通信工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 通信工学
科目番号 N5005 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD エネルギー・環境コース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:中村 篤祥, 湊 真一, 喜田 拓也「基礎から学ぶ情報理論」/参考書:山下不二雄・中神隆清「通信工学概論[第3版]」(森北出版)
担当教員 山口 巧

到達目標

1.情報源の符号化,通信路の符号化とその基本定理が説明できる。
2.デジタル通信方式の基本について,その原理と応用技術が説明できる。
3.情報通信の技術のベースとなる多重化技術と高能率符号化技術について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
情報源符号化と通信路符号化情報源符号化と通信路符号化の基本定理が説明できる。情報源符号化と通信路符号化の基本定理が理解できる。情報源符号化と通信路符号化の基本定理が理解できない。
デジタル通信方式デジタル通信方式の基盤技術の概 要を説明できる。デジタル通信方式の基盤技術の概 要を理解できる。デジタル通信方式の基盤技術の概 要を理解できない。
通信方式の機能要件通信方式の応用について機能要件の基本を説明できる。通信方式の応用について機能要件の基本を理解できる。通信方式の応用について機能要件の基本を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
情報のデジタル符号化のための「情報理論」と「デジタル通信方式」の基礎理論を論じることで通信工学の基礎的なことを学ぶ。これらにより,「基礎学力を確実なものとし,応用能力を身に付けさせる」ことを目標とする。
授業の進め方・方法:
基本的な情報理論や通信方式について例を挙げながら,座学の講義を基本とする。また,何回に分けて演習レポートを与え,学生の理解度と平常評価の一助とする。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を70 %,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を30 %の割合で総合的に評価する。学年末の評価は中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として,事前に学内限定で公開する授業資料の該当部分を読んだうえで理解が難しかった部分をまとめてから授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で指示した課題レポート等を提出すること。演習課題については,考え方の過程を大切に何故そうなるのかを自分で確認すること。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,3年生のデジタル信号処理,4年生の応用数学で学ぶ確率分布および工業数学で学ぶフーリエ変換の内容を十分に理解しておくこと。また,4年生の情報通信工学の内容について理解を深めることが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション(学習目的,到達目標,学習方法の指導) 「通信システムとは何か」情報と通信システムのモデルの概観を説明できる。
2週 信号の表現と伝送:アナログとデジタルの扱い方,情報メディアの基本的な考え方について学ぶ。情報伝送の概観:二元符号,標本化定理
情報メディアの概念・諸量を説明できる。
情報メディアの諸量を算出できる。
デジタル化の復習と情報伝送の概観を説明できる。
3週 情報量と情報源:自己情報量,平均情報量(エントロピー) 情報源の数学的モデルと情報量の基礎概念を理解し,説明できる。
4週 情報源符号化:情報源符号化定理,ハフマン符号 情報源符号化の基礎概念を理解し,⼿法を実用できる。
5週 情報源符号化:ユニバーサル符号化,データ圧縮・非可逆圧縮 情報源符号化の基礎概念を理解し,⼿法を実用できる。
6週 通信路符号化:各種通信路,相互情報量 通信路符号化の基礎概念を理解し,⼿法を実用できる。
7週 通信路符号化:通信路容量,通信路符号化定理
誤り訂正符号:最小距離,ハミング距離
通信路符号化の基礎概念を理解し,⼿法を実用できる。
誤り訂正符号の基礎概念を理解し,⼿法を実用できる。
8週 誤り訂正符号:線形符号,パリティ検査符号,ハミング符号 誤り訂正符号の基礎概念を理解し,⼿法を実用できる。
4thQ
9週 デジタル変調:標本化定理,パルス変調(PAM,PWM,PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 標本化定理の条件を説明できる。
離散化,量子化,符号化の概念を説明できる。
パルス変調の各特徴を説明できる。
10週 デジタル変調:標本化定理,パルス変調(PAM,PWM,PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 ASK,FSK,PSKの概念と特徴を説明できる。
11週 デジタル変調:標本化定理,パルス変調(PAM,PWM,PCM),量子化雑音,時分割多重,デジタル変調(ASK, FSK, PSK),符号誤り率,M進符号,QAMについて学ぶ。 QAMの特徴を説明できる。
デジタル変調のBERの特徴を説明できる。
12週 アクセス制御:アクセス系における多重化技術と 高能率符号化技術について学ぶ。 アクセス系における多重化技術の概念について説明できる。高能率符号化についてまとめることができる。
13週 アクセス制御:アクセス系における多重化技術と 高能率符号化技術について学ぶ。 アクセス系におけるFDMA,TDMA,CDMAの特徴について説明できる。
14週 通信路問題:無線通信(モバイルコンピューティ ング),衛星通信,フェーディング,通信路,統計的性質と符号誤り率,ダイバーシティ受信について学ぶ。 モバイル通信の干渉問題について概念を説明できる。
15週 無線通信のアクセス制御 モバイル通信技術の媒体アクセス制御について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。3
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。3
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。3
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。3
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。3
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。3
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。3

評価割合

試験課題相互評価ポートフォリオ合計
総合評価割合703000100
基礎的能力40100050
専門的能力30200050
分野横断的能力00000