電子回路I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子回路I
科目番号 N3048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 SD エネルギー・環境コース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:根岸照雄,中根央,高田英一 著「電子回路基礎」(コロナ社) 参考書:配布するプリント類
担当教員 芝 治也

到達目標

【到達目標】
1. 半導体素子の働きを理解し,説明できる。
2. トランジスタなどの能動素子の扱い方を理解し,動作量を求めることができる。
3. 種々の電子回路の基本構成と動作原理を説明し,素子の値などを計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
半導体素子の働きを理解する。半導体素子の働きを理解し,説明できる。半導体素子の働きを説明できる。半導体素子の働きを説明できない。
能動素子の取り扱いを理解し動作量を求める。トランジスタなどの能動素子の扱い方を理解し,動作量を求めることができる。トランジスタなどの能動素子の動作量を求めることができる。トランジスタなどの能動素子の動作量を求めることができない。
基本的な電子回路の動作を知り,素子値を求めることができる。種々の電子回路の基本構成と動作原理を説明し,素子の値などを計算できる。種々の電子回路の素子の値などを計算できる。種々の電子回路の素子の値などを計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 集積回路や種々の電子応用装置において電子回路は基本技術として重要である。ここでは,電子回路の主要な構成要素であるダイオードやトランジスタなどの半導体デバイスの基礎知識,およびトランジスタを用いた増幅回路と発振回路について学習する。これらの学習を通して,様々な電子回路の設計に取り組むことの出来る基礎能力を養うことを目標としている。
授業の進め方・方法:
 教科書および配布資料を主として講義を行う。より講義内容を理解させるために練習問題を自主学習する演習を行うことで計算能力や知識の向上を図る。グループ学習も取り入れる。これにより自分の直面している問題を人に伝える能力や人の困りを理解する能力を育てる。
学修単位のため時間外に課題に取り組むことも必要です。
注意点:
【成績評価の方法・基準】
 試験の成績80%,平素の学習状況(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

【事前・事後学習】
 事前学習として教科書の該当部分(事前に説明)を読んだうえで指定のプリントに理解が難しかった部分を抜き出してまとめて授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で指示した課題を提出すること。その課題とした演習問題については,周りの学生とデッスカッションするなど,自分なりの解答を提出をすること。

【履修上の注意】
 2年の電気基礎,3年の電気回路I,機能性材料で学習した知識が必要。回路の立式には,キルヒホッフの法則の他各種電気回路の立式の知識が必要。回路の特性計算では,連立方程式の解法など数学の式操作技術が必要。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 ダイオードの構造について説明できる。
2週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 ダイオードの構造について説明できる。
3週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 トランジスタの構造について説明できる。
4週 半導体素子:ダイオード,トランジスタなどの半導体素子の構造と動作原理を学ぶ。 トランジスタの構造について説明できる。
5週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときの等価回路の考え方について説明できる。
6週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときの等価回路を用い基本的な回路における計算ができる。
7週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 半導体素子を動作させるためのバイアス方法について説明できる。
8週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 半導体素子を動作させるためのバイアス値を計算できる。
4thQ
9週 電子回路の基礎:トランジスタなどの半導体素子を電子回路で取り扱うときに重要となる種々の等価回路についての考え方,安定指数,半導体素子を動作させるためのバイアスの方法について学ぶ。 安定指数について説明ができ,安定指数を求めることができる。
10週 増幅回路の基礎:電子回路の重要な機能である増幅回路について,トランジスタやFETを用いた基本増幅回路の構成,これら増幅回路を等価回路に置き換えて動作量を求める考え方,トランジスタなどの静特性から動作量を求める考え方を学ぶ。 トランジスタなどの静特性から動作量の求め方を説明でき,導出することができる。
11週 増幅回路の基礎:電子回路の重要な機能である増幅回路について,トランジスタやFETを用いた基本増幅回路の構成,これら増幅回路を等価回路に置き換えて動作量を求める考え方,トランジスタなどの静特性から動作量を求める考え方を学ぶ。 トランジスタなどの静特性から動作量の求め方を説明でき,導出することができる。
12週 増幅回路の基礎:電子回路の重要な機能である増幅回路について,トランジスタやFETを用いた基本増幅回路の構成,これら増幅回路を等価回路に置き換えて動作量を求める考え方,トランジスタなどの静特性から動作量を求める考え方を学ぶ。 トランジスタやFETを用いた基本増幅回路を等価回路に置き換えることができ,動作量を求めることができる。
13週 増幅回路の基礎:電子回路の重要な機能である増幅回路について,トランジスタやFETを用いた基本増幅回路の構成,これら増幅回路を等価回路に置き換えて動作量を求める考え方,トランジスタなどの静特性から動作量を求める考え方を学ぶ。 トランジスタやFETを用いた基本増幅回路を等価回路に置き換えることができ,動作量を求めることができる。
14週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 低周波増幅回路の動作原理について説明でき,動作特性を求めることができる。
15週 各種増幅回路:トランジスタやFETを用いた低周波増幅回路,周波数選択増幅回路,直流増幅回路について基本構成や動作特性を求めるときの考え方などを学ぶ。また,負帰還増幅回路の動作原理や動作特性を求めるときの基本的な考え方について学ぶ。 周波数選択増幅回路の動作原理について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3後1,後2
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3後3,後4,後5,後6
FETの特徴と等価回路を説明できる。3後5,後6,後12,後13
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3後6,後7,後8,後9,後10,後11,後14,後15
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3後7,後8
演算増幅器の特性を説明できる。3
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。3
発振回路の特性、動作原理を説明できる。3
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。3
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。2
原子の構造を説明できる。2
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。2
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。2
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。2
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。2

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力25025
専門的能力502070
分野横断的能力505