概要:
反応工学は,化学反応や生物反応の速度過程を解析し,その結果に基づいて反応装置を合理的に設計し,安全に操作するために必要な知識を体系化したものである。
本科目では,化学・生物関連の技術者が身につけるべき専門基礎知識として,化学反応装置の特性および設計の基礎について学びます。
授業の進め方・方法:
毎回の講義の前に事前学習ができるように「予習テキスト」をネットで配信します。
講義では,①テキストの説明,②演習問題および復習問題の説明,➂演習問題の解答の提出を行います。
また,毎回復習問題の解答の提出を求めます。
なお,演習問題および復習問題の解答例はネットで配信します。また次回の講義の初めに説明します。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題を含む)を40%の割合で総合的に評価する。成績評価は中間と期末の各期間の評価の平均とする。学年の評価は後学期末の評価とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,上記の到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【履修上の注意】
本科目の履修学生は,化学工学Ⅰ(4年生)を習得していることが望ましい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.基礎 (1)「反応装置の型式と装置内の理想流れ」について学びます。 |
①完全混合流れと押し出し流れについて説明できる。 ②回分操作と連続操作について説明できる。
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2週 |
(2)「反応速度の定義と温度依存性」について学びます。 |
①反応速度の定義を説明できる。 ②アレニウスの式について説明できる。 ③活性化エネルギーを求めることができる。
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3週 |
(3)「量論関係」について学びます。 |
① 反応率の定義について説明できる。 ② 反応率とモル分率の関係を説明できる。 ③ 反応率とモル濃度の関係を説明できる。
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4週 |
(4)「回分式槽型反応器」について学びます。 |
①反応器の物質収支式を説明できる。 ②回分槽型反応器の基礎式を導出できる。 ③定容系回分反応器の反応時間,反応器体積を計算できる。
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5週 |
(5)「連続式槽型反応器」について学びます。 |
①連続槽型反応器の基礎式を導くことができる。 ②連続槽型反応器において,反応器体積,反応(滞留)時間を計算できる。 ③2槽および3槽直列連続槽型反応器の反応率を計算できる。
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6週 |
(6)「管型反応器」について学びます。 |
①管型反応器の設計方程式(基礎式)を導くことができる。 ②数値積分法により管型反応器の空間時間および反応器体積を計算できる。
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7週 |
(中間試験) |
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8週 |
(中間試験答案返却) |
学生に中間試験の答案採点内容を確認させる。
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2ndQ |
9週 |
2.反応速度解析 (1)「反応速度解析とは」について学びます。 |
①積分法による反応速度解析について説明できる。 ②微分法による反応速度解析について説明できる。
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10週 |
(2)「液相反応の速度解析」について学びます。 |
管型反応器による液相反応の反応速度解析(微分法および積分法)ができる。
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11週 |
(3)「気相反応の速度解析」について学びます。 |
管型反応器による気相反応の実験データを用いて微分法および積分法により反応次数および反応速度定数を推算できる。
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12週 |
(4)「疑定常状態近似法」について学びます。 |
①素反応と非素反応の違いを説明できる。 ②定常状態近似法を適用し,反応速度式を導出することができる。
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13週 |
(5)「連鎖反応」について学びます。 |
疑定常状態近似法を適用し,連鎖反応の反応速度式を導出することができる。
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14週 |
(6)「酵素反応」について学びます。 |
①定常状態近似法を用いて,ミカエリスーメンテンの式を導出できる。 ②実験データから最大速度およびミカエリス定数を求める。
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15週 |
(7)「酵素反応(阻害反応)」について学びます。 |
演習問題を通して阻害反応について理解を深める。
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16週 |
(期末試験の答案返却および模範解答の説明) |
学生に期末試験の答案採点内容を確認させる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。 | 2 | |
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。 | 2 | |
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。 | 2 | |
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。 | 2 | |
パスカルの原理を説明できる。 | 2 | |
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。 | 2 | |
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。 | 2 | |
物体に作用する浮力を計算できる。 | 2 | |
定常流と非定常流の違いを説明できる。 | 2 | |
流線と流管の定義を説明できる。 | 2 | |
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。 | 2 | |
オイラーの運動方程式を説明できる。 | 2 | |
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。 | 2 | |
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。 | 2 | |
層流と乱流の違いを説明できる。 | 2 | |
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。 | 2 | |
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。 | 2 | |
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。 | 2 | |
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 2 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 2 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 2 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 2 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 2 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 2 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 2 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 2 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 2 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 2 | |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 2 | |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 2 | |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 2 | |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 2 | |
化学・生物系分野 | 無機化学 | 元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | |
水素結合について説明できる。 | 4 | |