制御工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学
科目番号 N4031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 SD エネルギー・環境コース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:浜克己他,制御工学 技術者のための,理論から応用まで
担当教員 榎本 隆二

到達目標

【到達目標】
1.伝達関数とブロック線図を用いたシステム表現ができる。
2.閉ループ伝達関数からシステムの過渡特性,定常特性および安定性を解析できる。
3.ボード線図等を用いてシステムの周波数特性の表現と解析ができる。
4.安定性,過渡特性,定常特性を考慮して簡単なフィードバック制御系を設計できる。
5.多自由度制御系を理解し,古典制御の特徴を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1動的システムの線形表現を理解した上で,ラプラス変換を経由して伝達関数とブロック線図でシステム表現できる。線形化されたシステム方程式について,ラプラス変換を経由して伝達関数とブロック線図でシステム表現できる。簡単なシステムの伝達関数は決定できるものの,線形化やブロック線図表現との関係が把握できていない。
評価項目2閉ループ伝達関数からシステムの過渡特性,定常特性を解析でき,主要な公式を導出できる。また,ラウス・フルビッツの安定判別法を様々な局面で活用できる。与えられた基本公式を変形して,閉ループ伝達関数からシステムの過渡特性,定常特性および安定性を解析できる。簡単なシステムの過渡応答は計算できるものの,伝達関数に関する理解が浅いために定常特性や安定性解析を使いこなせない。
評価項目3むだ時間要素を含むやや複雑なシステムの周波数特性をボード線図やベクトル軌跡で表現・解析できる。簡単で要素的なシステムの周波数特性をボード線図やベクトル軌跡で表現・解析できる。与えられたボード線図から周波数応答の状況を読み取ることができるものの,2次系の周波数応答の概略を描画できない。
評価項目4フィードバック制御系の安定性,過渡特性,定常特性を一巡伝達関数のボード線図から読み取ることができ,各種の特性補償を駆使して要求を満たす簡単なフィードバック制御系を設計できる。ナイキストの安定判別を理解し,安定性,過渡特性,定常特性を考慮して簡単で典型的なフィードバック制御系を設計できる。一巡伝達関数のボード線図から位相余裕,ゲイン余裕を読み取ることができるものの,それがフィードバック制御系の設計と結びつかない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
古典制御理論による制御系の表現を学び,その代表的な解析手法および設計手法を修得する.
授業の進め方・方法:
授業は板書による要点の解説とプリントによる演習を中心として進め,適宜,グループ学習を織り込んで実践的技術力を要請する。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,上記の到達目標に対する達成度を試験等によって評価する。事前学習として,教科書の該当頁を瞥見して未知の用語を書き出しておくこと。事後学習として,教科書の例題および章末演習問題,さらに授業中に示された課題を行うこと。本科目は科目横断的なシステム系科目であり,電気工学,機械工学および数学の知見を実践するものである。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 制御系とその構成,制御工学史および制御システムにおける情報セキュリティを学ぶ フィードバックとフィードフォワード,制御系の構成と制御目的を説明できる
2週 代表的な動的システムの微分方程式モデルの導出方法を学ぶ 簡単な動的システムの微分方程式モデルを導出できる
3週 代表的な動的システムの伝達関数表現を学ぶ 簡単な動的システムの伝達関数を導出できる
4週 動的システムのブロック線図表現を学ぶ 簡単な系をブロック線図で表現でき,簡略化と伝達関数の算定ができる
5週 動的システムの過渡応答を学ぶ 簡単な系のインパルス応答とステップ応答を計算できる
6週 動的システムの周波数応答とその表現を学ぶ 簡単な系の周波数伝達関数を計算・評価でき,そのボード線図の概略を描画できる
7週 総合演習 総合演習
8週 総合演習 総合演習
4thQ
9週 開ループ系の安定性判別法を学ぶ ラウスの方法を用いて,系ループ系の安定判別ができる
10週 閉ループ系の安定判別法を学ぶ ナイキストの安定判別法を用いて,閉ループ系の安定判別ができる
11週 閉ループ系の安定余裕の評価方法を学ぶ ボード線図上で安定余裕を評価できる
12週 フィードバック制御系の過渡特性を学ぶ フィードバック制御系の種々の過渡特性特性値を算定・評価できる
13週 フィードバック制御系の定常特性を学ぶ フィードバック制御系の定常特性をボード線図上で算定・評価できる
14週 簡単な制御系の設計法を学ぶ 極配置法や特性補償によって簡単な制御系を設計できる
15週 PID制御系や2自由度制御系を学ぶ 限界感度法やステップ応答法によってPID制御系を設計できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力3000020050
専門的能力2000010030
分野横断的能力1000010020