概要:
1年次のデザイン工学演習Ⅰに引き続き,情報セキュリティを除く各コース分野における基礎実験と工作実習を行う。また,実験・実習の内容をレポートまたはノートにまとめて提出することで計画的・継続的な自己学習の習慣を養う。
授業の進め方・方法:
各組8名ずつで班(5班,各班32名程度)を作る。各班6週でローテーションを行う。各時間それぞれの集合場所に集合して点呼をとる。
工作実習:①鋳造,②アーク溶接,③旋盤,④仕上げの4テーマを各1.5週で実施。
ロボテックスコース基礎演習および実験:①4足歩行ロボットの製作,②制御回路の作成,③ロボット制御実験
エネルギー・環境コース基礎演習および実験:①光で音を飛ばしてみよう -紙コップと磁石でスピーカー作成-,②太陽電池モジュールを使ったUSB充電器
防災コース基礎演習および実験:2つのテーマについて,各3週でローテーションする。①木造軸組模型の製作と耐震性実験,②トータルステーションによる測量実習
新素材・生命コース基礎演習および実験教員:化学基礎実験,微生物基礎実験として,①中和滴定,②pH指示薬の合成,③薄層クロマトグラフィーを各2週で実施する。
注意点:
全てのレポート,ノート,または作品が提出されており,レポート,ノート,作品を80%および平素の学習状況等(実験,実習への取り組みの状況)を20%の割合で成績を評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する到達度を作品の完成度と実験・実習への取り組み,およびプレゼンテーション,レポートまたはノートで評価する。ただし,必要数の提出物が提出されない場合には単位を認めない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
工作実習:①鋳造(砂型手込めの基本) |
砂型手込めの基本について理解し,実施できる。
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2週 |
工作実習:①鋳造(溶解鋳込作業),②アーク溶接(安全作業の注意とアーク発生) |
安全に鋳込み作業ができる。 安全作業の注意点を理解し、アーク発生ができる。
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3週 |
工作実習:②アーク溶接(突き合わせ溶接) |
突き合わせ溶接ができる。
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4週 |
工作実習:③旋盤(ワークの切り出し,旋盤操作,端面削り,センタ穴あけ) |
ワークの切り出し,旋盤操作,端面削り,センタ穴あけ作業できる。
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5週 |
工作実習:③旋盤(円筒削り,端面削り,段削り),④仕上げ(測定器具の取扱いおよび試料測定,けがきの基本作業) |
円筒削り,端面削り,段削り作業ができる。 測定器具の取扱いおよび試料測定,けがきの基本作業ができる。
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6週 |
工作実習:④仕上げ(穴あけおよびタップ作業) |
穴あけおよびタップ作業ができる。
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7週 |
ロボティクスコース基礎演習および実験:4足歩行ロボットの製作① |
ギヤボックスを組み立てることができる。
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8週 |
ロボティクスコース基礎演習および実験:4足歩行ロボットの製作② |
4足歩行ロボットを組み立てて、歩行させることが出来る。減速比の効果を理解できる。リンク・クランク機構を理解できる。
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2ndQ |
9週 |
ロボティクスコース基礎演習および実験:制御回路の作成① |
使用する電子部品の名前、形状、主要用途がわかる。
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10週 |
ロボティクスコース基礎演習および実験:制御回路の作成② |
フローチャートを読み、光で動くロボットの回路を作成できる。
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11週 |
ロボティクスコース基礎演習および実験:制御回路の作成③ |
アナログフィルタによる電圧変化を理解し、音で動くロボットの回路を作成できる。
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12週 |
ロボティクスコース基礎演習および実験:ロボットの分解と各種部品の仕分け。 |
ロボットを分解することが出来る。ギヤボックス部品・4足歩行部品・電気素子の部品チェックができる。
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13週 |
エネルギー・環境コース基礎演習および実験:光で音を飛ばしてみよう -紙コップと磁石でスピーカー作成-① |
音と光の波としての違いを理解する。音と光の相互変換の仕組みを理解する。
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14週 |
エネルギー・環境コース基礎演習および実験:光で音を飛ばしてみよう -紙コップと磁石でスピーカー作成-② |
音と光の相互変換回路を組み立てることができる。
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15週 |
エネルギー・環境コース基礎演習および実験:光で音を飛ばしてみよう -紙コップと磁石でスピーカー作成-③ |
簡易なスピーカー装置が作成できる。光による音伝送装置を組み立てることができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
エネルギー・環境コース基礎演習および実験:太陽電池モジュールを使ったUSB充電器① |
USBポートの仕様が理解できる。昇圧回路を作成することができる。
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2週 |
エネルギー・環境コース基礎演習および実験:太陽電池モジュールを使ったUSB充電器② |
太陽光モジュールの発電原理が理解できる。太陽光モジュールの光電気変換特性を測定できる。
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3週 |
エネルギー・環境コース基礎演習および実験:太陽電池モジュールを使ったUSB充電器③ |
太陽光モジュールと昇圧回路を組み合わせた太陽光入力-USBポート出力装置を製作できる。
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4週 |
まちづくり・防災コース基礎演習および実験:木質構造の在来組構法のしくみ、名称、各部材の働きを理解し、在来軸組模型作成-1。 |
模型を作成しながら、在来軸組構法の名称を知る。各部材の働きを理解できる。
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5週 |
まちづくり・防災コース基礎演習および実験:木質構造の地震被害を理解する。地震時の軸組の働きを理解する。在来軸組模型作成-2。 |
地震時の軸組の働きを理解できる。
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6週 |
まちづくり・防災コース基礎演習および実験:作成した在来組構法の振動実験。平成28年熊本地震の強震動入力、2011年東北地方太平洋沖地震の強震動を入力した在来軸組構法の振動台実験の実施。 |
内陸直下型地震の強震動、プレート境界型地震の強震動のタイプの違う強震動に対する在来組構法模型の揺れ方、壊れ方を知る。
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7週 |
まちづくり・防災コース基礎演習および実験:測量業務の内容。測量の基準。誤差の性質と処理を説明し、測量機器の紹介と基本練習を行う。 |
測量業務・測量法・測量の基準を理解している。
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8週 |
まちづくり・防災コース基礎演習および実験:トータルステーションを利用した距離・高低差・角測量と三角関数の正弦定理・余弦定理の活用。 |
トータルステーションを(据え付け・測定)操作し、角度、距離、高低差を測ることができる。
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4thQ |
9週 |
まちづくり・防災コース基礎演習および実験:測定データを表計算ソフトを用いて計算処理・レポートにまとめる。 |
ヘロンの公式、正弦定理、余弦定理を利用して表計算ソフトにて計算ができ、結果を評価できる。
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10週 |
新素材・生命コース基礎演習および実験:pH指示薬の合成① |
初歩的な有機合成の方法を理解し,実施できる。
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11週 |
新素材・生命コース基礎演習および実験:pH指示薬の合成② |
初歩的な有機合成の方法を理解し,実施できる。
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12週 |
新素材・生命コース基礎演習および実験:中和滴定① |
容量分析の意味を理解し,滴定操作を実施でき,初歩的な中和滴定実験を遂行できる。
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13週 |
新素材・生命コース基礎演習および実験:中和滴定② |
容量分析の意味を理解し,滴定操作を実施でき,初歩的な中和滴定実験を遂行できる。
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14週 |
新素材・生命コース基礎演習および実験:光合成色素の抽出と分離① |
光合成色素の抽出方法を理解し,実施できる。
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15週 |
新素材・生命コース基礎演習および実験:光合成色素の抽出と分離② |
光合成色素の分離方法を理解し,実施できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 2 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 2 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 2 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 2 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 1 | |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 2 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 2 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 2 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 2 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 1 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 2 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 2 | |
試薬の調製ができる。 | 1 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 2 | |
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 2 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 2 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 2 | |