ロボット工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ロボット工学実験Ⅱ
科目番号 R5017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD ロボティクスコース 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:テーマ別に指定する。
担当教員 奥村 勇人,北村 一弘,土井 克則,中山 信,吉岡 将孝

到達目標

1.ロボット工学実験における機器の使い方を習得し,データをまとめることができる。
2.実際の現象を観察する体験などを通して,実験・実習を安全に行うための基礎知識を習得する。
3.後期の研究室単位の実験により,ロボット工学の一つの分野に対する実験とプレゼンテーションの経験を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験における機器の使い方を使いこなし,データをまとめることができる。実験における機器の使い方を習得し,データをまとめることができる。実験における機器の使い方を習得し,データをまとめることができない。
評価項目2実際の現象を観察する体験などを通して,ロボット工学の実験・実習を安全に行うための知識を習得し、活用できる。実際の現象を観察する体験などを通して,ロボット工学の実験・実習を安全に行うための基礎知識を習得する。ロボット工学の実験・実習を安全に行うための基礎的な知識が十分ではない。
評価項目3自主的に実験テーマの背景や工学的意味が説明でき,プレゼンテーションできる担当教員の指導の下で,実験テーマの背景や工学的意味が説明でき,プレゼンテーションできる。実験・解析方法などの検討やプレゼンテーションができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前学期は,ロボット工学概論などで学習した内容について,実験を通して理解を深めるとともに,計測について理解する。
後学期は,ソーシャルデザイン工学科教員研究室単位に配属し,単独のテーマについて計画から結果のプレゼンテーションまで総合的に学習する。
授業の進め方・方法:
前学期は,各テーマで設定された実験を行い、データ整理を行う。後日,レポートを作成・提出する。
後学期は自主的あるいは指導教員のアドバイスを受けながら実験を進める。
注意点:
前学期のロボット工学実験のレポートの提出期限は,実験終了後1週間以内とする。提出期限を過ぎた場合は減点の対象とする。前学期の評価は,レポートを80%,実習への取り組みを20%の割合で総合的に評価する。
後学期のロボット工学実験は,テーマ別に発表会を行って評価する。学年評価は前学期と後学期を平均して行い,60点以上を合格とする。ただし,1テーマでも特別な理由なく欠席したり,レポートが未提出の場合は,上記の平均点にかかわらず不合格の評価となる。
技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度をレポートや試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期実験ガイダンス:実験に関する諸注意,班分けを行う。 実験に関する諸注意を正しく理解する。
2週 PID実験:PID制御によるヒータ温度制御 PID制御の実現方法を学び、理論と装置の両面から実験結果を考察できる。
3週 PID実験:PID制御によるヒータ温度制御 PID制御の実現方法を学び、理論と装置の両面から実験結果を考察できる。
4週 材料学実験:鋼の熱処理,相変態。試料の理解,研磨,ミクロ組織観察。 平衡状態図を用いて,炭素鋼の熱処理条件によるミクロ組織の変化を理解できる。
5週 材料学実験:鋼の熱処理,相変態。硬さ測定,焼き入れ、焼き戻し。 ミクロ組織と硬さの関係を理解できる。硬度計の原理および使用方法を習得する。
6週 材料学実験:鋼の熱処理,相変態。シャルピー衝撃試験。 ミクロ組織と靭性の関係を理解できる。衝撃試験機の原理,使用方法を習得する。
7週 飛行機のコンピュータシミュレーション:① 飛行機の設計
3DCADを用いて,飛行機のような複雑な三次元形状をデザインできる.
8週 飛行機のコンピュータシミュレーション:② CFD解析
CAEの概要を理解すると共に,実際にCFDソフトによる数値シミュレーションを実行できる.
2ndQ
9週 飛行機のコンピュータシミュレーション:③ 空力特性の評価とカイゼン 数値計算の結果を可視化し,その結果を解析することができる.
10週 ジンバル制御実験:ブラシレスモータの制御 ブラシレスモータの位置・速度制御が出来る。
11週 ジンバル制御実験:6軸センサによる角度計測 6軸センサの情報を用いて、ジンバルの角度を計測できる。
12週 ジンバル制御実験:ジンバルの制御 ブラシレスモータと6軸センサを用いて、2軸のジンバルを制御できる。
13週 熱工学実験:熱電対の校正実験 熱電対温度計の校正実験を行い,計測することができる。
14週 熱工学実験:ボンベ熱量計による発熱量測定
発熱量の実験を行い,正しく計測することができる。
15週 熱工学実験:ボンベ熱量計による発熱量測定 低発熱量,高発熱量の違いを正しく理解し導出することができる。
16週 卒業研究の研究室単位で実験テーマを設定する。
実験テーマの背景や工学的意味が説明できる。
後期
3rdQ
1週 知財教育:特許法等の法律、著作権の取り扱いに関するルール等について学ぶ。
技術者を目指す者として、知的財産に関する知識を身に付ける。
2週 実験(1):実験の実施 実験・解析方法などの検討ができる。
3週 実験(2):実験の実施 実験・解析方法などの検討ができる。
4週 実験(3):実験の実施 実験・解析方法などの検討ができる。
5週 実験(4):実験の実施
実験・解析方法などの検討ができる。
6週 実験(5):実験の実施 実験・解析方法などの検討ができる。
7週 実験(6):実験の実施 実験・解析方法などの検討ができる。
8週 実験(7):実験の実施
実験・解析方法などの検討ができる。
4thQ
9週 実験(8):実験の実施 実験・解析方法などの検討ができる。
10週 実験(9):実験の実施 実験・解析方法などの検討ができる。
11週 実験(10):まとめ,プレゼンテーション準備 実験・解析方法などの検討ができる。
12週 実験(11):まとめ,プレゼンテーション準備 実験・解析方法などの検討ができる。
13週 実験(12):まとめ,プレゼンテーション準備 実験・解析方法などの検討ができる。
14週 実験(13):発表会を実施 実験内容についてプレゼンテーションできる。
15週 実験(14):発表会用資料等をまとめて提出 実験の成果をまとめることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前11,前12,前13,前14,前15,前16
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4前1,前10

評価割合

試験発表相互評価態度取り組みレポート他合計
総合評価割合00005050100
基礎的能力0000000
専門的能力00005050100
分野横断的能力0000000