概要:
計測工学では,計測に関する系統的な基礎知識を学習して,対象から最適の量を取り出す方法を考究できるようになることを目標としています。従って,まず,対象から量または信号を取り出し,これを測定や制御で有効に活用できるように加工することを学習します。また,力や速度など各種物理量の測定,長さや機械要素などの精密測定,振動や温度などの測定について学習します。
授業の進め方・方法:
毎回の授業は、基本的な事柄を説明した後、演習で理解を深める。演習においては、グループ学習を取り入れる。
注意点:
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。評価は前期中間と前期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
物理量の単位と標準 |
計測用語の定義、度量衡、7つのSI基本単位(新SI)、組立単位、次元、トレーサビリティについて説明ができる。
|
2週 |
計測システムの基本構成と測定手法 |
計測システム構成、直接測定と間接測定、偏位法と零位法、計測のフィードバックシステム、計測の計画について説明ができる。
|
3週 |
測定の不確かさと統計学的評価 |
誤差の定義、平均値、標準偏差、分散、母集団と標本、正確さと精密さ、について理解し、実用の例で計算ができる。
|
4週 |
測定データの統計的処理 |
有効数字、ガウスの誤差伝播の法則、最小二乗法について理解し、実用の例で計算ができる。
|
5週 |
計測システムにおける信号変換(アナログ信号) |
OPアンプによる信号増幅、フィルタリングについて説明ができる。
|
6週 |
計測システムにおける信号変換(デジタル信号) |
サンプリング定理、A/D変換、D/A変換について説明ができる。
|
7週 |
計測システムにおける信号の表示 |
スペクトル、オシロスコープ等について説明ができる。
|
8週 |
計測システムの特性 |
静特性、分解能、ダイナミックレンジ、動特性、周波数伝達関数等について説明ができる。
|
2ndQ |
9週 |
長さ測定:長さ測定の系統的誤差,拡大機構と測長機器を学ぶ。 |
バーニアの原理、各種拡大機構について説明できる。熱膨張による誤差、測定力による誤差、幾何学的な誤差(アッベの原理)について説明ができる。
|
10週 |
長さ測定:光を用いた計測方法について学ぶ。 |
スネルの法則、光波干渉について説明できる。オプチメータ、光波干渉による平面度計測、オプチカルフラットなどについて説明できる。
|
11週 |
流体を測る:流速、流量の計測方法について学ぶ。 |
ピトー管、熱線流速計、レーザードップラー、各種流量計について説明ができる。
|
12週 |
流体を測る:圧力を測る方法について学ぶ。 |
高圧、常圧、真空の測定方法について説明ができる。
|
13週 |
温度を測る:各種温度に対する測定方法について学ぶ |
ゼーベック効果と熱電対、測温抵抗体について説明ができる。 高温、中温の測定方法について説明ができる。
|
14週 |
温度を測る:各種温度に対する測定方法について学ぶ |
常温、低温の測定方法について説明ができる。
|
15週 |
湿度,化学量の測定:湿度,化学量の測定について学ぶ。 |
湿度の定義とその測定方法について理解し、代表的な測定方法を説明できる。化学量の測定方法について理解し、代表的な測定方法を説明できる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | 計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。 | 4 | 前1 |
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。 | 4 | 前1 |
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 4 | 前1 |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 4 | 前1 |
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。 | 4 | |
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。 | 4 | |
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 4 | |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | |
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | |
電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | |
制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 4 | |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 4 | |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 | 4 | |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 4 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 4 | |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | |