機械デザインⅠ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 機械デザインⅠ
科目番号 R3024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD ロボティクスコース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:三田純義他「機械設計法」(コロナ社)
担当教員 赤松 重則

到達目標

【到達目標】
1. 切削,溶接,研削の機械加工の基本を理解できる。
2. 機械要素の機能,役割とその使用法ならびに適切な選択法を理解できる。
3. 材料学,材料力学,各種加工法を関連させて,機械要素の具体的利用方法を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1実際の材料に対応した機械加工を理解できる。機械加工の基本を理解できる。機械加工の基本を理解できない。
評価項目2実際の設計で適切な機械要素を選択できる。機械要素の機能,役割,使用方法と適切な選択法を理解できる。機械要素の機能,役割,使用方法と適切な選択法を理解できない。
評価項目3実際の設計において,機械要素を具体的で適切に適用できる。機械要素の具体的利用方法を理解できる。機械要素の具体的利用方法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械加工の基礎を学ぶとともに,機械設計の基礎である機械要素設計について,それに適する材料やその規格,強度および剛性並びにその性能などを習得し,これらを通じて機械設計のセンスを養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
基本事項について講義した後に,演習を通して理解を深めます。講義では基本事項の最低限を説明しますので,自ら教科書を読み理解を深めるように予習・復習を行ってください。必要に応じて材料力学,材料学,製図の教科書を併用してください。
注意点:
試験の成績を80%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。学年の評価は後学期中間と後学期末の各期間の評価の平均とする。なお,技術者が身につけるべき専門基礎として,1.機械加工の基礎,2.材料の強度計算法の習得度を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械加工の基礎1 [1]:鋳造の基本事項について学ぶ。 鋳物の作り方、種類を理解し、鋳型の要件,構造および種類を説明できる.
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方,鋳物の欠陥について説明できる。
2週 機械加工の基礎2 [2]:溶接の基本事項について学ぶ。 溶接法の分類を理解し、ガス溶接の接合法とその特徴,ガスとガス溶接装置,ガス溶接棒とフラックスを説明できる.アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。サブマージアーク溶接,イナートガスアーク溶接,炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接の仕組みを説明できる.
3週 機械加工の基礎2 [3]:溶接の基本事項について学ぶ。 溶接法の分類を理解し、ガス溶接の接合法とその特徴,ガスとガス溶接装置,ガス溶接棒とフラックスを説明できる.アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。サブマージアーク溶接,イナートガスアーク溶接,炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接の仕組みを説明できる.
4週 機械加工の基礎3 [4]:切削加工の基本事項について学ぶ。 切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動、バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。
5週 機械加工の基礎4 [5]:切削加工の基本事項について学ぶ。 フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造、ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。
6週 機械加工の基礎5 [6]:切削加工の基本事項について学ぶ。 切削工具材料の条件と種類を説明できる。切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。切削の仕組みと切りくずの形態,切削による熱の発生,構成刃先を説明できる.
7週 機械加工の基礎6 [7]:砥粒加工の基本事項について学ぶ。 研削加工の原理、研削方式、砥石の三要素、構成、選定、修正のしかた、ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。
8週 機械設計の基礎1 [8]:概念設計,基本設計,詳細設計について学ぶ。 設計の流れ,代表的な設計思想について理解する。
4thQ
9週 機械設計の基礎2 [9]:標準数,寸法公差,はめあい,加工精度について学ぶ。 標準規格,標準数,寸法公差,はめあい,加工精度の意味と必要性を説明できる。標準規格を機械設計に適用できる。
10週 強度設計の基礎[10-12]:荷重の種類と材料の引張・圧縮・せん断強さについて学ぶ。 破損の形態、荷重の種類,引張・圧縮強さ,応力ひずみ線図を説明できる。
11週 強度設計の基礎[10-12]:荷重の種類と材料の引張・圧縮・せん断強さについて学ぶ。 材料の剪断強さ,金属疲労,応力集中,クリープを説明できる。
12週 強度設計の基礎[10-12]:荷重の種類と材料の引張・圧縮・せん断強さについて学ぶ。 許容応力と安全率,ねじりと強さ,断面二次モーメントを説明できる。
13週 リンク機構1[13]:リンク装置の機構とその運動について学ぶ。 リンク装置の機構を理解し,その運動を説明できる。代表的なリンク装置の変位を求めることができる。
14週 リンク機構2[14]:リンク装置の速度の求め方を学ぶ。

代表的なリンク装置の速度を求めることができる。
15週 リンク機構3[15]:リンク装置の加速度の求め方を学ぶ。

代表的なリンク装置の加速度を求めることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
標準規格を機械設計に適用できる。4
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4
力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。2
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。2
応力とひずみを説明できる。2
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。2
許容応力と安全率を説明できる。2
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。2
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。2
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。2
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。2
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。2
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。2
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。2
工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3
鋳物の欠陥について説明できる。3
溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。3
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。3
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030
分野横断的能力000