エネルギー工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 エネルギー工学
科目番号 R5001 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 SD ロボティクスコース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 エネルギー工学」,平田ほか3名共著,森北出版  
担当教員 永橋 優純

到達目標

1.エンジンシステムの原理と構造,特徴を説明できる。
2.蒸気動力システムの原理と構造,特徴を説明できる。
3.燃焼の基本原理の説明と燃焼計算ができる。、

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1エンジンシステムの原理と構造,特徴を説明でき、各種サイクルの理論効率が導けるとともに実機関の性能計算もできる。 エンジンシステムの原理と構造,特徴を説明できる。エンジンシステムの原理と構造,特徴を説明できない。
評価項目2蒸気動力システムの原理と構造,特徴を説明できるとともに、蒸気の熱的状態量の計算やランキンサイクルの熱効率を求めることができる。蒸気動力システムの原理と構造,特徴を説明できる。蒸気動力システムの原理と構造,特徴を説明できない。
評価項目3燃焼の基本原理の説明ができるとともに、理論空気量や燃焼ガスの組成、および理論燃焼温度を求めることができる。燃焼の基本原理の説明ができる。燃焼の基本原理の説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我々が日常利用する各種エネルギーは,1次エネルギーを様々なデバイスを使って使い易い他の形態のエネルギーに変換し利用する。本講義では,熱流体を利用した動力エネルギーの生成原理を中心としたエネルギー変換の基本を学ぶ。特に機械工学や化学工学の分野で扱われる、作動流体の有する熱的エネルギーを力学的エネルギーや電気的エネルギーに変換する過程を学ぶ。また、その基本となる燃焼の基本原理についても学ぶ。これらを習得するすることにより動力エネルギーや電力エネルギーに関わる産業分野における基礎的素養を身に付けることを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書:「エネルギー工学」,平田ほか3名共著,森北出版 を基本として、永橋の講義ノートを中心に授業を進める。章ごとに自宅学習課題としての演習問題を課し提出してもらう。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
【試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題等)を30%の割合で総合的に評価する。前期中間の成績評価はその期間の前述の総合評価とし、期末の成績評価は、前期末の総合評価と前期中間の総合評価の平均とする。
【後期】試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・発表)を40%の割合で総合的に評価する。後学期中間の成績評価は前学期中間と前学期末および後学期中間の各期間の評価の平均とする。学年の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間および学年末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,上記の到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 理論サイクルとしての、オットーサイクル、ディーゼルサイクルについて学ぶ。 オットーサイクル、ディーゼルサイクルの理論熱効率を求めることができる。
2週 理論サイクルとしてのサバテサイクルを学ぶ。 サバテサイクルの理論熱効率と理論平均有効圧を求めることができる。
3週 ガソリンエンジン,ディーゼルエンジンの作動原理や構造を学ぶ。 ガソリンエンジン,ディーゼルエンジンの作動原理や構造を説明できる。
4週 2サイクルエンジン,4サイクルエンジンの作動原理や構造を学ぶ。 2サイクルエンジン,4サイクルエンジンの作動原理や構造を説明できる。
5週 実機関の性能(出力,トルク,燃費率)の求め方を学ぶ。 実機関の性能計算ができる。
6週 発電所動力プラントとしての蒸気動力システムの概要を学ぶ。 蒸気動力システムの分類や構成、構造などの概要を説明できる。
7週 蒸気の熱的状態量の求め方を学ぶ。 蒸気表や蒸気線図を用いて蒸気の熱的状態量を求めることができる。
8週 蒸気サイクルの基本サイクルである、ランキンサイクルの理論熱効率の求め方を学ぶ。 ランキンサイクルの理論熱効率を求めることができる。
2ndQ
9週 ランキンサイクルの効率改善方法を学ぶ。 再生サイクルや再熱サイクルの熱効率を求めることができる。
10週 蒸気サイクルの中の、冷凍サイクルを学ぶ。 冷凍機や、ヒートポンプの成績係数を求めることができる。
11週 燃焼の基本概念や燃料の特性を学ぶ。 燃焼の基本概念や燃料の特性を説明できる。
12週 燃焼の基礎式や発熱量の求め方を学ぶ。 燃焼の基礎式を利用して発熱量を与える式を導くことができる。
13週 理論酸素量や理論空気量の求め方を学ぶ。 燃料の組成が与えられれば、理論酸素量、理論空気量を求めることができる。
14週 燃焼ガス成分の求め方を学ぶ。 燃料の組成が与えられれば、燃焼ガスの組成を求めることができる。
15週 空気過剰率や理論燃焼温度の求め方を学ぶ。 燃料の組成が与えられれば、理論燃焼温度が求められる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。3
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。3
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。3
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3
電力システムの経済的運用について説明できる。3
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。3
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。2
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力10515
専門的能力401555
分野横断的能力201030