計測工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 計測工学
科目番号 R4014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD ロボティクスコース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 中山 信

到達目標

1.SI単位系について、基本単位を理解し、説明できる。
2.直接測定や間接測定の精度、誤差について理解し、その原因を考察できる。
3.計測対象から求めたい物理量を測る方法をいくつかの方法の中から選択できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI単位系について、基本単位や組み立て単位を説明できる。SI単位系について、基本単位を説明できる。SI単位系について、基本単位を理解できない。
評価項目2直接測定や間接測定の精度、誤差について理解でき、誤差の原因を求めることができる。直接測定や間接測定の精度、誤差について理解でき、誤差の原因を考えることができる。直接測定や間接測定の精度、誤差について理解できない。
評価項目3計測対象から求めたい物理量を測る最適な方法を考察・選択できる。計測対象から求めたい物理量を測る方法をいくつかの中から考察できる。計測対象から求めたい物理量を測る方法を選択できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
計測工学では,計測に関する系統的な基礎知識を学習して,対象から最適の量を取り出す方法を考究できるようになることを目標としています。従って,まず,対象から量または信号を取り出し,これを測定や制御で有効に活用できるように加工することを学習します。また,力や速度など各種物理量の測定,長さや機械要素などの精密測定,振動や温度などの測定について学習します。
授業の進め方・方法:
毎回の授業は、基本的な事柄を説明した後、演習で理解を深める。演習においては、グループ学習を取り入れる。
注意点:
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。評価は前期中間と前期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物理量の単位と標準 計測用語の定義、度量衡、7つのSI基本単位(新SI)、組立単位、次元、トレーサビリティについて説明ができる。
2週 計測システムの基本構成と測定手法 計測システム構成、直接測定と間接測定、偏位法と零位法、計測のフィードバックシステム、計測の計画について説明ができる。
3週 測定の不確かさと統計学的評価 誤差の定義、平均値、標準偏差、分散、母集団と標本、正確さと精密さ、について理解し、実用の例で計算ができる。
4週 測定データの統計的処理 有効数字、ガウスの誤差伝播の法則、最小二乗法について理解し、実用の例で計算ができる。
5週 計測システムにおける信号変換(アナログ信号) OPアンプによる信号増幅、フィルタリングについて説明ができる。
6週 計測システムにおける信号変換(デジタル信号) サンプリング定理、A/D変換、D/A変換について説明ができる。
7週 計測システムにおける信号の表示 スペクトル、オシロスコープ等について説明ができる。
8週 計測システムの特性 静特性、分解能、ダイナミックレンジ、動特性、周波数伝達関数等について説明ができる。
2ndQ
9週 長さ測定:長さ測定の系統的誤差,拡大機構と測長機器を学ぶ。 バーニアの原理、各種拡大機構について説明できる。熱膨張による誤差、測定力による誤差、幾何学的な誤差(アッベの原理)について説明ができる。
10週 長さ測定:光を用いた計測方法について学ぶ。 スネルの法則、光波干渉について説明できる。オプチメータ、光波干渉による平面度計測、オプチカルフラットなどについて説明できる。
11週 流体を測る:流速、流量の計測方法について学ぶ。 ピトー管、熱線流速計、レーザードップラー、各種流量計について説明ができる。
12週 流体を測る:圧力を測る方法について学ぶ。 高圧、常圧、真空の測定方法について説明ができる。
13週 温度を測る:各種温度に対する測定方法について学ぶ ゼーベック効果と熱電対、測温抵抗体について説明ができる。
高温、中温の測定方法について説明ができる。
14週 温度を測る:各種温度に対する測定方法について学ぶ 常温、低温の測定方法について説明ができる。
15週 湿度,化学量の測定:湿度,化学量の測定について学ぶ。 湿度の定義とその測定方法について理解し、代表的な測定方法を説明できる。化学量の測定方法について理解し、代表的な測定方法を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前1
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前1
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前1
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力200000020
専門的能力5000003080
分野横断的能力0000000