機械力学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械力学
科目番号 R5012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD ロボティクスコース 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:瀧口・藤野・藤原「機械系の運動と振動の基礎・基本」(海文堂出版) 参考書:末岡・綾部「機械力学」(森北出版)
担当教員 竹島 敬志,武内 秀樹

到達目標

【到達目標
1.力と力のモーメント,運動における変位,速度と加速度のベクトル表現について理解し,基本的計算ができる。
2.質点,剛体の基本的な運動を運動方程式にもとづいて解くことができる。
3.基本的な振動系の運動方程式が立式できる。
4.1自由度系の自由振動の解を求めることができる。
5.1自由度系の強制振動の解を求めることができる。
6.2自由度系の自由振動の固有振動数を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力と力のモーメント力と力のモーメントのベクトルに関する複合的な計算をすることができ,ベクトル表現に基づく運動の応用的な計算をすることができる。基本的なベクトル計算,力と力のモーメントのベクトル計算を行うことができ,運動における変位,速度と加速度のベクトル表現について理解し,基本的計算ができる。基本的なベクトル計算,力と力のモーメントのベクトル計算を行うことができなく,運動における変位,速度と加速度のベクトル表現に基づく計算を行うことができない。
質点と剛体の運動質点,剛体の複合的な運動を運動方程式にもとづいて解くことができる。質点,剛体の基本的な運動を運動方程式にもとづいて解くことができる。質点,剛体の基本的な運動を運動方程式にもとづいて解くことができない。
振動系の運動複雑な振動系の運動方程式が立式できる。基本的な振動系の運動方程式が立式できる。基本的な振動系の運動方程式が立式できない。
1自由度系の自由振動減衰振動、非減衰振動の解の振る舞いについて複素平面上での挙動から説明できる。1自由度系の非減衰・減衰自由振動の解を求めることができる。1自由度系の非減衰・減衰自由振動の解を求めることができない。
1自由度系の強制振動共振現象について理解し、定常解から現象を説明できる。1自由度系の強制振動の解を求めることができる。1自由度系の強制振動の解を求めることができない。
2自由度系の振動固有ベクトルについて理解し、固有振動モードについて説明ができる。2自由度系の自由振動の固有振動数を求めることができる。2自由度系の自由振動の固有振動数を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
力と力のモーメント,質点および剛体の運動方程式,力積と運動量,運動エネルギーと位置エネルギーなどについて学習します。また,振動モデルにおいてフリーボディダイヤグラムを描き,そこから運動方程式を立式することについて学習します。1自由度系,2自由度系の振動を対象として,その自由振動と強制振動の解析方法について学習します。
授業の進め方・方法:
この科目では機械系の運動と振動を学習する上での基礎事項について学び,振動系のモデリングから解析方法までを学ぶ。演習では、大学院入学試験、技術士試験に出題されている内容を解く。
演習課題は、レポート形式で提出する。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. SI単位系, ベクトルとベクトルの計算:SI単位系,ベクトルの表わし方,合成,分解,外積,内積, 微分を学ぶ。 SI単位系と工学単位系の違いを説明でき,単位換算ができる。ベクトルの成分表示による演算ができる。
2週 2. 力と力のモーメント,運動と変位・速度・加速度:ベクトルとしての力と力のモーメント,運動における変位,速度,加速度のベクトル表現を学ぶ。 ベクトルとしての力と力のモーメントを扱うことができる。 ベクトル表現での変位,速度,加速度を扱うことができる。
3週 3. 質点の力学:質点のニュートンの運動の法則,ダランベールの原理,質点の運動解析などを学ぶ。 質点のニュートンの運動の法則を理解し、運動の3法則を説明できる。
4週 3. 質点の力学:質点のニュートンの運動の法則,ダランベールの原理,質点の運動解析などを学ぶ。 1次元の質点の運動を運動方程式で表すことができ、計算できる。
5週 3. 質点の力学:質点のニュートンの運動の法則,ダランベールの原理,質点の運動解析などを学ぶ。 2次元の質点の運動を運動方程式で表すことができ、計算できる。
6週 3. 質点の力学:質点のニュートンの運動の法則,ダランベールの原理,質点の運動解析などを学ぶ。 周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。
7週 3. 質点の力学:質点のニュートンの運動の法則,ダランベールの原理,質点の運動解析などを学ぶ。 慣性力について理解し、ダランベールの原理を用いて計算できる。
8週 4. 剛体の力学:重心の並進運動と重心まわりの回転運動,慣性モーメントの計算,剛体の運動を学ぶ 平板の慣性モーメントを計算できる。
2ndQ
9週 4. 剛体の力学:重心の並進運動と重心まわりの回転運動,慣性モーメントの計算,剛体の運動を学ぶ。 立体の慣性モーメントを計算できる。
10週 4. 剛体の力学:重心の並進運動と重心まわりの回転運動,慣性モーメントの計算,剛体の運動を学ぶ。 剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
11週 4. 剛体の力学:重心の並進運動と重心まわりの回転運動,慣性モーメントの計算,剛体の運動を学ぶ。 剛体の運動を運動方程式で計算することができる。
12週 5. 仕事とエネルギー:仕事,運動エネルギー,位置エネルギーを学ぶ。 エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。動力の意味を理解し、計算できる。
13週 5. 仕事とエネルギー:仕事,運動エネルギー,位置エネルギーを学ぶ。 位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。
14週 6. 力積,運動量,衝突:力積と運動量,角力積と角運動量,衝突を学ぶ。 運動量および運動量保存の法則を説明できる。
15週 6. 力積,運動量,衝突:力積と運動量,角力積と角運動量,衝突を学ぶ。 物体が衝突する際に生じる現象を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 7. 振動の基礎:振動の分類,ニュートンとオイラーの方程式を用いた振動系の運動方程式の立て方について学ぶ。                                                                                                        振動の種類が説明できる。
2週 8. 1自由度系の自由振動:1自由度非減衰系の自由振動と固有円振動数について学ぶ。 1自由度非減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
3週 8. 1自由度系の自由振動:1自由度減衰系の自由振動と固有円振動数について学ぶ。 1自由度減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
4週 9.1自由度系の強制振動:力加振による強制振動と共振について学ぶ。 調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
5週 9.1自由度系の強制振動:変位加振による強制振動と共振について学ぶ。 調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
6週 10.1自由度系の過渡応答:変位加振による強制振動と共振について学ぶ。 振動系の過渡応答について説明できる。
7週 11.2自由度系の自由振動:2自由度非減衰系の自由振動と固有円振動数,振動モードについて学ぶ。 運動方程式をマトリックス表示でき,固有円振動数が計算できる。
8週 11.2自由度系の自由振動:2自由度減衰系の自由振動と固有円振動数,振動モードについて学ぶ。 運動方程式をマトリックス表示でき,固有円振動数が計算できる。
4thQ
9週 12.2自由度系の強制振動:2自由度力加振による強制振動について学ぶ。 ニュートンの運動方程式により立式し、固有振動モードを計算できる。
10週 12.2自由度系の強制振動:2自由度変位加振による強制振動について学ぶ。 ニュートンの運動方程式により立式し、固有振動モードを計算できる。
11週 13.多自由度系の自由振動:モード解析,ラグランジュの運動方程式について学ぶ。 仮想仕事の原理を理解し、ラグランジュの運動方程式によりモデリングができる。
12週 13.多自由度系の自由振動:モード解析,ラグランジュの運動方程式について学ぶ。 仮想仕事の原理を理解し、ラグランジュの運動方程式によりモデリングができる。
13週 13.多自由度系の自由振動:モード解析,ラグランジュの運動方程式について学ぶ。 仮想仕事の原理を理解し、ラグランジュの運動方程式によりモデリングができる。
14週 14.連続体の振動:弦の振動,波動方程式について学ぶ。 弦の振動に関する運動方程式を立式できる。
15週 14.連続体の振動:棒の縦振動,ねじり振動について学ぶ。 棒の縦振動,ねじり振動に関する運動方程式を立式できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1,前2
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前1,前2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前1,前2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前1,前2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前1,前2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前1,前2
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前1,前2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前5
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前4
振動の種類および調和振動を説明できる。4前2
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前3,前4,前5,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前6,前7,前8,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6

評価割合

試験課題等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力201030
専門的能力502070
分野横断的能力000