社会科学I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 社会科学I
科目番号 1116 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『明解世界史A』(帝国書院)、最新世界史図説『タペストリー』(帝国書院)
担当教員 松浦 真衣子

到達目標

現代社会を形成する政治体制や価値観はどのようにして創り上げられてきたか、諸々の歴史的事件を学ぶことで理解していきます。現代社会の成り立ちを理解した後、今後の社会にはどのような意識、どのような行動が必要か、具体的なアイデアを出していける人材を育成します。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1この授業を通じて、異文化を積極的に理解する力がついたこの授業を通じて、異文化を理解する力がついた異文化を理解する力がつかない
評価項目2この授業を通じて、グループで課題に取り組み、解決する力が身についたこの授業を通じて、グループで課題に取り組む力がみについたこの授業を通じて、グループで課題に取り組む力がみにつかなかった
評価項目3この授業を通じて、現代社会の成り立ちを知り、自ら問題の根源を追及する力が身についたこの授業を通じて、現代社会の成り立ちを知りることができたこの授業で、現代社会の成り立ちを理解することができなかった

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
今日の世界情勢のもととなる歴史的事件を取り上げていきます。グループでの討論も交えながら、現代社会の価値観や諸問題はどのような過程を経て成り立っているのか理解し、今後、理想的な社会を創り上げていくためにはどのような意識を持ち、どのように行動していくべきか考えていきます。
授業の進め方・方法:
パワーポイントによる講義型の授業とグループワークを併用します。
グループで積極的に話し合い、問題の根源を追及する姿勢がある学生を評価します。
共同作業ですのでチームワークを大事にしてください。
注意点:
課題、グループワーク、授業態度、4回の定期テストで評価します。普段から世界情勢に関心を持ち、ニュースなどを見ておいてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 世界史を学ぶ意義について考える
2週 ヨーロッパ文明の成り立ち ヨーロッパの地理をまなび、文化の特徴を捉える。
3週 ヨーロッパ文明の源流
ギリシアで誕生した民主制の特徴を捉え、現代の政治との違いを考える。 
4週 キリスト教の誕生とヨーロッパの分裂 キリスト教の誕生と、キリスト教が東西に分離していく経緯を確認し、今日のヨーロッパの多文化的特徴を理解する。
5週 西ヨーロッパの封建社会と教会制度 西ヨーロッパ社会の封建制や教会制度を学び、現代の市民社会との違いを理解する。
6週 西ヨーロッパ国家の発展 百年戦争やレコンキスタを経て、現代の国家が形成されていく経緯を理解する。
7週 ヨーロッパ古代から中世までのまとめ ヨーロッパの文化、国家が形成されていく経緯を古代から中世までの流れの中で確認し、現代社会との違いを把握する。
8週 定期テスト
2ndQ
9週 一神教の成立と広がり ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の誕生と、文化の違いを理解する。
10週 イスラームの誕生と発展 イスラームが誕生した地理的文化的背景を学び、宗教的特徴を理解する。
11週 イスラームの拡大と分裂 イスラームが拡大し、分裂していく中で様々な民族をいかに取り込んで、今日の社会を形成していったか理解する。
12週 イスラームの文化(1) イスラームの学問、建築、食事など文化的側面を学び、今日のヨーロッパ文化に多大な影響を与えてきたことを学ぶ。
13週 イスラームの文化(2) イスラームの学問、建築、食事など文化的側面を学び、今日のヨーロッパ文化に多大な影響を与えてきたことを学ぶ。
14週 イスラームの文化(3) イスラームの学問、建築、食事など文化的側面を学び、今日のヨーロッパ文化に多大な影響を与えてきたことを学ぶ。
15週 これまでのまとめ イスラーム社会の特徴を理解し、多様な文化や思想を内包していくことを理解する。
16週 定期テスト
後期
3rdQ
1週 ヨーロッパにおけるルネサンスのはじまり 中世の文化とルネサンスの文化を比較し、ルネサンスによって人々の意識や生活はどう変わったのか理解する。
2週 宗教改革とキリスト教の分化 ルネサンス以降の人々の意識の変化が宗教への意識にどのような変化を与え、宗教改革に至ったのか考える。
3週 大航海時代のはじまり 大航海時代の始まりと共に、ヨーロッパの人々が世界へ進出し、ヨーロッパ中心を中心とした世界経済が形成されていく様を学習する。
4週 ヨーロッパの新しい国際関係 大航海時代後の世界経済の変化から今日の主権国家体制はどのようにして生まれたのか考える。
5週 イギリス革命 巨大な権力を持つ王の誕生から二回の革命を経て、立憲君主制がなぜ誕生したか理解する。
6週 フランスの絶対王政 主権国家体制の確立から、絶対王政誕生への経緯を理解し、近代国家の中央集権がどのように行われていったか考える。
7週 これまでのまとめ ルネッサンス以降、ヨーロッパの人々の文化、経済、社会構造はどのように変化したかまとめる。
8週 定期テスト
4thQ
9週 イギリスから独立するアメリカ(1) アメリカ独立戦争で起草された独立宣言の中の「自由・平等」は何を意味し、誰に対して与えられたものだったか考える。
10週 イギリスから独立するアメリカ(2) アメリカ独立戦争で起草された独立宣言の中の「自由・平等」は何を意味し、誰に対して与えられたものだったか考える。
11週 フランス革命(1) フランス革命によって生まれた市民社会とはどのようなものか、自由で平等な市民とは誰を示していたのか資料や歴史的事件から分析する。
12週 フランス革命(2)             フランス革命によって生まれた市民社会とはどのようなものか、自由で平等な市民とは誰を示していたのか資料や歴史的事件から分析する。
13週 ナポレオンの支配からウィーン体制(1) フランス革命はどのようにして収束し、ウィーン体制に至ったのか、経緯を明らかにし、その後の社会を展望する。
14週 ナポレオンの支配からウィーン体制(2) フランス革命はどのようにして収束し、ウィーン体制に至ったのか、経緯を明らかにし、その後の社会を展望する。
15週 これまでのまとめ 身分制社会から市民社会への移行はどのようにして生じたのかを理解し、自由や平等を享受する「市民」とは当時誰を示していたかを分析する。
16週 定期テスト

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。3前10
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。3前2,前10
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。2
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3前2,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後7
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。4前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後7
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。4前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後7
公民諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。3前9,後1,後2,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。3前3,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
地歴・公民今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。3前4,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
工学基礎技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。1後3,後4,後15
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。3前12,前13,前14
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。3前12,前13,前14
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。3前12,前13,前14
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。3前12,前13,前14
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。3前12,前13,前14
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3前12,前13,前14
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3前12,前13,前14
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3前12,前13,前14
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3前12,前13,前14
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3前12,前13,前14
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3前12,前13,前14
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3前12,前13,前14
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3前12,前13,前14
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3前12,前13,前14
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3前12,前13,前14
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 3前12,前13,前14
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。3前12,前13,前14
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。3前12,前13,前14
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。3前12,前13,前14
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3前12,前13,前14
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3前12,前13,前14
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3前12,前13,前14
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合601000030100
基礎的能力601000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000