概要:
電子計算機を始めとしてディジタル信号処理はいろいろなところで必要となる。その基礎知識として,数体系,論理代数,論理回路,ディジタルシステムなどディジタル回路設計に関する知識を学ぶ。基礎理論及び基本的な回路を学んだ後,ディジタル機器を取り扱う上で欠かすことができないディジタルICの回路構成やA/D変換について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は教科書「しっかり学べる 基礎ディジタル回路」もとにした講義とする。より講義内容を理解させるために演習問題を自主学習することにより,計算能力・知識の向上を図る。課題については必要に応じて授業内で模範解答を説明するので,自分の考え違いや解答方法を正し,模範解答に準じた解答手法を身に着けること。欠課した時間に配布する課題や資料は,各自の机に入れるので自分で管理し,課題は提出期日に提出すること。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を80%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。また,全ての課題,レポートの提出が完了していることが単位認定の要件である。
【事前・事後学習】
事前学習として教科書の該当部分(事前に説明)を読んだうえで授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で指示した課題を提出すること。その課題とした演習問題については,周りの学生とデッスカッションしたりし,自分なりの解答を提出をすること。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,2年生の電気基礎の内容を十分に理解しておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション ディジタル回路の基礎事項:ディジタルとアナログ,電気信号,基礎理論,回路設計,ディジタルICなどの概要について学ぶ。 |
ディジタル回路の基礎事項について説明できる。
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2週 |
ディジタル回路の数体系:n進数,符号体系,2進数の四則演算,補数と負の2進数について学ぶ。 |
数体系について説明できる。 10進数とn進数(2進数含)の相互変換ができる。 2進数を符号化できる。 2進数の四則演算ができる。
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3週 |
ディジタル回路の数体系:n進数,符号体系,2進数の四則演算,補数と負の2進数について学ぶ。 |
補数と負の2進数を用いて,2進数の演算ができる。
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4週 |
論理代数:ブール代数,真理値表,ベン図,標準展開,論理式の簡素化について学ぶ。 |
ブール代数の基本演算を理解し説明できる。 真理値表や,ベン図を用いて真理を表現できる。
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5週 |
論理代数:ブール代数,真理値表,ベン図,標準展開,カルノー図,論理式の簡素化について学ぶ。 |
標準展開ができる。諸定理を用いて論理式の簡素化(簡単化)がでできる。
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6週 |
論理代数:ブール代数,真理値表,ベン図,標準展開,カルノー図,論理式の簡素化について学ぶ。 |
カルノー図を用いて論理式の簡素化ができる。
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7週 |
ゲート回路:ANDゲート,ORゲート,NOTゲート,NANDゲート,NORゲート,その他ゲート回路,正論理と負論理,ゲート間の相互変換,組み合わせ回路について学ぶ。 |
ANDゲート,ORゲート,NOTゲート,NANDゲート,NORゲートの動作について説明できる。
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8週 |
ゲート回路:ANDゲート,ORゲート,NOTゲート,NANDゲート,NORゲート,その他ゲート回路,正論理と負論理,ゲート間の相互変換,組み合わせ回路について学ぶ。 |
その他ゲート回路,正論理と負論理,ゲート間の相互変換について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
ゲート回路:ANDゲート,ORゲート,NOTゲート,NANDゲート,NORゲート,その他ゲート回路,正論理と負論理,ゲート間の相互変換,組み合わせ回路について学ぶ。 |
組み合わせ回路を設計できる。
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10週 |
ゲート回路:ANDゲート,ORゲート,NOTゲート,NANDゲート,NORゲート,その他ゲート回路,正論理と負論理,ゲート間の相互変換,組み合わせ回路について学ぶ。 |
PLAの設計ができる。
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11週 |
フリップフロップ(FF)回路:非同期式FF回路,同期式FF回路について学ぶ。 |
非同期式FF回路の動作を説明できる。同期式FF回路の動作について説明できる。
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12週 |
フリップフロップ(FF)回路:非同期式FF回路,同期式FF回路について学ぶ。 |
同期式FF回路の動作について説明できる。特徴について説明できる。
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13週 |
カウンタ:カウンタの基本動作,N進カウンタの設計,その他のカウンタについて学ぶ。 |
非同期式カウンタの基本動作が説明できる。
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14週 |
カウンタ:カウンタの基本動作,N進カウンタの設計,その他のカウンタについて学ぶ。 |
同期式カウンタの基本動作が説明できる。
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15週 |
カウンタ:カウンタの基本動作,N進カウンタの設計,その他のカウンタについて学ぶ。 |
N進カウンタの設計およびその他のカウンタの特徴説明ができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
シフトレジスタ:基本動作,直列-並列変換,並列-直列変換について学ぶ。 |
シフトレジスタの基本動作を説明できる。 直列-並列変換シフトレジスタの動作およびその特徴が説明できる。
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2週 |
シフトレジスタ:基本動作,直列-並列変換,並列-直列変換について学ぶ。 |
並列-直列変換シフトレジスタの動作およびその特徴が説明できる。
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3週 |
シフトレジスタ:基本動作,直列-並列変換,並列-直列変換について学ぶ。 |
直列-並列変換,並列-直列変換シフトレジスタの設計ができる。
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4週 |
入出力変換回路:エンコーダ,デコーダ,表示回路,マルチプレクサ,デマルチプレクサについて学ぶ。 |
エンコーダ,デコーダの動作およびその特徴を説明できる。
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5週 |
入出力変換回路:エンコーダ,デコーダ,表示回路,マルチプレクサ,デマルチプレクサについて学ぶ。 |
エンコーダ,デコーダの設計ができる。
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6週 |
入出力変換回路:エンコーダ,デコーダ,表示回路,マルチプレクサ,デマルチプレクサについて学ぶ。 |
表示回路の動作およびその特徴が説明でき,設計ができる。
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7週 |
入出力変換回路:エンコーダ,デコーダ,表示回路,マルチプレクサ,デマルチプレクサについて学ぶ。 |
マルチプレクサ,デマルチプレクサの動作およびその特徴が説明でき,設計ができる。
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8週 |
演算回路:加算器,減算器について学ぶ。 |
加算器,減算器の動作およびその特徴が説明でき,設計ができる。
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4thQ |
9週 |
演算回路:加算器,減算器について学ぶ。 |
その他演算回路の動作およびその特徴が説明でき,設計ができる。
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10週 |
ディジタルIC:半導体素子とゲート回路,ICの特性,出力結合について学ぶ。 |
半導体素子とゲート回路の特徴について説明できる。
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11週 |
ディジタルIC:半導体素子とゲート回路,ICの特性,出力結合について学ぶ。 |
ICの特性について説明できる。ICの出力結合について説明できる。
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12週 |
アナログ-ディジタル変換(A/D,D/A変換):演算増幅回路,D/A変換器,A/D変換器について学ぶ。 |
演算増幅回路の動作およびその特徴が説明できる。
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13週 |
アナログ-ディジタル変換(A/D,D/A変換):演算増幅回路,D/A変換器,A/D変換器について学ぶ。 |
D/A変換器の動作およびその特徴が説明できる。
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14週 |
アナログ-ディジタル変換(A/D,D/A変換):演算増幅回路,D/A変換器,A/D変換器について学ぶ。 |
A/D変換器の動作およびその特徴が説明できる。
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15週 |
論理回路設計演習 |
仕様を満たす論理回路を設計し動作解析ができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 変数の概念を説明できる。 | 4 | |
データ型の概念を説明できる。 | 4 | |
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。 | 4 | |
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。 | 4 | |
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。 | 4 | |
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。 | 4 | |
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 4 | |
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。 | 4 | |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 4 | |
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。 | 2 | |
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。 | 3 | |
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。 | 2 | |
主要な計算モデルを説明できる。 | 2 | |
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。 | 4 | |
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。 | 4 | |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。 | 4 | |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。 | 4 | |
ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 4 | |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 4 | |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 4 | |
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 4 | |
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 4 | |
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。 | 4 | |
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 4 | |
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。 | 4 | |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。 | 4 | |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造を実装することができる。 | 4 | |
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。 | 2 | |
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。 | 3 | |
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 情報系分野【実験・実習能力】 | 情報系【実験・実習】 | 与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。 | 4 | |
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。 | 4 | |
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 4 | |
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。 | 4 | |
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。 | 4 | |
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。 | 4 | |
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。 | 4 | |
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。 | 4 | |