の性質 |
物質の溶解と濃度・溶解度について学ぶ。
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13週 |
物質の構造と状態 希薄溶液の性質 |
希薄溶液の束一的性質について学ぶ。
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14週 |
物質の構造と状態 希薄溶液の性質 |
希薄溶液の束一的性質について学ぶ。
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15週 |
物質の構造と状態 コロイド溶液の性質 |
コロイド溶液の性質と応用について学ぶ。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
物質の変化 化学反応とエネルギー:化学反応と熱 |
化学反応に伴う熱の出入りについて理解し,熱化学方程式を用いて現すことができる。反応熱の種類について理解する。
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2週 |
物質の変化 化学反応とエネルギー:化学反応と熱 |
ヘスの法則について理解し,それを用いて熱を求めることかできる。
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3週 |
物質の変化と化学平衡 反応速度 |
反応速度に及ぼす温度・濃度・触媒の影響について学ぶ。
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4週 |
物質の変化と化学平衡 反応速度 |
反応速度に及ぼす温度・濃度・触媒の影響について学ぶ。
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5週 |
物質の変化と化学平衡 可逆反応における平衡状態 |
化学平衡時の質量作用の法則について学ぶ。
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6週 |
水溶液中での化学反応 電離平衡 |
酸・塩基の電離平衡とpHの関係について 学ぶ。
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7週 |
水溶液中での化学反応 電離平衡 |
酸・塩基の電離平衡とpHの関係について 学ぶ。
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8週 |
有機化合物 有機化合物の分類と分析 |
有機化合物の特徴と分類,構造について理解する。
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4thQ |
9週 |
有機化合物 有機化合物の分類と分析 |
有機化合物の分析について理解し,分子式・組成式を決定することができる。
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10週 |
有機化合物 脂肪族炭化水素 |
飽和炭化水素(アルカン)の構造・性質について理解し,記述することができる。
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11週 |
有機化合物 脂肪族炭化水素 |
不飽和炭化水素(アルケン)の構造・性質について理解し,記述することができる。
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12週 |
有機化合物 脂肪族炭化水素 |
不飽和炭化水素(アルケン・アルキン)の構造・性質について理解し,記述することができる。
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13週 |
有機化合物 アルコールと関連化合物 |
アルコールの構造・分類・性質について理解し,記述することができる。また,エーテルの構造について理解する。
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14週 |
有機化合物 アルコールと関連化合物 |
アルデヒド・ケトンの構造・性質について理解し,記述することができる。
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15週 |
有機化合物 アルコールと関連化合物 芳香族化合物 |
脂肪族カルボン酸・エステルの構造・性質について理解し,記述することができる。芳香族化合物の構造・性質について理解し,記述することができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前8 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前8 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前8 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 前9,前10 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 前9,前10 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | |
同位体について説明できる。 | 3 | |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | |
イオン結合について説明できる。 | 3 | |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
共有結合について説明できる。 | 3 | 後7,後8 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 後7,後8 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
金属の性質を説明できる。 | 3 | |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前11,前12 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 前11,前12 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 前11,前12 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | 後6,後7 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | 後6,後7 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 後6,後7 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 後6,後7 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 前4 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 前4 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 前5 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 前5 |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | 前5 |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | 前5 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 前6 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 前6 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | 前6,前7 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 2 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 2 | |