国語II

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 国語II
科目番号 1104 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「現代文B」(教育出版)、「国語総合」(第一学習社) 参考書:「クリアカラー国語便覧」(数研出版) 問題集:「パスポート国語必携 三訂版 国語常識の演習と確認」(桐原書店)、「常用漢字ダブルクリア」<三訂版>(尚文出版)、「小倉百人一首暗唱ノート」(京都書房)
担当教員 佐藤 元紀,翁長 志保子

到達目標

1.アウトプット:思考した結果を他者に分かりやすく伝え、議論することができる。また、論理的に文章を構成し、適切な言葉を用いて自らの考えを説明できる。
2.インプット:言葉の知識(語句・漢字を理解する)を増やし、文章表現のなかで正しく使うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1思考した内容を分かりやすい言葉で発信し、議論した内容を的確にまとめることができる。思考した内容を発信し、議論することができる。思考した内容を発信できず、議論することもできない。
評価項目2漢字、語句を理解し、自らの文章表現のなかで積極的に使うことができる。漢字、語句を理解し、文章表現のなかで正しく使うことができる。漢字、語句の理解が十分でなく、文章表現のなかで正しく使うことができていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
文章を論理的に把握し、それをもとに思考した内容を自らの言葉で説明でき、他者の意見を踏まえた上で議論できるようになる。
また、語彙を増やし、言語感覚を磨くことによって、論理的思考力と豊かな感受性を身につける。
授業の進め方・方法:
”考える”トレーニング、”伝える”トレーニングの場として国語の授業を展開する。そのためテキストおよび配布物をもとにした問題発見・議論・発表演習などのグループワーク形式にて、相互に理解を深める形で授業を進める。補足事項を確認するための講義も適宜行う。また、グループワークによる問題演習やプレゼンテーショントレーニング、ビブリオバトルを並行して実施する。なお、プレゼンテーショントレーニングに関しては、現代社会・地理と連携して行う。
注意点:
試験の成績を70%、グループワークや発表の取組状況等を15%(相互評価を含む))、平素の学習状況等(課題の提出・漢字テスト・小テスト等を含む)を15%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として、「到達目標」に掲げた3点の達成度を評価する。なお、通年科目における後学期中間の評価は、前学期中間、前学期末、後学期中間の各期間の評価の平均とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入[1]:授業方法、シラバス等の確認、グループワーク準備、積極的傾聴法
プレゼンテーショントレーニング①[1-2]:ディスカッションの基礎知識と実践
”聴く”技術とディスカッションの利点について説明することができる。
2週 プレゼンテーショントレーニング①[1-2]:ディスカッションの基礎知識と実践
問題演習①
相手の意見を傾聴しながらグループで建設的な議論ができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
3週 評論文①「かんじんなことは,目に見えない?」[3-5] :科学・技術のあり方について,考えを深める。
ビブリオバトル①[3,5]:ビブリオバトルとは何か
論旨を捉え、科学技術の意義についてマクロな視点で考えることができる。時間に留意しながら話を構成することの重要性を説明することができる。
4週 評論文①「かんじんなことは,目に見えない?」[3-5] :科学・技術のあり方について,考えを深める。
問題演習②
科学技術の意義に関して、グループで議論し、まとめることができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
5週 評論文①「かんじんなことは,目に見えない?」[3-5]:科学・技術のあり方について,考えを深める。
ビブリオバトル①[3,5]:ミニ・ビブリオバトル実戦
議論の結果を他者に伝えることができる。読書体験を決められた時間内で効果的に語ることができる。
6週 敬語①[6-7]:敬語の基礎を学ぶ
問題演習③
敬語表現が分類できる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
7週 敬語①[6-7]:敬語の基礎を学ぶ
問題演習④
敬語表現の間違いを訂正することができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
8週 プレゼンテーショントレーニング②[8-9]:意見の形成と主張の仕方を学ぶ
賛否が分かれる問題に対して自らの意見を決めることができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
2ndQ
9週 プレゼンテーショントレーニング②[8-9]:意見の形成と主張の仕方を学ぶ
問題演習⑤
PREP法を用いて、自らの意見を主張できる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
10週 小説「山月記」 [10-12]:小説の虚構性を通じて,人生の真実や人の生き方について考える。
主人公の内面について理解し、お互いに議論することができる。
11週 小説「山月記」 [10-12]:小説の虚構性を通じて,人生の真実や人の生き方について考える。 自らの考えと他者の考えの接点を見出し、まとめることができる。
12週 小説「山月記」 [10-12]:小説の虚構性を通じて,人生の真実や人の生き方について考える。
問題演習⑥
決められた時間内でグループの考えを発表することができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
13週 ビブリオバトル②[13]:ビブリオバトル実戦
設定されたテーマの中で本を選択し、その読書体験について効果的なスピーチができる。現代短歌の作品を読み、その特徴について語ることができる。
14週 敬語②[14-15]:敬語の応用
問題演習⑦
場面に即した敬語を使うことができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
15週 敬語②[14-15]:敬語の応用
問題演習⑧
後期グループワークにむけて
二重敬語を訂正することができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
16週
後期
3rdQ
1週 導入[1]:後期グループワーク準備
ビブリオバトル③[1-2]:ビブリオバトル実戦
テーマに沿って夏期休業中の読書体験をスピーチすることができる。
2週 ビブリオバトル③[1-2]:ビブリオバトル実戦
問題演習⑨
積極的傾聴を活用してスピーチ内容を聴き、質疑応答ができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
3週 教養「土佐日記」[3-5]:冒頭部を読み、郷土を考える
問題演習⑩
本文に見られる地名と現在の地名とを比較し、現在との相違を述べることができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
4週 教養「土佐日記」[3-5]:冒頭部を読み、郷土を考える
古地図などを利用して現在の地理条件との違いなどを考察し、その結果をまとめることができる。
5週 教養「土佐日記」[3-5]:冒頭部を読み、郷土を考える
故事成語①[5-6]:故事成語の由来と意味を理解する
「土佐日記」を通して見た郷土について分かりやすく発表できる。故事成語の由来を説明することができる。
6週 プレゼンテーショントレーニング③[6-7]:話の展開の仕方について学ぶ
故事成語①[5-6]:故事成語の由来と意味を理解する
プラシーボ効果などの話のあらすじを展開する方法を説明できる。故事成語の意味が分かり、日常に応用することができる。
7週 プレゼンテーショントレーニング③[6-7]:話の展開の仕方について学ぶ
問題演習⑪
5W1Hを整理しながら、時系列に沿って話を展開できる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
8週 故事成語②[8]:故事成語の由来と意味を整理する 既習の故事成語の由来をもとに、現在の意味で用いられるようになった理由をまとめ、説明することができる。
4thQ
9週 和歌[9-10]:競技カルタのルールを理解し、「百人一首」を実践する
問題演習⑫
競技カルタのルールを理解し、51~100番の和歌を暗唱することができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
10週 和歌[9-10]:競技カルタのルールを理解し、「百人一首」を実践する 散らし取り、源平戦など競技カルタのルールに則して、競技に参加することができる。
11週 ビブリオバトル④[11]:ビブリオバトル実践 テーマに沿って自らの読書体験を効果的にスピーチし、質疑応答ができる。
12週 評論文②「技術の正体」[12-13]:論の展開に着目しながら、論旨を的確に読み取る 何を問題とした評論文かを把握し、わかりやすく説明することができる。
13週 評論文②「技術の正体」[12-13]:論の展開に着目しながら、論旨を的確に読み取る
問題演習⑬
科学技術を学ぶ者として、本論での問題提起に対して自らの意見を述べることができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
14週 プレゼンテーショントレーニング④[14-15]:ディベートの基礎知識と実践
問題演習⑭
ディベートの流れ、ルール等を説明することができる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
15週 プレゼンテーショントレーニング④[14-15]:ディベートの基礎知識と実践
問題演習⑮
自らの立場を明確にし、知的ゲームとしてのディベートに参加できる。基本的な国語常識について説明することができ、日常に応用することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。1前3,前4,後12,後13
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。1前10
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。1前5,後12,後13
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。1前11
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。1
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。1前5,前13,後1,後11
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。1前2,前4,前12,後2,後3,後14,後15
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。1後3,後4,後5
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。1後9,後10
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。1
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。1後5,後6,後8
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。1前5,前9,前12,後6,後7
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。1前2,前3,後1,後2
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。1前1,前3,前8,前10,前11,後11,後14,後15
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。1前6,前7,前9,前14,前15,後7,後9,後13

評価割合

試験発表相互評価提出物・小テスト等ポートフォリオその他合計
総合評価割合701051500100
基礎的能力5000100060
専門的能力100000010
分野横断的能力1010550030