物理II

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理II
科目番号 1121 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高等学校検定済教科書 「物理基礎」(第一学習社),「物理」(第一学習者) 問題集:「セミナー 物理基礎+物理」(第一学習者),ネオパルノート物理基礎(第一学習社),スタディノート物理(第一学習社)
担当教員 高野 弘

到達目標

【到達目標】 授業計画に記述した各項目の到達目標
1.静電気学における法則を学び,場の考え方を身に着け,具体的な問題に応用できる。
  2.静磁気学における法則を学び,場の考え方を身に着け,具体的な問題に応用できる。
  また,磁気現象を担う電流と電気現象を担う電荷の関係を学び,磁気と電気の関連を知る。
     磁気現象の担い手としての電流と磁石の関係について説明できる。
  3.万有引力の法則を学び,惑星や衛星の運動の解析に応用できる。
を達成することにより,物理の基礎的な考え方と問題解決方法を体得する。
とともに,法則を系統的に理解して種々の問題に応用するという物理の典型的な学習法を身につける。

 到達目標の具体的な記述表現とレベルとの対応を以下に記す。
  1. “知る・学ぶ(知識・記憶レベル)”と記した項目については,項目に関して得た知識を基に,定性的な説明ができる。
  2. “理解する・計算できる(理解レベル)”と記した項目については,基本公式から計算(または作図)によって,定量的に現象を説明できる。
  3. “演習を行う・応用できる(適用レベル)”と記した項目については,体得した手法を具体的な問題に適用して問題を解決できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1静電気学に関して,体系立った知識を体得して,法則を具体的な問題に応用して必要な物理量を算出できる。静電気学に関して,個別に知識を獲得して,法則を用いて,基礎的な物理量を算出できる。静電気学に関して,知識の修得が十分でなく,基礎的な物理量を算出できない。
評価項目2定常電流と磁場に関して,体系立った知識を体得して,法則を具体的な問題に応用して必要な物理量を算出できる。定常電流と磁場に関して,個別に知識を獲得して,法則を用いて基礎的な物理量を算出できる。定常電流と磁場に関して,知識の修得が十分でなく,基礎的な物理量を算出できない。
評価項目3万有引力に関して,体系立った知識を体得して,法則を具体的な問題に応用して必要な物理量を算出できる。万有引力に関して,個別に知識を獲得して,法則を用いて基礎的な物理量を算出できる。万有引力に関して,知識の修得が十分でなく,基礎的な物理量を算出できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.静電気学における法則や物の見方・考え方,2.定常電流と磁場に関する法則や物の見方・考え方,3.万有引力の法則,に関して学習し,具体的な演習問題を解くことにより,物理の基礎的な考え方と問題解決方法を身に着ける。法則を系統的に理解して種々の問題に応用するという物理の典型的な学習法を身につける。
 検定済み教科書および問題集を用いて,教科書に掲載された法則および公式を学習し,それらを適用する基本(標準)問題が解けるレベルの力量を身に着ける。更に,既習事項との関連を理解して,応用(総合)問題が解けるレベルを目指す。

 座学中心の授業では,事前に配布した授業計画に基づき,教科書の予習(新用語,法則,式)ノートの相互点検,復習・質問から始めて,本論に進む。授業は講義内容の説明・例題演習とう板書中心となるので,ノートテイク・質問とうを通じてその場での理解を目指す。復習(実力定着)として,問題集の基礎チェック・基本問題をプリント配布して宿題演習とする。予習・授業・復習宿題の繰り返しで,着実に力を付ける。

 実力不足の学生は,毎週の「物理演習Ⅱ」を受講して,弱点を克服して,自学自習できる力を養う。
授業の進め方・方法:
授業計画を参照
注意点:
定期試験の成績を70%,平素の学習状況等(提出物・平常(実力)試験等)を30%の割合で総合的に評価することを原則とする。前学期の評価は前学期中間と前学期末の各期間の総合評価,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の総合評価,学年の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間,後学期末の各期間の総合評価とする。
専門科目を学ぶための基礎として,1.静電気学における法則や考え方,2.定常電流が作る磁場および磁場中で電流が受ける力,3.万有引力を用いた運動の解析などの理解度を評価する。
電気回路や時間変動する電磁場に関しては,電気基礎で学習する。剛体のつり合いや円運動・単振動に関しては,力学基礎で学習する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1節 電場と電位 1.電場
 電荷と静電気力,クーロンの法則[1-2]
電荷とその間に働く静電気力,電気量保存の法則について説明できる。クーロンの法則を使える。
2週 第1節 電場と電位 1.電場
 点電荷のつくる電場,重ね合わせの原理[3-4]
電場の定義(考え方)を理解して,点電荷のつくる電場を,重ね合わせの原理を用いて,算出できる。
3週 第1節 電場と電位 1.電場
 電気力線,一様分布電荷のつくる電場[5-6]
電気力線の定義(考え方)およびガウス法則を説明できる。一様分布電荷のつくる電場を計算できる。
4週 第1節 電場と電位
 1.電場 総合演習[7-8]
電場に関する標準的なレベルの問題を解くことができる。
5週 第1節 電場と電位 2.電位
 電位と電位差,一様な電場と電位差[9-10]
電位(位置エネルギー)の定義および電場(力)と電位差(仕事)の関係を説明できる。
6週 第1節 電場と電位 2.電位
 点電荷の電位,等電位面と電気力線[11-12]
点電荷の電位を計算して,等電位面を描画できる。等電位線と電気力線との関係を説明できる。
7週 第1節 電場と電位 2.電位
 導体と静電誘導,電場中の導体,電場中の誘電体[13-14]
導体の静電誘導や静電遮蔽を説明できる。絶縁体(誘電体)の誘電分極を説明できる。
8週 第1節 電場と電位
 2.電位 総合演習[15-16]
電位に関する標準的なレベルの問題を解くことができる。
2ndQ
9週 第1節電場と電位 3.コンデンサー
 コンデンサーの原理,電気容量[17-18]
コンデンサー(電荷を蓄える装置)の仕組みを理解して,静電容量を計算できる。
10週 第1節電場と電位 3.コンデンサー
 電気容量と誘電体[19-20]
平行平板コンデンサーの電気容量の計算ができる。誘電体による電気容量変化を比誘電率で扱える。
11週 第1節電場と電位 3.コンデンサー
コンデンサーの接続,静電エネルギー[21-22]
並列接続,直列接続したコンデンサーの合成容量が計算できる。静電エネルギーの計算ができる。
12週 第1節 電場と電位
 3.コンデンサー 総合演習[23-24]
コンデンサーに関する標準的なレベルの問題を解くことができる。
13週 第2節 電流 1.電流と抵抗
 電荷と電流,オームの法則[25-26]
電流の定義を説明できる。自由電子モデルの立場でオームの法則を説明できる。
14週 第3節 電流と磁場 1.磁場
 磁気力,磁場,磁力線[27-28]
磁極は対で存在,磁極間に働くクーロンの法則,磁極がつくる磁場,磁力線に関して説明できる。
15週 第3節 電流と磁場
 1.磁場 総合演習[29-30]
磁石がつくる磁場に関する標準的なレベルの問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 第3節 電流と磁場 1.磁場
 直線電流がつく磁場,円形電流がつくる磁場[1-2]
直線電流や円電流がつくる磁場の式を理解して,磁場の計算ができる。
2週 第3節 電流と磁場 1.磁場
 ソレノイドを流れる電流がつく磁場[3-4]
ソレノイドを流れる電流がつくる磁場の式を理解して,磁場の計算ができる。
3週 第3節 2.電流が磁場から受ける力
 磁場中で電流が受ける力,フレミング左手の法則[5-6]
磁場中で電流が受ける力の向き(フレミング左手の法則)や大きさを計算できる。
4週 第3節 2.電流が磁場から受ける力
 透磁率,磁化,磁束密度と磁場[7-8]
磁束密度と磁場の関係を説明できる。磁化と透磁率の関係を説明できる。
5週 第3節 2.電流が磁場から受ける力
 平行電流間の力[9-10]
電流がつくる磁場と磁場中で電流が受ける力の式を活用して,平行電流間に働く力を計算できる。
6週 第3節 電流と磁場
 総合演習[11-12]
電流と磁場に関する標準的なレベルの問題を解くことができる。
7週 第3節 3.ローレンツ力
 荷電粒子が磁場から受ける力[13-14]
ローレンツ力(荷電粒子が磁場から受ける力)と電流が磁場から受ける力の関係を説明できる。
8週 第3節 3.ローレンツ力
 磁場中における荷電粒子の運動[15-16]
ローレンツ力を利用して,磁場中の荷電粒子の運動を計算できる。
4thQ
9週 第3節 3.ローレンツ力
 ホール効果[17-18]
ローレンツ力を利用して,ホール効果の説明ができる。
10週 第3節 電流と磁場
 総合演習[19-20]
電流と磁場に関する標準的なレベルの問題を解くことができる。
11週 第3節 4.万有引力による運動
 等速円運動,惑星の運動,ケプラーの法則[21-22]
惑星の運動,ケプラーの法則
復習:等速円運動の3公式を活用できる。惑星の運動に関するケプラーの法則を説明できる。
12週 第3節 4.万有引力による運動
 万有引力の法則,重力,人工衛星[23-24]
万有引力の法則を用いて,重力加速度の計算や人工衛星に関する物理量の計算ができる。
13週 第3節 4.万有引力による運動
 万有引力の位置エネルギー[25-26]
惑星の運動,ケプラーの法則
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。
14週 第3節 円運動と単振動
 総合学習[27-28]
ベクトル・微積を用いた円運動
円運動に関して,ベクトルと微積分の手法を用いて,再学習する。
15週 第3節 円運動と単振動
 総合学習[29-30]
ベクトル・微積を用いた単振動
単振動に関して,ベクトルと微積分の手法を用いて,再学習する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000