電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 N3043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD エネルギー・環境コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:横山順一「電磁気学(講談社基礎物理学シリーズ)」(講談社) 参考書:砂川重信「電磁気学の考え方(物理の考え方シリーズ)」(岩波書店)
担当教員 赤崎 達志

到達目標

1.ベクトルを用いたクーロン力の計算ができる。電場ベクトル,電気力線,電荷密度を説明できる。
2.ガウスの法則を用いた計算ができる。ベクトル場の微分・積分の重要公式を説明できる。
3.静電ポテンシャルの計算ができる。ポアソン方程式,静電場の求め方,静電場のエネルギー,電荷保存則を説明できる。
4.荷電粒子の運動,ビオ・サバールの法則,アンペールの法則を用いた計算ができる。電磁誘導,変位電流・準定常電流,マクスウェル方程式を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルを用いたクーロン力を正しく理解し,応用問題を計算できる。電場ベクトル,電気力線,電荷密度を正しく理解し,応用問題を計算できる。ベクトルを用いたクーロン力の基本問題を計算できる。電場ベクトル,電気力線,電荷密度を説明できる。ベクトルを用いたクーロン力の基本問題を計算できない。電場ベクトル,電気力線,電荷密度を説明できない。
評価項目2ガウスの法則を正しく理解し,応用問題を計算できる。ベクトル場の微分・積分の重要公式を正しく理解し,応用問題を計算できる。ガウスの法則を用いた基本問題を計算できる。ベクトル場の微分・積分の重要公式を説明できる。ガウスの法則を用いた基本問題を計算できない。ベクトル場の微分・積分の重要公式を説明できない。
評価項目3静電ポテンシャルを正しく理解し,応用問題を計算できる。ポアソン方程式,静電場の求め方,静電場のエネルギー,電荷保存則を正しく理解し,応用問題を計算できる。静電ポテンシャルの基本問題を計算できる。ポアソン方程式,静電場の求め方,静電場のエネルギー,電荷保存則をを説明できる。静電ポテンシャルの基本問題を計算できない。ポアソン方程式,静電場の求め方,静電場のエネルギー,電荷保存則をを説明できない。
評価項目4荷電粒子の運動,ビオ・サバールの法則,アンペールの法則を正しく理解し,応用問題を計算できる。電磁誘導,変位電流・準定常電流,マクスウェル方程式を正しく理解し,応用問題を計算できる。荷電粒子の運動,ビオ・サバールの法則,アンペールの法則を用いた基本問題を計算できる。電磁誘導,変位電流・準定常電流,マクスウェル方程式を説明できる。荷電粒子の運動,ビオ・サバールの法則,アンペールの法則を用いた基本問題を計算できない。電磁誘導,変位電流・準定常電流,マクスウェル方程式を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代社会にとって最も重要な学問の一つである電磁気学の基礎理論を学ぶ。同時に,抽象的な電場・磁場の概念の数学的記述に慣れ,論理的に問題を解決する能力の習得を目標とする。
授業の進め方・方法:
講義で使用する説明資料は,事前に配布するので,教科書と併せて自習しておくこと。自習によって分からなかったところは,授業中に質問し,解決するように心がけること。授業中,帰宅後に,教科書中の例題,章末問題や適宜課す応用問題を解答することで,知識の定着を図ること。
注意点:
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電磁気学について[1]:電磁気学の歴史,現代の科学技術との関わりについて学ぶ。 場の考え方,近接作用,スカラー量とベクトル量の違いについて理解する。
2週 ベクトル復習[2]:ベクトルの合成,内積の計算を習得する。 ベクトルの合成,内積について理解し,基本問題を計算できる。
3週 ベクトル解析(1) [3-4]:ベクトル場の微分・積分の重要公式を習得する。 ベクトル場の微分の重要公式(勾配,発散)ついて理解し,基本問題を計算できる。
4週 ベクトル解析(1) [3-4]:ベクトル場の微分・積分の重要公式を習得する。 ベクトル場の積分の重要公式(線積分,面積分,体積積分,ガウスの発散定理)ついて理解し,基本問題を計算できる。
5週 クーロン力[5-6]:ベクトルを用いたクーロン力の計算,重ね合わせの原理について学ぶ。 ベクトルを用いたクーロン力ついて理解し,基本問題を計算できる。
6週 クーロン力[5-6]:ベクトルを用いたクーロン力の計算,重ね合わせの原理について学ぶ。 クーロン力の重ね合わせの原理について理解し,基本問題を計算できる。
7週 静電場(1) [7-10]:電場ベクトル,電気力線,ガウスの法則について学ぶ。 電気力線について理解し,基本問題を計算できる。
8週 静電場(1) [7-10]:電場ベクトル,電気力線,ガウスの法則について学ぶ。 電場ベクトルについて理解し,基本問題を計算できる。
2ndQ
9週 静電場(1) [7-10]:電場ベクトル,電気力線,ガウスの法則について学ぶ。 ガウスの法則について理解し,基本問題を計算できる。
10週 静電場(1) [7-10]:電場ベクトル,電気力線,ガウスの法則について学ぶ。 ガウスの法則について理解し,基本問題を計算できる。
11週 静電場(2) [11]:静電ポテンシャルについて学ぶ。 静電ポテンシャルについて理解し,基本問題を計算できる。
12週 ベクトル解析(2) [12-13]:外積,ベクトル場の微分・積分の重要公式を習得する。 外積,ベクトル場の微分の重要公式(回転)について理解し,基本問題を計算できる。
13週 ベクトル解析(2) [12-13]:外積,ベクトル場の微分・積分の重要公式を習得する。 ベクトル場の積分の重要公式(ストークスの回転定理)について理解し,基本問題を計算できる。
14週 静電場(3) [14-15]:ポアソン方程式,静電場の求め方について学ぶ。 ポアソン方程式,静電場の求め方,静電場のエネルギーについて理解し,基本問題を計算できる。
15週 静電場(3) [14-15]:ポアソン方程式,静電場の求め方について学ぶ。 ポアソン方程式,静電場の求め方,静電場のエネルギーについて理解し,基本問題を計算できる。
16週
後期
3rdQ
1週 電流[16]:電流,電荷保存則について学ぶ。 電流,電荷保存則について理解し,基本問題を計算できる。
2週 ローレンツ力[17-18]:静電磁場中の荷電粒子・電流に働く力の計算法を学ぶ。 電流の周りに発生する磁場,静電磁場中の電流に働く力の計算法を理解し,基本問題を計算できる。
3週 ローレンツ力[17-18]:静電磁場中の荷電粒子・電流に働く力の計算法を学ぶ。 静電磁場中の荷電粒子に働く力の計算法を理解し,基本問題を計算できる。
4週 静磁場(1)[19-22]:磁力線,ビオ・サバールの法則を用いた計算法について学ぶ。 磁場と電場の違いを理解する。
5週 静磁場(1)[19-22]:磁力線,ビオ・サバールの法則を用いた計算法について学ぶ。 ビオ・サバールの法則について理解する。
6週 静磁場(1)[19-22]:磁力線,ビオ・サバールの法則を用いた計算法について学ぶ。 ビオ・サバールの法則に関する基本問題を計算できる。
7週 静磁場(1)[19-22]:磁力線,ビオ・サバールの法則を用いた計算法について学ぶ。 ビオ・サバールの法則に関する基本問題を計算できる。
8週 静磁場(2)[23-25]:アンペールの法則,磁場の発散,ベクトルポテンシャルについて学ぶ。 ベクトルポテンシャルについて理解し,基本問題を計算できる。
4thQ
9週 静磁場(2)[23-25]:アンペールの法則,磁場の発散,ベクトルポテンシャルについて学ぶ。 磁場の発散について理解し,基本問題を計算できる。
10週 静磁場(2)[23-25]:アンペールの法則,磁場の発散,ベクトルポテンシャルについて学ぶ。 アンペールの法則について理解し,基本問題を計算できる。
11週 電磁誘導[26-29]:電磁誘導と電気工学の関わり,ファラデーの法則について学ぶ。 非定常時の電荷保存則,電磁誘導について理解する。
12週 電磁誘導[26-29]:電磁誘導と電気工学の関わり,ファラデーの法則について学ぶ。 ファラデーの法則について理解し,基本問題を計算できる。
13週 電磁誘導[26-29]:電磁誘導と電気工学の関わり,ファラデーの法則について学ぶ。 発電機の原理,ソレノイドについて理解し,基本問題を計算できる。
14週 電磁誘導[26-29]:電磁誘導と電気工学の関わり,ファラデーの法則について学ぶ。 自己インダクタンス,磁気エネルギーについて理解し,基本問題を計算できる。
15週 マクスウェル方程式[30]:準定常電流,変位電流,マクスウェル方程式について学ぶ。

準定常電流,変位電流,マクスウェル方程式について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2前5,後1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2後1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2後1
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。2後1
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2前5,前6
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2前7,前8,前11
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2前9,前10
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。2後11
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。2後4,後5,後6,後7
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。2後9,後10
磁界中の電流に作用する力を説明できる。2後2,後3,後10
ローレンツ力を説明できる。2後2,後3
磁気エネルギーを説明できる。2後14
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。2後11,後12,後13
自己誘導と相互誘導を説明できる。2後14
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。2後14

評価割合

試験平素の学習状況 等(課題・小テ スト・レポート 等を含む)合計
総合評価割合7030100
基礎的能力503080
専門的能力20020
分野横断的能力000