材料学基礎

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料学基礎
科目番号 1114 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 わかりやすい材料学の基礎(成山堂書店),配布資料
担当教員 三嶋 尚史,藤田 陽師

到達目標

1. 材料の定義が理解でき、種類観点で材料の分類ができる。
2. 材料の用途別分類と機能別分類が理解できる。
3. 原子と元素の違いが理解できる。
4. 周期律表にある多くの元素を覚える。
5. イオン結合・共有結合・金属結合・水素結合の違いを理解し、それらが説明できる。
6. bccおよびfcc結晶格子を理解し、構造の計算ができる。
7. 代表的な金属材料・無機材料・有機材料の特徴を理解し、それらの調査ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機能を考慮して、材料を分類することができる材料を分類することができる材料を分類することができない
評価項目2材料を構成する原子分子の状態も理解し、材料の構造について説明できる簡単に材料の構造について説明できる材料の構造を全く説明することができない
評価項目3種々の金属材料・無機材料・有機材料の特徴を理解でき、それらの材料を調査して、新材料について考えることができる代表的な金属材料・無機材料・有機材料の特徴を理解でき、それらの材料を調査できる金属材料・無機材料・有機材料を特徴が分からない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料学基礎は「新素材・生命コース」への概論的な導入科目として位置付けられているが、その他のコースにも大きく関連した内容を含んでいる。機械材料・電気材料・エネルギー材料・化学材料・生体材料・構造材料・環境材料等、さまざまな分野で用いられている材料の基礎について学習する。
授業の進め方・方法:
本授業はコース共通科目であり、2人の教員が2クラスずつ授業を行う。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題,小テスト,発表等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均、学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間、前学期末、後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1 身の周りの材料(1)材料の定義
1 身の周りの材料(2)身の周りにあるモノは何からできているか①
材料の定義について理解することができる。身の周りにあるモノがどんな材料からできているか理解できる。
2週 1 身の周りの材料(2)身の周りにあるモノは何からできているか②
1 身の周りの材料(3)材料の分類①
身の周りにあるモノがどんな材料からできているかを調べることができる。身の周りにある材料を種類観点で分けることができる。
3週 1 身の周りの材料(3)材料の分類②
1 身の周りの材料(4)人の材料
用途別や機能別で分けられた身の周りにある材料を理解することができる。人をつくる材料を理解することができる。
4週 2 材料の源(1)原子と元素
2 材料の源(2)周期律表
原子と元素の違いを説明できる。周期律表にある元素を規則性を理解して覚える。
5週 2 材料の源(3)イオンと電子配置① イオンを説明することができる。
6週 2 材料の源(3)イオンと電子配置② 原子あるいはイオンの電子配置を示すことができる。
7週 前学期中間試験 これまで学習してきた内容を試験によって確認する。
8週 3 材料のミクロ構造(1)結合① イオン結合、共有結合、金属結合、水素結合を説明することができる。
2ndQ
9週 3 材料のミクロ構造(1)結合② 材料をつくっている分子の構造を知り、分子の電子式を描くことができる。
10週 3 材料のミクロ構造(1)結合③ 材料をつくっている分子の構造を知り、分子の結合を描く(構造式を書く)ことができる。
11週 3 材料のミクロ構造(2)結晶と格子① 結晶と非晶質の違いを説明できる。簡単な結晶構造を理解することができる。
12週 3 材料のミクロ構造(2)結晶と格子② 体心立方格子と面心立方格子の計算ができる。(結晶内の原子の個数)
13週 3 材料のミクロ構造(2)結晶と格子③ 体心立方格子と面心立方格子の計算ができる。(原子半径と格子定数の相互計算,密度計算,充填率計算)
14週 3 材料のミクロ構造(2)結晶と格子④ 体心立方格子あるいは面心立方格子モデルをつくることができる。
15週 前学期末試験 これまで学習してきた内容を試験によって確認する。
16週
後期
3rdQ
1週 4 金属材料(1)製鉄と鉄鋼
4 金属材料(2)鉄錆とステンレス鋼
製鉄のプロセスを理解し、説明ができる。鉄と鋼の違いが理解できる。
鉄が錆びる現象を説明できる。いろいろな酸化鉄やステンレス鋼を知る。
2週 4 金属材料(3)アルミニウムとその合金 アルミニウムの性質を理解し、その合金性質や用途についても知る。
3週 4 金属材料(4)銅とその合金 銅の性質を理解し、その合金の性質や用途についても知る。
4週 5 無機材料(1)無機材料総論 無機材料の概要を理解できる。
5週 5 無機材料(2)ガラス・セラミックス・陶磁器 ガラス・セラミックス・陶磁器の作製方法や性質について知り、それらの特徴を説明できる。
6週 5 無機材料(3)コンクリート・セメント・無機化学薬品 コンクリート・セメント・無機化学薬品の作製方法や性質について知り、それらの特徴が説明できる。
7週 後学期中間試験 これまで学習してきた内容を試験によって確認する。
8週 6 有機材料(1)有機材料総論 有機材料の概要を理解できる。
4thQ
9週 6 有機材料(2)ゴム・プラスチック ゴム・プラスチックの作製方法や性質について知り、それらの特徴が説明できる。
10週 6 有機材料(3)繊維・紙・木材 繊維・紙・木材の作製方法や性質について知り、それらの特徴が説明できる。
11週 7 材料調査研究(1) 各個人で興味をもった材料について調査する。個人調査した材料についてグループ討論する。
12週 7 材料調査研究(2) 個人調査した材料についてグループ討論する。グループで話し合い、一つの材料に絞って詳しく調べる。選ばれた一つの材料についてまとめる。
13週 7 材料調査研究(3) 選ばれた一つの材料についてまとめ、発表する。他のグループの調査について評価する。
14週 8 人間の材料(1) 人間を構成する材料を説明することができる。
15週 学年末試験 これまで学習してきた内容を試験によって確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価課題・小テストその他合計
総合評価割合601552000100
基礎的能力3000100040
専門的能力30155100060
分野横断的能力0000000